父親ちち)” の例文
したッてしかたがないッて父親ちちは言いますけれどもな……当人がなかなか言うことを聞きませんでな……どうせ女のすることだから、ろくなことはできんのは知れてるですけど……
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「そしたら先刻さつき郷里くにの弟から葉書を寄越しましたがね、父親ちちが死んだのですつて。」
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
「これの父親ちちも、ちとばかりその端くれを、致しますのでございますよ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わたし父親ちちですがね、十日の夕方に死んだ相ですよ……。
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)