“寒飢”の読み方と例文
読み方割合
かんき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
幼時は、父こそちがうが、秀吉と同じ尾張中村のあばに生れ、同じ母のひざに甘え、同じ貧苦と寒飢かんきの中に育てられてきた骨肉である。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雪の日、佐野の渡しに行き暮れた最明寺時頼さいみょうじときより寒飢かんきをもてなすに、寵愛の梅の木をって、炉にくべる薪とした鎌倉武士の情操と、劉安の話とを。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうした冬をいくめぐりか体験すると、ここの師弟たちにとって、冬はむしろ内省的な修練をする好ましい期間でさえあった。貧しさと寒飢かんきにさえ感謝することができた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)