“飢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
46.2%
うえ15.8%
うゑ10.5%
ひも10.5%
かつ8.2%
2.9%
ひもじ1.8%
1.2%
1.2%
うへ0.6%
0.6%
ひだる0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わずかの金銀家財、これを有りぎりに養育しまいらせ、御命なお長く、たから尽きたらば、共にえ死に申さるべく候。……(大略)
彼は少量の携帯食糧にうえしのいだが、襲い来った山上の寒気に我慢が出来なかった。仕方なく落下傘を少しずつやぶっては燃料にした。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
けれども、かうして犬どもにせがまれて、この常にうゑに襲はれて居る者どもの空腹を想像して見た時、彼は飯を炊かずには居られなかつた。
気のッけい、侠気も義もねえ男だと聞いています。いくらひもじいッからって、そんな泥臭どろくせえ野郎の下にゃあ付きたくありませんからね
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やつぱり、なんだなあ、悪魔の手のかかつた場所ぢやあ、かつゑたモスカーリから搾り出すほどの儲けもあるこつてねえだて。」
夜来の行軍のつかれもあり、陽もうらうらと朝を告げて、全軍、ようやくもじさを覚えていたので、潜行軍の最後方の——この秀次隊は
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(酒はいけない。ひもじい時の飯粒は、天道もお目こぼし、姉さんが改札口で見つからなかったも同じだが、酒となると恐多い……)
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
甚だしきはうや、浴後の薄衣うすぎや、皮膚の不潔や、すべて病因たることは、盡く自己の判斷と、他の批判と、即ち一個的及び相互的の注意によつて、之を避けねばならぬ。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
しな照る 片岡山かたをかやまに いひて こやせる 旅人たびとあはれ 親無おやなしに なれりけめや 剌竹さすたけの きみはやき いひて こやせる 旅人たびとあはれ
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
此に於て熬米いりごめみ以て一時のうへしのび、一走駆さうくしてただちに沿岸にいたり飯をんとけつす、此に於て山をくだり方向をさだめて沼辺にいたらんとし、山をくだれば前方の山又山
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
「しなてる片岡山に、いいこやせる、その旅人たびとあはれ。親なしになれなりけめや、さすたけの君はやなき、飯に飢て臥せる、その旅人あはれ」
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「あまりのひだるさに、塗篭へ入って寝てみたが、夢ばかり見て眠りにならぬよ」
奥の海 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)