父様とっさん)” の例文
旧字:父樣
惣「じいやア、私は和尚様に願い無理にひまを戴いて、兄さんや姉さんの敵が討ちたくって来たが、お父様とっさん母様っかさんの敵は知れました」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「お父様とっさんはまだ寝ないかねえ。」
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
自分の妹とも知らないで七年跡から互に深く成った畜生同様の両人ふたり、此の宗觀さんのお父様とっさんは羽生村の名主役で惣右衞門というお方でしたが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
父様とっさんのことをお聞きなすって、嘸お力落しだろうって、あなたのお噂でを更かし、きに夜が明けちまったようなことで
したが今夜百文でも二百文でも貰って帰らなければ私の命を助けて呉れた大事なお父様とっさん明日あした喰べさせるものをあてがう事も出来ず、と云っておなかすかさせては済まない
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
汝が亭主になる人だよと、何度も云って聞かせ、お父様とっさんが約束して固く極めた処を承知していながら、情夫を連れてめえっちゃア石原へ済まねえ事を知っていながら来るとは
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
肴も何かい物を取って置くがい…、なに然う泣いて居てはいけない、お父様とっさんが頭を剃って廻国をすると云って行方知れずになり、お母様っかさんも親類もなくお前さん一人に成って
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お父さんの悪いのではございません、みんな私が悪いのでございます、と申すはよんどころない訳で私がお前さんのお父様とっさんを慕いまする故に、お父様がお屋敷を出る様な事に成りました
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
悪い事をしても高が知れてるが、お父様とっさんやおっかさんも御承知で出家なすったのですか
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
父様とっさんはあのお商いもひまだから、あの金沢から山中の温泉場の方へ商いに往って、事に依ったら大阪へ廻って買出しをたいからと云って、ちっとばかり宗慈寺様からね資本もとでを拝借したのだよ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ぐ世間の人に後指さゝれてなんと云われるだろうか、其の時のお前が心持は何うだろう、お前ばかりじゃないよ、お父様とっさん母様っかさんをはじめ縁に繋がるこの己までが世間の口にかゝらんけりゃならんのだ
繼「う、わたしゃねお父様とっさんを捜しに往ったの」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)