“よ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
8.4%
5.4%
5.2%
4.4%
3.9%
3.8%
3.8%
3.6%
3.2%
3.2%
(他:3977)55.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
七草ななくさ牧野まきのが妾宅へやって来ると、おれんは早速彼の妻が、訪ねて来たいきさつを話して聞かせた。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
筆「其のは頭巾を被っていらっしゃいましたからお顔は覚えませんがお声で存じて居ります、頂いたに相違ございません」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「だって御金が山のようにあったって、欽吾さんには何にもならないでしょう。それよりか藤尾さんに上げる方がござんすよ」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あまり現金に見えては、却つてくない結果を引きおこしさうな気がしたので、苦しいのを我慢してすはつてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その内細君の御腹おなかが段々大きくなって来た。起居たちいに重苦しそうな呼息いきをし始めた。気分もく変化した。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「一体どういうんだろう、今の島田の実際の境遇っていうのは。姉にいても比田に訊いても、本当の所がく分らないが」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
薄ぎたなくよごれた顔に充血させて、口を食いしばって、りかかるように前扉にたれている様子が彼には笑止に見えた。
卑怯者 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
その瞬間におせいはどっと悲しくなった。そしてそこに体をせかけたまま、両袖を顔にあてて声をひそめながら泣きはじめた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それで書生さんの下村さんと内野さんとがとても素敵なの。そりゃいい男なのよ。あら、そんな事いうなら、もう話をすわよ。
ニッケルの文鎮 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
笑うてやらっしゃりませ。いけ年をつかまつって、貴女が、ね、とおっしゃったをせばいことでござります。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
屠手は多勢ってたかって、声を励ましたり、叱ったりして、じッとそこに動かない牛を無理やりに屠場の方へ引き入れた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
うつくしい蠱惑こわくちてせることだらう! れるな、にごるな、まよふなと
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
「あずまはや」(ああ、わが女よ)とおなげきになりました。それ以来そのあたりの国々をあずまとぶようになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
「お美津みつ、おい、一寸ちよつと、あれい。」とかた擦合すりあはせて細君さいくんんだ。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「しかし、貴下、聞く処にりますると、早瀬子は、何か、芸妓げいしゃ風情を、内へ入れておると申すでごわりまするが。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
当方より進んでその嶮岨けんそな地勢にり、要所要所を固めてかかったなら、敵をち取ることができようと力説した。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ひとり謫天情仙じやうせんのみ舊にりて、言ふことまれなれども、あたること多からむことを求むるに似たり。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
つて教えた通り、すこしおいでになりましたところ、すべて言つた通りでしたから、その桂の木に登つておいでになりました。
晩に、炊事場の仕事がすむと、上官に気づかれないように、一人ずつ、別々に、息を切らしながら、雪の丘をのぼった。
渦巻ける烏の群 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
人よ、じ難いあの山がいかに高いとても、飛躍の念さえ切ならば、恐れるなかれ不可能の、金の駿馬しゅんめをせめたてよ。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
而してわれより出るしゆひかりわれしんぜずしてしゆしんずるにいた
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
それから食物しょくもつ……これは只今ただいまなかよりずっと簡単かんたんなように見受みうけられます。
この病気上りの細君の心を休めるためには、かえってそれを冗談じょうだんにして笑ってしまう方がかろうと考えたので、
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お兼 まあ。そんな事をする人があるものですか。自分の心をくしょうと心がけるかわりに悪くしょうとして骨折るなんて。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
「ハッハッハッヽヽヽそれなら初めから小作人まかせにして御自分は札幌に居る方がからう。」と他の属官が言つた。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
と兄は嫂を取做とりなすように言って、「たまには節子にもそれくらいの元気を出させるがい」という意味を通わせた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
作「これこれ長助、手暴くせんがい、腹立紛れにてまえが毀すといかんから、矢張やっぱり千代お前検めるがい」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
奉「隠すな、隠すと其の方の為にならんぞ、奉行はく知ってるぞ、幸兵衛が障子の張替えなどに度々まいったであろう」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
僕はその何分か前に甲板の欄干らんかんりかかったまま、だんだん左舷さげんへ迫って来る湖南の府城を眺めていた。
湖南の扇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あしたに稽古の窓にれば、垣をかすめて靡く霧は不斷の烟、ゆふべ鑽仰さんがうみねづれば
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
夏目先生は、楠緒さんのおなくなりの時に、「あるほどの菊投げ入れよ棺の中」という手向たむけの句をおみになりました。
大塚楠緒子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
日本では専ら「うさぎ」また「のうさぎ」で通るが、古歌には露窃つゆぬすみてふ名でんだのもある由(『本草啓蒙』四七)。
「いえ、万が一、いや、いずれに致せ多いがよろしかろうと存じまして、屈強の者りすぐり、二十名程増やしまして厶ります」
老中の眼鏡 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
「まあ、まあ、こつちさえその気になれば、相手はり取り、お好み次第つていう有様だから、兄さんなんか、気が強いわけさ」
光は影を (新字新仮名) / 岸田国士(著)
いざとなると容赦ようしゃ未練みれんもない代りには、人にって取り扱をかえるような軽薄な態度はすこしも見せない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ゆえに人事を詠ぜんとする場合にも、なお人事の特色とすべき時間を写さずして空間を写すは俳句の性質のしからしむるにる。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
「それは判らない。だが、まあ、ここらに網を張っているよりほかはあるまい。風をけるために、この門の下にはいっていろ」
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すらすらとすすきを抜けて、くいある高き身に、秋風をひんよくけて通す心細さを、秋は時雨しぐれて冬になる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あいする親族しんぞくの六さい幼女えうぢよひ、玄子げんし器具きぐなどかつ
明治めいぢ三十五ねんはるぐわつ徳島とくしまり、北海道ほくかいだう移住いぢゆうす。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
「出家には、ものおしみをする人の心がどうしても解りません、わしにい梨がある、それを出して、皆さんに御馳走をしよう」
種梨 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
日というものがこんなにく橘に人事ひとごとでなく存在していることが、大きな広いところにつき抜けて出た感じであった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
で、原稿を受取ると、その場ですぐ読み出したが、詩があまりよく出来てゐるので、急に居ずまひを直しながら、執事をんだ。
従って一方ではやたらにその真似まねをすることを戒め、他の一方ではまたこの方法をもって児を隠す神をんだものと思う。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しかし、夫人ふじんしづめて、ちかくにゐる同志どうし婦人達ふじんたちあつめた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
あれあれ危しまた撓んだわ、誰か十兵衛びに行け、といえども天に瓦飛び板飛び、地上に砂利の舞う中を行かんというものなく
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「八日。(五月。)晴。今夜姫路鳥取行乗船。但安石同伴夜四つ時前より竹忠船たけちゆうふねへ乗込。直出帆。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
で、つきみちらすのも、案山子かゝしぶのも、からかさくるま
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
秀雄ちゃんは早速お医者さんに来てもらいましたら大腸加答児カタルだそうで昨日あたりからやっとくなって来ました。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「ねえ、浪路さま、しっかりあそばして、くなって下されませ――な、その中に、屹度、楽しい日もまいりましょうほどに――」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
この数学の教師はまだ若い時に、暖炉の灰けにかかっていた女中の着物をある日見て、そのためにその女を思うようになった。
殺される十日程前、夜中やちゅう合羽かっぱを着て、傘に雪をけながら、足駄がけで、四条から三条へ帰った事がある。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
通りがかりのぱらいが、酔いもさめきった青い顔をして、次第に崩れゆく東京ビルを呆然ぼうぜんと見守っていた。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
二人はステッキをふったりつつみをかかえたりまた競馬けいばなどでって顔を赤くしてさけんだりしていました。
二人の役人 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
その方共の子弟がめいそむいて帰藩せぬのは平生へいぜいの教訓よろしからざるに云々うんぬんの文句で
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その市価を生じた直接の原因は、商売人のはなしるとやはり外国人がしきりに感嘆して買出したからであるそうだ。
「糸公、兄さんは学問も出来ず落第もするが――まあそう、どうでも好い。とにかく御前兄さんを好い兄さんと思わないかい」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『いつかおつしやつた様に雑誌を満百号限りおし遊せな。それは貴方あなたに取つても私に取つても残念ですけれど。』
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
くろころもをまとって、一にち御堂おどうなかでおきょうんでらしました。
女の魚売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
板の新しいだけ、なおさらやすっぽく、尾羽おはらした、糟谷かすやの心のすさみがありありとまれる。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)