“様”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
さま46.4%
よう23.3%
さん10.3%
ざま10.3%
やう6.9%
サマ0.8%
ごと0.6%
0.6%
ヤウ0.6%
どん0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こんなに何事にも力の尽きたやうな今のさまがみじめでならなくも思はれるのであつた。二人の記者は何時いつの間にか席に居なくなつた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
そうして、なおも夢中になって、その自記機械から、巻紙ようのものを長くひっぱり出して見ている。その目は異様な光をおびていた。
火星兵団 (新字新仮名) / 海野十三(著)
(御宅の御新造さんは、わしとこに居ますで案じさっしゃるな、したがな、またもとなりにお前の処へは来ないからそう思わっしゃいよ。)
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何だあのざまは。馴染の芸者が這入つてくると、入れ代りに席をはづして、逃げるなんて、どこ迄も人を胡魔化す気だから気に食はない。
坊っちやん (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
阿母さんは大原おほはら律師様りつしさまにお頼みしてにいさん達と同じやう何処どこかの御寺おてらへ遣つて、あたまを剃らせて結構な御経おきやうを習はせ度いと思ふの。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
芸の高潮に入る最初で、興奮初めて発する姿であり、又表情の大きく顕れるのを防いでゐる努力時のサマだとも言へる。
戞々たり 車上の優人 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「そうじゃない。あれあ大病人の祝言じゃけに、病気にさわらんごと、ソロオッと遣ってくれたとたい。毛唐人なあ気の利いとるケニ」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
後について来るとおもたものが足音を絶つ、並んどったものが見えんになる、前に進むものが倒れてしまう。自分は自分で、楯とするものがない。
戦話 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
黒玉の大きな石壁に、刻み込まれた白々としたからだのヤウに、オゴソかに、だが、すんなりと、手を伸べたまゝで居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
……と言うのが……何でもその日田の御金奉行の野西春行はるつらという若侍が、あの騒動の起って以来、毎日、御城内の大目付、川村どんのお役宅に押しかけて来て