“呻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うめ66.7%
うな29.5%
うめき0.9%
あお0.7%
によ0.7%
0.5%
あえ0.2%
あくび0.2%
うなり0.2%
うん0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「違う。……違う」うめくように、彼はくりかえした。彼は、今日のあの女を、十二時間も同じ場所にいたあの娘のことを思っていた。
待っている女 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
「だって、あんな重い牛の頭のかぶりものをかぶって、二時間も三時間も休みなしでうなったりわめいたりの真似をするのはやり切れん」
火星探険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかるに友はこれを悟らずして、ヨブの哀々たる心のうめきを言句の末において判定する。これヨブの大なる不満であった。故にこの語を発したのである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
もうそのまま、帰りたくもなりましたが、皆で来ているのでそれもならず、再び店内に入ると、もはや、ほろ苦くなった酒をあおるのもめてしまった。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
載せて、うなだれ、によびたる。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
すると、続いて、同じ蘇鉄の間の北の隅へ、吉良上野介がめきながら多勢に囲まれて来た。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
例の慢心和尚はこの時、点心てんじんでありました。膳に向ってのりのようなおかゆのようなものを一心に食べていました。その食事の鼻先へ、ムク犬があえぎ呻ぎ逃げ込んで来ました。
あくび念仏ねぶつかみまぜおとがなでまはししがひげをぬきて居たり。
閃めく白虹はっこう。間一髪に才蔵は飛んで、姿は宙に消えてしまった。と、その瞬間に白狼うなりして飛びかかる。それをかわして颯と切る。——ウオと一声吠えながら、まりのように地に転がる。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
官員で、朝帰りで、洋服で、釣ってりゃ馬鹿だ、と天窓あたまから呑んでかかって、中でもふならしい奴の黄金鎖きんぐさりへ手を懸ける、としまった! この腕をうんと握られたんだ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
吐息といきともき声ともつかぬものういをほっと洩らすと共に、彼はまた身を屈めて仕事をし出したが、やがて沈黙はまた破られた。
不二ののいや遠長き山路をも妹許いもがり訪へばはず
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)