“此処”のいろいろな読み方と例文
旧字:此處
読み方(ふりがな)割合
ここ84.5%
こゝ9.2%
こけ1.4%
これ1.0%
こご0.5%
こっち0.5%
このところ0.5%
こヽ0.3%
くまん0.2%
こか0.2%
(他:9)1.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“此処”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸98.4%
芸術・美術 > スポーツ・体育 > 戸外レクリエーション69.1%
歴史 > 地理・地誌・紀行 > 日本41.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「好いわね。広の為だものう。わしが今苦しんどきや、此処ここの家の田地は二つにならずに、そつくり広の手へ渡るだものう。」
一塊の土 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
妹のすまっている静な町には、どんな人が生活しているかと思うような、門構の大きな家や庭がそこにも此処ここにもあった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
恭三の家とは非常に懇意にして居たので、此処こゝを宿にして毎日荷物を預けて置いて、朝来てはそれをになって売り歩いた。
恭三の父 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
此は夜をこめてエルサレムより余等の乗る可き馬をき来り此処こゝに待てる馬士まごイブラヒム君とて矢張シリヤ人なり。
母「あゝ薄暗い座敷だな、行灯あんどんを持って来な……お若/\、此方こっちへ出ろよ、此処こけへ出ろ、う少し出てよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
太「そんな事を言っちゃア心細くなって仕様がねえ、ばゝあや、多助が高平までくって寄ったから、此処こけうよ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
長「おのれが毀して置きながら、又其様そんなこと申す其の手はくわぬぞ、わしが箱から出す、さ此処これへ出せ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
菊「お路地のお草履ぞうり此処これにあります、飛石とびいしへおつまずき遊ばすとあぶのうございますよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「泣ぐな。雪はれるうぢ此処こごに居るべし泣ぐな。」一郎はしっかりと楢夫を抱いて岩の下に立って云ひました。
ひかりの素足 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「どごでもいがべ。此処こごまで来なぃがべ。」
葡萄水 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
その産婆さんのうち彼処あすこじゃ湊の稽古場は此処こっちの方じゃと、指をさして見せたときには
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
パチパチバリバリッと音がして、黒煙と、焔の反映で此処こっちまで赤い
天狗外伝 斬られの仙太 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
われ永世えいせい此処このところとゞまりて、外へはでじと、その居間に閉籠とぢこも
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
嫁女の事より人をあやめ、長崎に到りて狼藉の限りをつくされしが、過ぐる晩春の頃ほひ、丸山初花楼の太夫、初花の刑場を荒らし、天地のかん、身を置くに所無く、今日こんにち此処このところに迷ひ来られし人とおぼし。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
此処こヽから六条の本山ほんざんかよつて役僧やくそう首席しゆせきを勤めて居たが、亡くなつた道珍和上とも知合しりあひであつたし
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
阿母さんが折々一時間も此処こヽに閉ぢこもつて出て来ぬ事がある丈に、家中うちヾうこの内陣計りはあたヽかいやうななつかしい様な処だ。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
「旦那さい。ぬーん、悪事やなくとお、びらん。此処くまんかい、かくくゐていど、やびいたる。」
奥間巡査 (新字旧仮名) / 池宮城積宝(著)
駕「旦那、お前さん何かなまぐさい物を持っておいでなさりゃアしませんか、此処こかア狐が出ますからねえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
婆「ひやア此処こけいらにはまア沢山はねえ女でござりやすよ、ひやア」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「や、Sさん、何処どくさん行かしたかと思っとった。此処こけえ来とらしたたい。」とY君だ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「どうもこんな竹は此処ここいらに見かけねえですから、よその国の物か知れませんネ。それにしろ二けんもあるものを持って来るのも大変な話だし。浪人のらくな人だか何だか知らないけれども、勝手なことをやって遊んでいるうちに中気が起ったのでしょうが、何にしろい竿だ」と吉はいいました。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
うれい重荷おもにうて直下すぐしたに働いて居る彼爺さん達、彼処あち此処こちに鳶色にこがれたけやきの下かしの木蔭に平和を夢みて居る幾個いくつ茅舎ぼうしゃ其等それらは所謂文明の手にはえの如く簑虫みのむし宿やどの如く払いのけられねばならぬのであろうか。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「あなたはずつと此処こちらで、おつれあひとは別々にお暮しなさるおつもり?」
それより外のものは何一つ見当らない——かれらがどうして此処こんなところに住んでいるかということ、それが何時いつから始められているかということは、ほとんどおぼろげな記憶を過っても
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
と云われて多助はびっくり致し、ハアと云いながら思わず知らず此処そこへ泣き倒れました。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
八「はせな、おら此処ほけへおいさすゝみざの脇差わしざしざのはぞうしさな」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
の内此処ココへ送りこまれた時、一人のウバのついて来たことは、知つて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
池上の堤で命召されたあのお方のムクロを、罪人にモガリするは、災の元と、天若日子アメワカヒコの昔語りに任せて、其まゝ此処ココにおハコびなされて、おけになつたのが、此塚よ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)