“抵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いた55.6%
あた14.8%
いたら7.4%
3.7%
あたり3.7%
3.7%
かた3.7%
てい3.7%
むか3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は死にいたるまで、その父母をわするるあたわざりしなり。否、死するに際して、第一彼れの念頭にのぼりし者は、その父母にてありしなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
太子は、志を得た曉には汝を大夫に取立て死罪にあたる咎あるも三度迄は許さうと良夫に約束し、之を手先としてぬかり無く策謀をめぐらす。
盈虚 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
たふげうちこし四里山径やまみち隆崛りうくつして数武すぶ平坦へいたんの路をふま浅貝あさかひといふえき宿やどなほ二居嶺ふたゐたふげ(二リ半)をこえ三俣みつまたといふ山駅さんえきに宿し、芝原嶺しばはらたふげを下り湯沢ゆさはいたらんとするみちにてはるか一楹いちえい茶店さてんを見る。
彼をかつせしいかりに任せて、なかば起したりしたいを投倒せば、腰部ようぶ創所きずしよを強くてて、得堪えたへずうめき苦むを、不意なりければ満枝はことまどひて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一人を殺す者は一死その命にあたりて足るべけれども、万人を殺す者は何の刑をもって万人の命にていすべきや。たとい、これを殺すもただ一死に過ぎざるのみ。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
岸をむ水は、石に觸れて倒立し、鹹沫しぶきは飛んで二人の面をてり。ポツジヨの興は風浪の高きに從ひて高く、掌をちて哄笑し、海に對して快哉くわいさいを連呼せり。
そういう場合、大抵接吻せっぷんと指切りをかたにおいて行くのが、思いやりのある彼女の手であった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
一人を殺す者は一死その命にあたりて足るべけれども、万人を殺す者は何の刑をもって万人の命にていすべきや。たとい、これを殺すもただ一死に過ぎざるのみ。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
「いいえ、私はただ通りかかったばかりなんです。でもまあ遁げてくれて可かったけれど、むかって来たらどうしようかと思ったよ。……可哀相に、綺麗な植木の花が。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)