“寒鴉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんがらす76.9%
かんあ23.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ゆうべの、寒鴉かんがらすにちげえねえ。勘太をやッつけたのも、小屋をこんなにしやがったのも、あの鼻の先のひん曲った色の黒い素浪人だ。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ん! 寒鴉かんがらすめ。あんなやつもめったにゃねえよ、往来の少ないところなら、昼だってひよぐるぐらいは大目に見てくれらあ、業腹な。
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やがて、黄昏たそがれの寒鴉かんあの声を聞きながら、範宴も、法隆寺へ帰って行った。そして、山門の外から本堂の御扉みとびらを拝して、弟のために、祈念をこらした。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むか以太利イタリーの大家アンドレア・デル・サルトが言った事がある。画をかくなら何でも自然その物を写せ。天に星辰せいしんあり。地に露華ろかあり。飛ぶにとりあり。走るにけものあり。池に金魚あり。枯木こぼく寒鴉かんああり。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)