“先刻”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
さっき61.0%
さつき24.8%
せんこく6.8%
さき3.1%
さきほど1.8%
さきがた0.6%
サツキ0.4%
さいぜん0.3%
さきた0.3%
さきに0.3%
(他:5)0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“先刻”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸61.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語20.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)4.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
先刻さっき郵便を出してから、神田を散歩して、電車を降りて家へ帰るまで、宗助の頭には小六の小の字もひらめかなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
青年は、何か答えようとして、口を動かした。が、言葉の代りに出たものは、先刻さっきの吐血の名残りらしい少量の血であった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「五せんりんまういくらつていふんだ、さうすつと先刻さつきのはいくらの勘定かんぢやうだつけな」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此奴こいつ先刻さつきぼくが飲んだんだから」と云つて、洋盃コツプげたが、蹰躇ちうちよした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
先刻せんこくはるか/\の海上かいじやう朦乎ぼんやり三個さんこ燈光ともしびみとめたあひだこそ
「さて」と老人ろうじんはことばをついで、「先刻せんこくの話にもどりましょう。ではこの子に三十フラン出すことにしよう」
しかなせるあいだにも、頬のあたり先刻さきに毒虫の触れたらむと覚ゆるが、しきりにかゆければ、袖もてひまなくこすりぬ。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかなせるあひだにも、頬のあたり先刻さきに毒虫の触れたらむと覚ゆるが、しきりにかゆければ、そでもてひまなくこすりぬ。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
父親てゝおや先刻さきほどよりうでぐみしてぢてありけるが、あゝ御袋おふくろ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「左門様が、あなた様のお父様の敵などとは夢にも知らず、先刻さきほどから、紙帳の中で、物語りいたしましたは真実ではござりまするが、何んの貞操みさおを!」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「今日は鰹が大分獲れる相な、先刻さきがたたんとあつたのでお父さん等、町へ船で持つて行つてござつたさうや。」とお桐が言つた。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
蝦蟇は先刻さきがたまで、物蔭で大学教授のやうに哲学を考へてゐたが、滅法腹が空いたので、のつそり明るみへ這ひ出して来たのだ。
先刻サツキから、聞えて居たのかも知れぬ。あまり寂けさに馴れた耳は、新な声を聞きつけよう、としなかつたのであらう。だから、今珍しく響いて来た感じもないのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
先刻サツキから、聞えて居たのかも知れぬ。あまり寂けさに馴れた耳は、新な聲を聞きつけよう、としなかつたのであらう。だから、今珍しく響いて來た感じもないのだ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
と正直に答えますと、暫く私どもの顔を見上げておりました非人は、先刻さいぜん、呉れてやった味噌チリの面桶めんつうむしろの蔭から取出しました。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……私はそれから裏口の梔子くちなしの蔭にむしろを敷きまして、煙管きせるくわえながら先刻さいぜん蒸籠せいろつくろい残りをつづくっておりましたが
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
先刻さきた、俺ア來る時、巡査ア彼家あすこへ行つたけどら。今日檢査の時ア裏の小屋さ隱れたつけア、誰か知らせたべえな。昨日から顏色つらいろア惡くてらけもの。』
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
先刻さきた、俺ア来るどき、巡査ア彼家あすこへ行つたけどら。今日検査の時ア裏の小屋さ隠れたつけア、誰か知らせたべえな。昨日きのなから顔色つらいろア悪くてらけもの。』
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
むくろは中心を失ひて、真逆様まつさかさまになりけるにぞ、かゝとを天井に着けたりしが、血汐ちしほ先刻さきにはぎを伝ひて足の裏を染めたれば
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一人いちにんの男ありて正体も無く眠れるは、けだし此家このやの用人なるが、先刻さきに酒席に一座して、酔過ゑひすごしてねたるなれば、今お村が僵れ込みて
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
貴方あなた、御飯が食べられて? あたし何ぼ何でも喰べられなかったわ、あんま先刻さッき詰込んだもんだから。」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私は先刻さッきから存在を認めていられないようだから、其隙そのひまこッそり雪江さんのかおを視ていたのだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
……それはとにかく今日先刻いましがた俺はこの方と逢いました。そうです向こうの林の中で岩太郎さんと逢ったのです。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
豊後が理由わけを訊くと、先刻きつき忠成は道の通りがかりに、腹が空いて困るから、湯漬ゆづけなりと振舞つて欲しいと言つて、座敷に上り込み、主人も家来も負けず劣らず大食おほぐひをして帰つたあとだと解つた。
末松夫人は先刻きつきから悪い者が通りかゝつたと思つて、身体からだ乾葡萄ほしぶだうのやうに平べつたくして、成るべく見つからないやうにしてゐたが、老人に呼びかけられて、強ひてぢ曲げるやうに笑顔を作つた。
此処こゝ先刻さツきからすんでござつたのが、みぎ売薬ばいやくぢや。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
先刻さツき小屋こやはいつて世話せわをしましたので、ぬら/\したうま鼻息はないき体中からだぢゆうへかゝつて気味きみわるうござんす。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)