“父親”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちちおや31.1%
てておや17.5%
おやじ9.9%
てゝおや8.5%
おやぢ8.5%
ちゝおや6.6%
ちゃん2.8%
おとっ2.4%
おや2.4%
ちち1.4%
おとつ0.9%
ちやん0.5%
おとっさん0.5%
とう0.5%
ファーテル0.5%
うち0.5%
おとう0.5%
おとつさん0.5%
ちゝはゝ0.5%
ちヽおや0.5%
ととさん0.5%
やぢ0.5%
ダツデイ0.5%
パパ0.5%
ファザー0.5%
ファタア0.5%
ファーザー0.5%
フアーザー0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ゆきがふるとられなくなるから、ちょっと、となりむらまでようたしにいってくる。」と、父親ちちおやは、じたくをしながら、いいました。
ペスときょうだい (新字新仮名) / 小川未明(著)
かへりの遅きを母の親案じて尋ねに来てくれたをば時機しほに家へは戻つたれど、母も物いはず父親てておやも無言に、れ一人私をばしかる物もなく
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私も、その頃阿母おふくろに別れました。今じゃ父親おやじらんのですが、しかしまあ、墓所はかしょを知っているだけでも、あなたよりましかも知れん。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かへりのおそきをはゝおやあんしてたづねにてくれたをば時機しほうちへはもどつたれど、はゝものいはず父親てゝおや無言むごんに、一人ひとりわたしをばしかものもなく
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
然し大抵ならの校長は此方こつちのいふ通りに都合してくれますよ。謂ツちや変だけれど、僕の父親おやぢとは金銭上の関係もあるもんですからね。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
さるころはがきにて處用しよようと申こしたる文面ぶんめんおとことほりにて名書ながきも六ざうぶんなりしかど、手跡しゆせき大分だいぶあがりてよげにりしと父親ちゝおやまんより
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「女だって、そんなに細い女って、あるもんか。こんどおっ母あが病院を出たら訊いてみよう。菊ちゃんとおれとは、きっと父親ちゃんがちがうのかも知れねえぜ」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母親さんだッて父親おとっさんには早くお別れなさるし、今じゃ便りにするなアお前さんばっかりだから、どんなにか心細いか知れない。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
で、この方は政府で何かむつかしい問題が起ると、その場では意見を述べずに家に帰って来てそれから自分の父親おやのごとき前大臣に相談をするです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
したッてしかたがないッて父親ちちは言いますけれどもな……当人がなかなか言うことを聞きませんでな……どうせ女のすることだから、ろくなことはできんのは知れてるですけど……
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
『しかし、』とお志保はすゞしいひとみを輝した。『父親おとつさんや母親おつかさんの血統ちすぢ奈何どんなで御座ませうと、それは瀬川さんの知つたことぢや御座ますまい。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
父親ちやん何故なぜさかなべないのだらう、)とおもひながらひざをついて、伸上のびあがつて、のこぎり手元てもといた。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それがというと、坊やも乳児ちのみの時から父親おとっさんにゃあちっとも馴染なじまないで、少しものごころが着いて来ると、顔を見ちゃ泣出してね。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
母親かあさんが早く死去なくなり、お父親とうさん一人きりになっている、その大切なお父親とうさんの側に坐り込み、耳を澄ますのを習慣としていた。
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
自分の父親ファーテルをいっそうまざまざと現わして見せるために、椅子からおどり上がって、両手をポケットに突っ込み、頬をふくらませて、プーフ! プーフという音に似るように
父親うちではあの通り休んでおりますから、神田の平次親分でも頼んで来ましょうか」
十二月の十日のこと、珍しい御客様を乗せた一だい人力車くるまが門の前で停りました。それは奥様の父親おとう様が東京から尋ねていらしったのです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
とゝのへすわり居てそれと見るよりお光さんかさだめし甲夜よひからお出で有らうと待草臥まちくたびれて居りたるにと云へばお光も莞爾にこやか吾儕わたしも早く來たいのは山々やま/\なれど父親おとつさんがお寢なさらぬので家が出られずたゞ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いつも威勢いせいよきくろぬりくるまの、それかどおとまつたむすめではないかと兩親ふたおや出迎でむかはれつるものを、今宵こよひつぢよりとびのりのくるまさへかへして悄然しよんぼり格子戸かうしどそとてば、家内うちには父親ちゝはゝあひかはらずの高聲たかごゑ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
くろぬりべいおもてかまへとお勝手かつてむきの經濟けいざいべつものぞかし、をしはかりにひとうへうらやまぬものよ、香月左門かうづきさもんといひし舊幕臣きうばくしん學士がくし父親ちヽおやとは𧘕𧘔かみしもかたをならべしあいだなるが
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「あんなに機嫌のいい父親ととさんが、死ぬ気になるはずはありません。それに」
中學の門と斜に向ひ合つて、一軒の理髮床があつたが、其前で何日かしら菊池君を見た……否、アレは市役所の兵事係とか云ふ、同じクラスの友人のお父親やぢの鬚だつたと氣がつく。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
私達の夫々の父親ダツデイ達の共同の仕事だつたからです。
このひとのタッチは、どんな臆病な娘のこころも落着かせずにはおかない〈父親パパ〉のタッチだ。なんともいえないニュアンスのよさ。コントル・ダンスどころのさわぎでない。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
母親マザーは一々父親ファザーへ報告するのが役目だ。俊彦は好い心掛けの子ですって。感心なものでございますって。僕の声価はとみに高まる。そこへ又君がやって来るんだ」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「しかし、こんなことは病人には言わぬようにしたまえ。父親ファタアにはそのうち僕からもよく話そうと思うがね」
風立ちぬ (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「僕は父親ファーザーに相談する」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
『君の父親フアーザーは、酒を飲まれるのですか?』少時しばらくして又訊出きゝだす。
一月一日 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)