“処”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
ところ67.9%
とこ12.4%
どころ6.0%
しょ3.1%
どこ1.9%
とけ1.3%
1.3%
0.9%
0.8%
0.6%
しよ0.6%
0.5%
どご0.5%
トコロ0.3%
ドコロ0.3%
0.2%
ショ0.2%
おか0.2%
じょ0.2%
0.2%
とけえ0.2%
とっ0.2%
0.2%
をら0.2%
ジョ0.2%
ヶしょ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、道行みちゆきにしろ、喧嘩けんくわにしろ、ところが、げるにもしのんでるにも、背後うしろに、むらさと松並木まつなみきなはていへるのではない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(御宅の御新造さんは、わしとこに居ますで案じさっしゃるな、したがな、またもとなりにお前の処へは来ないからそう思わっしゃいよ。)
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いや、尼どころか、このくらい悟り得ない事はない。「お日和ひよりで、坊さんはお友だちでよかったけれど、番傘はお茶を引きましたわ。」
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ただし、君は旧幕府の末世まっせにあたりて乱にしょし、また維新の初において創業に際したることなれば、おのずから今日の我々に異なり。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
そこで竿をいたわって、しかも早くらちくようにするには、竿の折れそうになる前に切れどこから糸のきれるようにして置くのです。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
訳が有って三藏どんがおらとけえ頭を下げて来て、さて作右衞門どん、うもの者に話をしてはとてらちが明かねえ、人一人は大事な者なれども
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかして、これを率いるものは、の倨傲自らるカイゼル、ウィルヘルム二世である。欧州大戦は如何様いかように終結すべきか。
列強環視の中心に在る日本 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
今の電話の在りを問いただそうとしたが、何となく薄気味がわるくなって来て、ともかくもU君の出社を待っていたのだという。
舞ひで行ふ事は、其威力が村全体に及ばねばなりません。此が花祭りの精神で、同時に日本固有の芸能の精神を伝へて居るのです。
奈良の家の女部屋は、裏方五つを通した広いものであつた。郎女の帳台のを一番奥にして、四つの間に刀自若人凡三十人も居た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
半町はんちやうばかりくと、みちきふたかくなつて、のぼりがいつしよよこからえた、弓形ゆみなりまるつち勅使橋ちよくしばしがかゝつてるやうな。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ヨルよりも暗くなつたイホリの中では、明王像の立ちさへ見定められぬばかりになつて居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
さがしたぞ。こんたなどごまで来て。して黙って彼処あそごに居なぃがった。おぢいさん、うんと心配してるぞ。さ、早くべ。」
種山ヶ原 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
被害者ノ身元ヲ知ランカメニアラユル方法ハ尽クサレ遂ニ端緒ヲ得サリシトコロ、数日ヲ経テ
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
さうして年々トシドシ頻繁に、氏神其外ソノホカの神々を祭つてゐる。其度毎ソノタビゴトに、家の語部カタリベ大伴カタリミヤツコオムナたちを呼んで、コレツカマドコロもない昔代ムカシヨの物語りをさせて、氏人ウヂビトに傾聴をひて居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
がいかにもアツト・ホームながん
わがひとに与ふる哀歌 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)
十二トキノ「立チザラシ」ニショ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はその夫とともに在るをはんやう無きわづらひなれど、又そのひとりを守りてこの家におかるるをもへ難くいぶせきものに思へるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それがただのじとじとならいけれど、今云う泥水の一件だ、ごうと来た洪水か何かで、一思ひとおもいに流されるならまだしもです——あかりの消えた、あの診察じょのような真暗まっくらな夜、降るともつかず
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
アトは丸山にて貴様の狃除なじみをば喜ばしょうと思うに、要らん事に全快ようなったりして俺達をば非道ひどい眼に合わせる。捕らぬ狸の皮算用。夜中三天のコッケコーコーたあ貴様ぬしが事タイ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
おいどんとけえ来て見ろ。西郷先生の城山しろやまで切腹さした短刀ちゅうもんが、チャンとかくしてごわすじゃ。手紙でん何でん持っとる。来て見ろや、そりゃ、えさっかぞお。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
男「はい、え、二三日前から伊香保の……ナニの伊香保の木暮八郎ンとっから此方こちらへ湯治におでなさった橋本幸三郎さんてエのは貴方でございますか」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
貫一は目を側めて遊佐がおもてうかがへり。そのひややかに鋭きまなこの光はあやしく彼を襲ひて、そぞろに熱する怒気を忘れしめぬ。遊佐はたちまち吾にかへれるやうに覚えて、身のあやふきにるを省みたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
既にその顔を見了みをはれば、何ばかりのたのしみのあらぬ家庭は、彼をして火無き煖炉ストオブかたはらをらしむるなり。彼の凍えてでざること無し。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
夢野久作ってのが、頻りに探偵小説の様なもの——事実探偵小説の様なものであって、そんジョそこらにある様な、単なる探偵小説とは、およそその類をことにしているのである。
夢の如く出現した彼 (新字新仮名) / 青柳喜兵衛(著)
夫人 それ、御覧、ついでにその火で、焼けそうな処を二三ヶしょくがい、お亀様のみち松明たいまつにしようから。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)