“父様”のいろいろな読み方と例文
旧字:父樣
読み方割合
とうさま25.0%
とうさん17.9%
とっさま14.3%
ととさま9.5%
とっさん8.3%
おとっさん6.0%
とつさん3.6%
とつさま2.4%
おとっちゃん1.2%
ととさん1.2%
おとつさん1.2%
とつつあん1.2%
ちやん1.2%
とうと1.2%
とつちあん1.2%
とつちやん1.2%
とゝさま1.2%
とッさま1.2%
やじさま1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お前が、そういう心掛こころがけで買うのなら、時々は買ってもいい。お父様とうさまは、お好きなほうなのだから。」と、おっかさんは言いました。
納豆合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
だからCさんがお父様とうさんの身のまわりの事から、お台所の事から、それに小さな弟さんの面倒まで、そりゃ行届いてなさるんですって。
大きな手 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
お前はちいさい時分から小三郎に許嫁をしたもの故、お父様とっさまが浪人しても、忰の方へお前を貰おうと、其の相談もしたいと思って居ったが
相かはらず父様ととさまの御機嫌、母の気をはかりて、我身をない物にして上杉家の安穏をはかりぬれど、ほころびが切れてはむづかし。
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
惣「じいやア、私は和尚様に願い無理にひまを戴いて、兄さんや姉さんの敵が討ちたくって来たが、お父様とっさん母様っかさんの敵は知れました」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
内の父様おとっさんも案じておりますから、貴方またその姉さんをお助けなさろうの何のッて、あすこへいらっしゃるのはお止し遊ばしまし。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それではもう私は戻ります、亥之さんが帰つたらば宜しくいふて置いて下され、お父様とつさんもお母様つかさんも御機嫌よう、この次には笑ふて参りまするとて是非なささうに立あがれば
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「付かない事をお聞き申すやうですが、那処あすこにお父様とつさまとお話をしてゐらつしやるのは何地どちらの方ですか」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
外戸おもてどの隙からそッと透見すきみをして、小さな口で、(母様かあちゃん父様おとっちゃん家に居るの?)と聞くんだよ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見得をかまはず豆なり栗なり気に入つたを喰べて見せておくれ、いつでも父様ととさんうわさすること、出世は出世に相違なく、人の見る目も立派なほど
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すゞめだつてチツチツチツチツて、母様おつかさん父様おとつさんと、こども朋達ともだちみんなで、お談話はなしをしてるじやあありませんか。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それから九州へ帰りまして商売をしましたのですが、私の八つの時にお父様とつつあんは死にましたのです。そしてお母様は三人の子のある男を家へ入れたんですよ。
女が来て (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
するとほか小猿こざるが「おれの父様ちやんはもつとえらいや、おにしま征伐せいばつにいつたんだもの」「うそだあ、ありやむかしことぢやないか」
父様とうと何するがいね、危い。……この母様かあかまた黙って居らっされかア。」と仲裁する様に言った。
恭三の父 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
ぴき小猿こざるが「おれのお父様とつちあんはおまへえらいんだぜ、うさぎ喧嘩けんくわをしてつたよ」とひました。
あきふゆ遊山ゆさんる、桜山さくらやまも、桃谷もゝたにも、あの梅林ばいりんも、菖蒲あやめいけみんな父様とつちやんので、頬白ほゝじろだの、目白めじろだの、山雀やまがらだのが、このまどから堤防どてきしや、やなぎもとや、蛇籠じやかごうへるのがえる
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
奉公人だと思って台所の隅へでも置いてくだされば有難うがんす、私は八歳やっつの時から此のうちに貰われて来て、死んだ父様とゝさまの丹誠で大きくなりましたから、是から恩返おんげえしをしなければならない身体
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今日は気も晴々せいせいとして、散歩にはあつらえ向きというよい天気ですなア。お父様とッさまは先刻どこへかお出かけでしたな。といつもの調子軽し。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
ことにゃア女の事だから、此の兄の死水しにみず手前てまえが取るのが当前あたりまえだのに、何の因果で此様こんな悪婦あくとうが出来たろう、お父様やじさまも正直なお方、私も是までさのみ悪い事をした覚えはないのに