“可”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
25.4%
25.3%
20.3%
11.9%
べか3.3%
よし3.1%
2.7%
いい2.4%
いゝ1.2%
0.5%
べく0.5%
よろ0.5%
0.4%
べき0.3%
バカリ0.3%
べし0.2%
よう0.2%
えゝ0.2%
ばかり0.2%
ゆる0.2%
あたら0.1%
いけ0.1%
かな0.1%
よい0.1%
エー0.1%
0.1%
ベカ0.1%
ベシ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此辺の百姓にはまだ、子供を学校に出すよりは家に置いて子守をさした方がいと思つてる者が少くない。女の子は殊にさうである。
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
予はえらく、偶然人の秘密を見るはし。しかれども秘密を行う者をして、人目を憚るふるまいを、見られたりと心着かしめんは妙ならず。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まともに算盤そろばんを取られると、向う一ヶ年位は、一銭の月給も受取れないことになって居るという、驚くき事実を発見するでしょう。
笑う悪魔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
これから駒津岳の頂上へ懸けて偃松が深いので、元は登降になり困難であったが、今は多少の切明けもあるのでやや登りよくなった。
なんとなれば娼婦型の女人はただに交合を恐れざるのみならず、又実に恬然てんぜんとして個人的威厳を顧みざる天才をそなへざるべからざればなり。
娼婦美と冒険 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
で、私は後へ引退ひききがった。ト娘の挿したかんざしのひらひらする、美しいふさ越しに舞台の見えるのが、花輪で額縁を取ったようで、それもよしさ。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
学者はさうなけりやならんけど、世間は皆学者ではないぞ、えか。実業家の精神は唯財ただかねじや、世の中の奴の慾も財より外には無い。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
人は自分のすべきことをさへすればいい、われわれが貴様を責めるのも、勿論のこと、ひまだからだ、とせんじ詰めた処さういふのだな。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
『まあ、何と申上げていゝか解りませんけれど——』とお志保は耳の根元までもあかくなつて、『私はもう其積りで居りますんですよ。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
皆討チ取ルシトテ、ヲドリ給フ。尾藤甚右衛門、戸田三郎四郎ナド、下ニテ聴テ、亭主ハいかう浮気ニ成リ給ヘリトテ、笑ヘリト也
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近習番きんじゅうばん木村丈八事、やがて其地に立寄り申すべくつき、領内にて相待ち、同道にて帰府のほう都合よろしかるべし——という指令なのであった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
送った方がよろしいと僕は思います。すべて女の惑いからいろんな混雑や悲嘆なげきが出て来るものです。現に僕の事でも彼女あのおんなが惑うたからでしょう……
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
で、芳子はほとん喧嘩けんかをするまでに争ったが、矢張だんとしてかぬ。先生をたよりにして出京したのではあるが、そう聞けば、なるほど御尤ごもっともである。監督上都合の悪いというのもよく解りました。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
隱亡をんばう彌十に頼み燒棄やきすてさせ候段不屆に付存命ぞんめい致しをり候はゞおもき御仕置しおきにもおほせ付らるべきところ鈴ヶ森に於て殺害せつがい致されしにより其つみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其所供載者多是庸卑雑沓猥褻衆口喋嘈タリ、余一僧一士一商、僧年歯六十バカリ一童僧、士バカリ二十四五誇觜軽俊殆ンド学究、商半老※憧市様
聞き三吉然らば御かへり相待あひまつべしと言て上りこみ一向うごかぬ故小兵衞も是非なく密と勝手かつての方より出ておもてへ廻り只今歸りしていにて三吉を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うござんすか、いかえ、貴方あなた。……親御さんが影身に添っていなさるんですよ。ようござんすか、分りましたか。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(あゝん、のさきの下駄げたはうえゝか、おまへすきところへ、あゝん。)とねんれてたが、矢張やつぱりだまつて、爾時そのときは、おなじ横顏よこがほ一寸ちよつとそむけて、あらぬところた。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
余与よと京水と同行どうかう十人小千谷をはなれて西の方●新保しんほ村●薮川新田やぶかはしんでんなどいふ村々を一宮いちのみやといふ村にいたる、山間やまあひ篆畦あぜみち曲節まがり/\こゝいた行程みちのり一里半ばかりなり。
かく思い定めたれども、渠の良心はけっしてこれをゆるさざりき。渠の心は激動して、渠の身は波にゆらるる小舟おぶねのごとく、安んじかねて行きつ、もどりつ、塀ぎわに低徊ていかいせり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
馬爪ばづのさしぐしにあるひと本甲ほんかうほどにはうれしがりしものなれども、人毎ひとごとめそやして、これほどの容貌きりよううもとはあたら惜しいもの、ひとあらうならおそらく島原しまばらつての美人びじん
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「先生は不具者かたはや乞食に惡口をいてはいけないと言つたのに、豐吉は那麽あんな事をしたのだから、たとひ豐吉が一番で私が二番でも、私より豐吉の方が惡い人だ。」
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
その場所ばしよまつたくぼくつたのである、後背うしろがけからは雜木ざふきえだかさかさねておほひかゝり、まへかなひろよどみしづかうづまいながれてる。足場あしばはわざ/\つくつたやうおもはれるほど具合ぐあひい。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それともいまこれを此處におけ貴君あなたの三年の壽命いのちちゞめるがよいか、それでも今ぐにほしう御座るかな。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「だから言うじゃアないか、題はおれが、おれが考えがあるからエーと言うに。」
号外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
コノ故ニ、仏道ヲ修メ、往生ヲ願ウモノ、如何イカンゾコノ心ナクシテナランヤ
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玄蕃ゲンバノ家人ニ老功ラウコウアリ。玄蕃ガ前ニ来ツテ申ス。中川ハ勇ヲ好ム将ナリ。敵寄スルト聞カバ、ナガラ待ツベカラズ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一、会館ハ辰半タツハンイリ未刻ヒツジノコク退シリゾベシ
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)