“よ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
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(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大分けてゐた。「遼陽城頭けて‥‥」と、さつきまで先登の一大隊えてゐた軍歌ももう途絶えてしまつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
は何があるな。甲州街道へ来て新らしい魚類を所望する程野暮ではない。何か野菜物か、それとも若鮎でもあれば魚田いな」
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
寶鼎金虎し、芝田白鴉ふ。一瓢造化し、三尺妖邪り、逡巡ることをし、また頃刻かしむ。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
半ば渡りて立止り、欄干にりて眺むれば、両岸の家々の火、水に映じて涼しさを加え、いずこともなく聞く絃声流るるに似て清し。
良夜 (新字新仮名) / 饗庭篁村(著)
「遅いからもうそうと断りましたが、多の市さんは依怙地な方で、こんな大雪にわざわざ来たんだからと、無理に入り込んで——」
ようやく、あちらに、が、っているのが、にはいった時分、どこからか、自分たちをぶ、はとのがきこえてきました。
兄弟のやまばと (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくは学校から帰る途中たびたびカムパネルラのうちにった。カムパネルラのうちにはアルコールランプで走る汽車があったんだ。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ひ、また越路ほどに、られたと意味ではないので——後言であつたのです。……不具だとふのです。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一方では真実の役者がそれぞれ立派に三座にっていたが、西両国という眼抜きの地に村右衛門が立籠ったので素破らしい大入です。
江戸か東京か (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
さて、それでは、その恋愛、すなわち色慾の Warming-up は、単にチャンスにってのみ開始せられるものであろうか。
チャンス (新字新仮名) / 太宰治(著)
毛といふ毛はく蛇で、其の蛇は悉く首をげて舌を吐いて、るゝのも、ふのも、ぢあがるのも、にじり出るのも見らるゝ
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
貸す気がないなら貸さんでもいい、無理に借りようとはいわない。何も同情呼ばわりして逆さに蟇口を振って見せなくてもかろう
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
の時に疾翔大力、爾迦夷に告げてく、に聴け諦に聴け。くこれを思念せよ。我今に梟鵄諸の悪禽離苦解脱の道を述べんと。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「でもあの辺はうございますのね、周囲がおかで」おゆうはじろじろお島の髷の形などを見ながら自分のへも手をやっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
りに選って、日本人なんか目っけなくてもよさそうなものだと、少々変な心持で、何だって聞くと、今度は名刺を出した、見ると
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
抱いて通ったのか、れて飛んだのか、まるでで、ぐたりと肩にっかかったまま、そうでしょう……引息をと深く、木戸口で
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ことにどもらしい氣持ちを自由みこんだで、そんなのになると、つい/\よいわるいをれて、同感せずにゐられません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
太古遺跡發掘に、めてしたのは、武藏權現臺である。それは品川からめてい、荏原郡大井小字
かく判明せる原因は、要保護人を署内(目白署)に収容せる後に至りて、該人物が巧妙なるり居たることを発見せるにる。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なるほど門人種員の話した通り打水清き飛石づたい、日をける夕顔棚からは大きな糸瓜の三つ四つもぶら下っている中庭を隔てて
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この場合には町内の衆が、各一個の提灯を携えて集まり来たり、夜どおし大声でんで歩くのが、義理でもありまた慣例でもあった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
只今も申しまする通り夜分になれば伯父の目さえければるものはないんでげすから、お若さんも伊之助も好事にして引きいれる
苗代川は現実の世から見ればまさに夢の国だとも思える。進歩を誇る吾々に易々いものが出来にくいのと何たる対比であろうか。
苗代川の黒物 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
あるいはその手の指の先に(ニコティンは太い第二指の爪を何と云う黄色に染めていたであろう!)に折られた十円札が一枚
十円札 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
何、何故ばなかったって。それは帰りにここへ来るつもりだったから招ばなかったのさ。ね、小言はようきいてからにするがいい。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
手紙で知らして来た容子にると、その後も続いて沼南の世話になっていたらしく、中国辺の新聞記者となったのも沼南の口入なら
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
花を枕頭差置くと、その時も絶え入っていた母は、呼吸を返して、それから日増くなって、五年経ってから亡くなりました。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
がだんだんなるうちに、おかしららしいは、だれよりもよけいにって、さもおもしろそうにいくずれていました。
瘤とり (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
っても、それを読みはじめたときから私の胸を一ぱいにさせていた憤懣に近いものはなかなか消え去るようには見えなかった。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
ほんとはこの『抒情小曲集』は『愛の詩集』と併せて読んで、僕の心持のたてとよことにれ込んだリズムをほぐして見てほしいのだ。
抒情小曲集:04 抒情小曲集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
主人の飼っている Jean という大犬が吠えそうにしてして、鼻をくんくんと鳴らす。竹が障子を開けて何か言う声がする。
独身 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
各々従者をえ、また友情に厚き人々のこととて多くの見舞品などを携え、沙漠の舟とばるる駱駝に乗りて急ぎ来ったのであろう。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
湖上の弦月と暁の雪峰 暁霧を冒して少しく山の上に登ったところで、いかにも景色がうございますから湖面を眺めますと
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
先哲いはく……君子はあやふきによらず、いや頬杖むにる。……、さみだれの、ふるにおとづれて……か。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
我若しヴィルジリオとを同じうするをえたらんには、わが流罪滿つること一年るゝともいとはざらんに。 一〇〇—一〇二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
また「蟆」の一字をタニククとませた例もなければ、「蟆」は畢竟ククの音に当てた仮名であって、それ自身タニグクではなく
女郎屋ふわけにはかず、まゝよとこんなはさてれたもので、根笹けて、にころりとたが、如何にも
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのしつく空気の中で、笑婦の群れが、赤く割られた石榴の実のように詰っていた。彼はテーブルの間を黙々として歩いてみた。押しせて来た女が、彼の肩からぶら下った。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
からは原稿料が手にると、直ぐ多少余分の送金もして、の物をっても、観世撚だけはって呉れるなと言ってった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
少年の時、嘗て一村院をぎり、壁上に詩あるを見る。云ふ、夜涼疑雨、院静似僧と。何人の詩なるやを知らざる也。
読みて大尉壮行にするの感あり、此日よりにして、此日只一人しくて、ボンヤリとなり、社員にもせず
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
一夜道心の俄坊主が殊勝な顔をして、ムニャムニャとお経をんでお蝋を上げたは山門に住んだと同じ心の洒落から思立ったので
そしてわざと暗い所をってれ合ってゆく柔弱なを見るといきなり横づっぽうの一つも張り飛ばしてやりたいほどがたって
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
銀杏を撫で石壇を攀ぢ御前に一禮したる後瑞垣にりて見下ろせば數百株の古梅ややさかりを過ぎて散りがてなるも哀れなり。
鎌倉一見の記 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
遂にスペイン人にわれて城に帰った、それはかったが全体この女性質慓悍で上長の人の命にわぬから遂に野獣にわす刑に処せられた
峰の小屋の熊のような主は「危えぜ、く気を付けて行かっせ、何でも右へ右へと、小石の積んだのを目当てに行きせえすりぁ大丈夫だ。」
木曽御嶽の両面 (新字新仮名) / 吉江喬松(著)
「これでは、いかに何でも、おれないでしょう。あしたは、ほかの旅籠りましょう。毎夜ですから、寝不足になりますよ」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
し一方が余の見立通り老人は唯一突にてを感ずる間も無きうちに事切れたりと見定むるとも其一方が然らずと云わば何とせん
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
でも、困つたのよ、安いのを買はうとすると、から、三輪さんの奥さんが、こつちがいゝつて、高いのをるんですもの……。
屋上庭園 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
く見れば白髪をた者だ、シテ見ると老人だナ(大)ハイ私しも初めは老人と見込をましたが猶お考え直して見ると第一老人は身体も衰え
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
驚くことのあらんとすらんとおみになった心をけて、数ならぬ私共もまた、何物にか驚かされたいと常に念じている次第でございます。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ぎたる紅葉しけれど、山茶花しりひて、のこまやかに、ひすゝまぬなきなりける。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
未だ報裁をらず、欝包の際、今年の夏、同じく平貞盛、将門を召すの官符を奉じて常陸国にりぬ。つて国内りに将門に牒述す。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
さうして結局節約額が一二千五百萬圓りであつて特別會計の一三千四百萬圓節約額合算すると二六千萬圓となる。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
心のみにつてあらゆることが起つて来る。その心が果して宇宙の心につゞいてゐるか、何うか。永遠の生命につゞいてゐるか、何うか。
大阪で (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
元の天下を得る、もとより其の兵力にると雖も、成功の速疾なるもの、劉の揮攉しきを得るにるものからず。秉忠は実に奇偉卓犖の僧なり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「何、安田の炭鑛へかゝつてたんですがね。エ、二里ばかり、あ、あの山の陰になつてます。エ、最早しちやつたんです」
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
雑木林を抜けて、裏街道を停車場の方へ足を向けた菜穂子は、前方から吹きつける雪のために、ときどき身をげて立ち止まらなければならなかった。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
いたずらに自尊の念と固陋り合せたるごとき没分暁を振って学生を精根のつづく限りたたいたなら、見じめなのは学生である。
作物の批評 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「先ず好かった」と思った時、眩暈が強く起こったので、左の手で夜具葛籠を引き寄せて、それにり掛かった。そして深いい息をいていた。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ばれる座敷は気が向いた客のみにしか行かず、弟子取りも断って、わたし一人だけ幼年の無邪気なのを取得に家に置くことを許した。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
われてゴツトシヤルが詩學にり、理想實際の二派を分ちて、時の人の批評法を論ぜしことありしが、今はひと昔になりぬ。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
るに弟子はぶを知ってうを知らぬので、満屋皆水なるに至って周章く所を知らなかったということがある。当時の新聞雑誌はこの弟子であった。
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
すでに他人の忠勇みするときは、同時にからみて不愉快を感ずるもまた人生の至情かるべからざるところなれば、その心事を推察するに
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「えゝ、ねえ奴等だな」さんはてた。店先駄菓子れた店臺をがた/\とかすがあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
めたり/\、檜葉菩薩の賢明、三馬鹿の陰謀をそれと見拔き、釣られたる風をして、そつと三馬鹿を出し拔き、麓にて待ち合はす相手にとて、六一菩薩を招きたるよな、その手は喰はぬと
夜の高尾山 (旧字旧仮名) / 大町桂月(著)
この世にし、楽しくあらば、来んには、虫にも、鳥にもれはなりなむ。そら、これだこれだ! 此の世さへ楽しかつたら来世には、たとへどんな動物になつたつてそんな事あ構はん。
浮標 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
少年の頃、自分がうまいものをよそでばれて帰って話すとき、母は根掘り葉掘り詳しく聞き返し、まるで自分が食べでもしたような満足さで顔を生々とさしたではないか。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
こうして牛の背をかりて旅の出来るほどには、体のぐあいもくなっては来たが、彼女の以上の問題は、決してまだ解決はしていない。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
揺れない大きな船の乗組員は、小さな船の船員よりもうとの事だ。つまりたまにより大揺れに逢わないからである。サロンの桃の花しだいにこぼれていく。
欧洲紀行 (新字新仮名) / 横光利一(著)
ほかにも烏檡(『漢書』)、𪂬䖘(揚雄『方言』)など作りあれば、烏菟は疑いなく虎の事でその音たまたま猫の梵名にく似たのだ。
されども諸王は積年の威をみ、大封のり、叔父の尊きをて、不遜の事の多かりければ、皇太孫は如何ばかり心苦しくわしく思いしみたりけむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
台州から天台縣までは六十である。日本の六である。ゆる/\輿かせてたので、から役人へにたのにつた、もうぎてゐた。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
れど是等の道具立てに不似合なる逸物は其汚れたる卓子り白き手に裁判所の呼出状を持ちしまゝ憂いに沈める一美人なり是ぞこれ噂に聞ける藻西太郎の妻倉子なり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
と云つて、汽車の客が皆左の窓際へつて眺めるのであつた。自分は秋草を染めたお納戸の着物に、同じ模様の薄青磁色の帯を結んで居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
もう一人、引解きらしい、汚れた単衣ものに、綟れの三尺で、頬被りした、ずんぐりった赤ら顔の兄哥が一人、のっそり腕組をしてる……
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
家賃は安いがそこは苦沙弥先生である。っちゃんや次郎ちゃんなどと号する、いわゆるちゃん付きの連中と、薄っな垣一重を隔てて御隣り同志の親密なる交際は結んでおらぬ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そは妾にしてし彼の家の如き冷酷の家庭にるとも到底長くまるわざるを予知すればなりき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
「だけど、なにしろ友達が悪いんですからね。あなたもあまりしく言うのはおしなさいよ。おっかないから。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
又、しんば英才の人が容易に或事を爲し得たとするも、其の英才は何れから來たか。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
示さば、臣うこと無からんや。且つ、からず。君、其れ、之(夏姫の肌着)を納めよ。
妖氛録 (新字新仮名) / 中島敦(著)
御邪魔ても御座いますか」とくと、坂井
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
つてな、えのさ、そんでも麁朶あよりやえゝかんな、松麁朶だちつたつてこつちのちやで卅五だのだのつて、ちつちえにな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
池を飛び越えて向うへ立ってスリの立ち廻りを見物していたそうで、私は、いつもながら、年はっても父の機敏なのに驚いたことであった。
平吉め五兵衞其外とも一同下られけり是より伊奈殿には手代杉山五郎兵衞馬場三右衞門の兩人に幸手宿の杉戸屋富右衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「何れそんなことでしょうと存じましたが、これからはもうして下さいよ。私の方の予算が悉皆狂ってしまいますから」
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
大伴家持の歌に、「春花のうつろふまでに相見ねば月日みつつ妹待つらむぞ」(巻十七・三九八二)というのがある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
甲野さんは寝ながら日記をけだした。横綴の茶の表布の少しは汗にごれたを、折るようにあけて、二三枚めくると、一ほど白い所が出て来た。甲野さんはここから書き始める。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私らンとこの菊太郎も実地はもうたくさんだで、今茲は病院の方をさして、この秋から田舎に開業することになっておりますでね、私もこれで一ト安心ですよ。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
今夜という今夜はの実地を見届けたのだ、あれがにいう魔とか幽霊とか云うものであろう。
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「矢張りおったままで『済まん、細木永之丞君、命令だったからじゃ、済まん』と、仰有ったじゃアありませんか」
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
姿を借りてその群の中に伍してゐたか、或は時流が一樣にそれらの人をもくるめて、武者修業とんだだけに過ぎない。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
行年その時六十歳を、三つと刻んだはおかしいが、数え年のサバをんで、私が代理に宿帳をつける時は、天地人とか何んとか言って、の問答をするように、指を三本
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……芳ちやん』群集を振り返た時にはおろおろ聲で眼が血走つて居る。やがて凜とした甲聲
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
「は?」彼は覚えず身をして、と立てたる鉄鞭にり、こは白日の夢か、空華の形か、正体見んと為れど、酔眼のく張るのみにて、れざるはなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
各町の知事毎年その町良家新産の女児をて最も美な者十二人を選び、殿中に養い歌舞を習わせ、十二歳の始めにこれを王宮に進め、旧制にって試験を受く。
二人は連れ立つてそこらの珈琲店に入つて往つた。音楽家は暖い珈琲と菓子の一皿とを乞食にひながら、自分は卓子りかゝつて、せつせと作曲に取りかゝつた。
斜めに吹きかける雨を片々の手に持った傘でけつつ、片々の手で薄く切った肉と麺麭を何度にも頬張るのが非常に苦しかった。彼は幾たびか其所にあるベンチへ腰をそうとしては躊躇した。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と細い聲で、靜に、冷笑的に謂ツて、チラと對手の顏を見る。そしてぐいと肩をす。これは彼が得意の時にく行る癖で。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ところで、なんぜ油を嘗めよったかと言うと、いまもいう節で、虐待されとるから油でも嘗めんことには栄養の取りがない。まあ、言うたら、止むに止まれん栄養上の必要や。
秋深き (新字新仮名) / 織田作之助(著)
その勢力のある英国の権力を持って軍隊からわざわざこしてくれたこの人物——ホートンと名乗るこの人物の、こればかりの要求を拒絶するということも義理合いとして出来難い。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
東山野このはじめてきく聲の茅蜩のこゑは竹にとほれり
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
お父さまは一週間前から感冒にられておつてゐられます。それに持病の喘息も加つて昨今の衰弱は眼に立つて見えます。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
朋友死してる所なければ我がもとにおいてせよという。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
この時、無窮と見えた雲の運動は止まって、踏むさえ惜しい黄金の土地の上を、銀色の川がぎって、池の菱の花は、静かに、その瞼を閉ざすのである。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
投げ植えるようにしてあるのが、今時分になって、う/\数えるほどの花が白く開いている。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
此處大黒屋のとより信如ろしく、左右ずしてあゆみにしなれども、生憎、あやにくの鼻緒をさへに踏切りて、なき門下紙縷心地
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その心志の周旋するところ、日夜の郷往するところ、その死してのち数十年、しかもその物、具存して、体魄より、気のるところを知る。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
勝信 おっていらっしゃいませ。(親鸞を助けて寝床にさせる)お苦しゅうございますか。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
もしその児が女で後年子をむと自分と同名の樹で自宅辺に生え居るやつにり香き花や葉を供え飾ると、今度生まるべき児の魂が鳥にって来り母に殺され食わるるまで待ち居る。
招待ばれて来た猪之松の兄弟分の、領家の酒造造、松岸の権右衛門、白須の小十郎、秩父の七九郎等々十数人の貸元で、それらと向かい合って亭主役の、高萩の猪之松が端座したまま
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
周章て火鉢の前に請ずる機転の遅鈍も、正直ばかりで世態知悉ぬ姿なるべし。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
世間はしばし中将の行くえを失いて、浪子ひとりその父を占めけるなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
いずれも、まれい。お家の重大事を、私憤とおまちがい召さるまいぞ。私議、我執まれたい。かかる際には、一藩一体となり、挙止もの静かなるこそそ目にも見事と申すもの。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かに川を渡って逃げた跡へ村方の百姓衆が集って来ましたが、何分にも刃物はし、斬人は水司又市で、お山は余程の深傷でございますから、もう虫の息になって居る処へ伯父が参り
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
みけるに、翁はこれを何とか読み変へて見たり。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
... よぶ夜の鶴、我はよぶ野辺の雉子」又下の巻に入りて「さこいと云ふ字を ...
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
慈悲善根の心がけがく、町内で評判の良いことは、平次もく知っております。
これ等のお守は竹でつくり、色あざやかな、金銀の紙で被った小さな米俵、った藁その他の、豊饒と幸運との表徴である。
それと同時に、裏門からも、表門からも、塀のみねへ、樹の梢へ、のようにじ登る人影が鮮かに見えた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
到底るまじと思いしに、案外にもわいくて瞬間にべ尽しつ、われながら胆太きにれたり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
愉園つて蒸す様なしい𤍠帯花卉の鉢植の間のり、二本のライチの蔭の籐椅子を占領して居る支那婦人の一団を眺めながら、珈琲を取つて案内者某君の香港談を聞いた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
まだ「大坂」という地名はなく「難波」とよび、また、「小坂」といっていたその頃から、四天王寺は堂塔四十幾ツの輪奐せた大曼陀羅の丘だったが
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
已来秋稼に至り風雨ひて五穀豊かにれり。此れち誠をし願をくこと、霊貺答ふるが如し。れ、載ち惶れて以てみするとき無し。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
働いておらぬ貧民は、貧民たる本性を遺失して生きたものとは認められぬ。余が通り抜ける極楽水の貧民は打てども景色なきまでに静かである。——実際死んでいるのだろう。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
我を呼びて主よ主よと言う者く天国に入るに非ず、之に入る者は唯我天にす父の旨にう者のみ、其日我に語りて主よ主よ我等主の名にりて教え主の名に託りて鬼を逐い
失敬な!』と、一言ぶなりドクトルは退け。『全体貴方々はこんな失敬なことをっていて、自分ではかんのですか。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
孔子、弥子瑕にりて夫人を見たり。(『呂氏春秋』、慎大覧貴因)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
ながながしに唯ひと日
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
かれ大國主の神、出雲の御大御前にいます時に、波の穗より、天の羅摩の船に乘りて、の皮を内剥ぎに剥ぎて衣服にして、り來る神あり。
ここに太后、神せして、言教へし詔りたまひつらくは、「西の方に國あり。をはじめて、目耀種種珍寶その國になるを、今その國をせたまはむ」
おばこ来るかやと田圃んづれまで出て見たば、コバエテ/\、おばこ来もせでのない煙草売りなの(なのはなどの意)ふれて来る。コバエテ/\
春雪の出羽路の三日 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
おばこ居たかやと裏の小ん窓からいて見たば(見たばは見たればの意)、コバエテ/\、おばこ居もせでのない婆様なの(など)糸車、コバエテ/\。
春雪の出羽路の三日 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
清「いや然うはきませぬ、うでもうでも落合までだ日も高いからこ積りで」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
清「いやうでない、今日はみて落合までで」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
要するに彼は、し此時だけにもしろ、味が薄いが、にして要を得た市民的生活が氣に適ツたのであつた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
しや事業熱はめても、失敗を取返へさう、損害をはうといふ妄念で、頭はる、血眼になる。それでも逆上氣味になツて、危い橋でも何んでもと渡ツて見る………矢張失敗だ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ろづの事皆な空にして、法のみ独りなり、法のみ独り実にして、法にふところの万物皆な実なるを得べし。自然は常変にして不変、常動にして不動、常為にして無為、法の眼に於て然り。
万物の声と詩人 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
ここに山部小楯針間の國のさされし時に、その國の人民名は志自牟が新室に到りてしき。ここにげて酒なるに、次第をもちてみな儛ひき。
分子間相互の引力に使って、凝集して楕円塊となり、さらに収縮してその密度を増すのである、彼らの楕円塊がその熱度を空間に放出して、外殻が出来たものこそ、我地球のごとき有様を呈する
太陽系統の滅亡 (新字新仮名) / 木村小舟(著)
「誰れが言ひますもんか、しんばいうたかて、これが猫や犬の飯詰めたんやなし、神佛のお下りなら願うても頂く人がおますがな。勿體ない/\。」
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
まだ月もそう西へはっていない。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蛙も、元氣能く聲を揃へていてゐる、面白いに取紛れて、自分は夢中で螢を追駈廻してゐた。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
むかしむかし棄老国とばれたる国ありて、其国に住めるものは、自己父母の老い衰へて物の役にも立たずなれば、老人は国の費えなりとて遠き山の奥野の末なんどに駆りつるを恒例とし
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
不二ののいや遠長き山路をも妹許訪へばはず
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
もすれば、最期かるゝ! それを看護人ぬる電光んでゐる。
高いものや 善良きものや 深いものや
愛の詩集:03 愛の詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
辛未、皇太子、使をして飢者を視しむ。使者り来て曰く、飢者既にりぬ。に皇太子を悲しみ、則ちりて以て当処めしむ。む。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
多少の金廻りは村人の心を動揺させないために有効であった。「うまくいった。うまくいった、北野家の伝統の岩をゆるがし得るものがこの地上にあろうはずがない」
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
一瞬間誰もの胸をスーッとぎってゆく暗い冷たいものがあった。そういっても重苦しいものでいっぱいに皆の胸がしめつけられてきた。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
或日、私はうに午食後、食堂に残って主人の相手になって無駄話に耽っていた。ふと、いなくなった「彼」の事を思い出して、主人にあのセルヴィヤ人は何うしたろうと、訊いて見た。
二人のセルヴィヤ人 (新字新仮名) / 辰野隆(著)
隅「いゝえ、そうで有りません、ひょっとして貴方が私の様な者でもんで下さいますと、いはからといって、あゝいう人に胡麻を摺られるとりませんからねえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「随分よくおられますね。ほほほほほ。」
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
諸将の行方を追及することも急だったが、彼らは山林ふかく身をせて、呂布の捜索から遁れていたので、遂に、網の目にかからなかった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女「大層しますね、今度の狂言は中々大入で、私が参りましたら一杯で、尤も土曜日でございましたが、ぎっしりでございましたよ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お前さまは大岡様からの大事な預り人で、困って芸者に出る人じゃないから、嫌になったらいつでも廃業すこった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
清「いや然うはきませぬ、うでもうでも落合までだ日も高いからこ積りで」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
間貫一の十年来鴫沢の家に寄寓せるは、る所無くて養はるるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あたしだつて人間だもの、まさかお前の心のめていないでもなかつたけれど、そこにア、それ……、かういつちや勿体ないけどまつたくさ。
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
記者も初め遠くから見た時は、大昔の美津良式を復活させたものかと思ったが、近付いてよくよく見ると、髪毛とは全く別の感じを持った黒い固まりなので腹の皮がれた。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
彼の議論がってつ所の基礎、すなわち、穀物の価格は常に地代を生ずるということを譲歩するならば、彼が主張するすべての結果が当然それに随伴すべきことは明かである。
こは逍遙子が言に、今の批評家狂言作者に向ひて「ドラマ」を求むるは底事ぞとありしにりたるなるべし。されど逍遙子が所謂「ドラマ」には、單に戲曲といはむよりは廣き義あり。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
グーングーングーングーンと既に間近くって来た。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
人間様の恋路の笑止しいのは鍋小路どので初めて承知して毎日顔を見る度に俺は腹筋れた
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
「おンなツたが可い!」
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「えらいよおましたなあ。ほんまにこない巧い工合に行たことあれしません。さあ、さあ、今の間アにしやはらんと、ぐずぐずしてはったら電話かかって来まっせ」
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
こんなことを次から次へと考へてゐるうちに、また新しいみ手が詩稿を拡げた。わたしは自分に対しても、またこの会全体に対しても、ひどくうとましい気持になつて来た。
キリスト者の告白 (新字旧仮名) / 北条民雄(著)
旦那様、誠にまア結構でございます、有難じます、疼痛がバツタリりましてございます。主「それはるよ、だもの……はおかえ。 ...
幸に江湖の識者来つて、吾人に教へよ、吾人をして通津を言ふの人たらしむるれ。吾人は漁郎を求めつゝあり、吾人をして空言とならしむる勿れ。天下誰れか隣人を愛するを願はざる者あらむ。
「平和」発行之辞 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
このり分けを母はどうしたのでしょうか。私にはそれが自然のように見えていながら、しまに言わせると
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
御傍へれば心持の好い香水が顔へ匂いかかる位、見るものも聞くものも私には新しく思われたのです。御奉公の御約束もりました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
田辺の漁夫は大きさにってを「つはだ、いなだ、はまち、めじろ、ぶり」と即座に言い別くる。しかるに綿羊と山羊の見分けが出来ぬ。
兄上がひ来玉ひし品は「にっける」をせたれば、陸にてはく輝けど、水の中にては黒みて見ゆる気味ありて魚の眼を惹くこと少しとなり、我が購ひ来しは銀色なせる梨子肌のものなれば
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「今晩もかい。よく来るじゃアないか」と、小万は小声で言ッて眉をせた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「いえ、それでしたら御心配いりませんわ。私、もう五、六年も毎年葵原と一緒にヨットの練習をやっているんですもの——一度だって、ったこと御座いませんの——」
葵原夫人の鯛釣 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
聞えよがしに苦笑しいしい、税関吏に穿じり返された荷物の始末をしている。嬢はじっとそれをめていた。やっと後片付けも終ると
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
わが物と何を定めん難波潟蘆のひとのかりそめの世に
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
筆択むべし、道具詮議すべし、魚を釣らんとせば先づ釣の具をくすべし。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
そうしてそれがだんだんに大きい輪を作って、さながら踊りだしたようにれたりれたりして狂った。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
盲目にその運命に従うとうよりは、かにその運命を批判した。熱い主観の情と冷めたい客観の批判とがり合せた糸のように固く結び着けられて、一種異様の心の状態を呈した。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
これが岡崎の殷富を致した基だと云ふ。忠茂の血と倶に忠茂の経済思想を承けた忠行が、曾て引水の策を献じ、商賈となつたのは、つて来る所があると謂つて好からう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
薄掻卷けたのが、すんなりとした寢姿の、肉附くしてせるくらゐ。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「何うしてしてツたのだらう。」
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
或被酒僵臥 或は酒にいて僵臥
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
多福さんとタチヤナ姫と、ただの女と——そう! どう思い返してもこう呼ぶのがいい——が流行の波斯縁の揃いの服で、日けの深いキャフェの奥に席を取った。遊び女だ。
巴里のキャフェ (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
帝は高祖武帝の第七子にして、は武帝の長子にして文選撰者たる昭明太子の第二子なり。一門の語、誉を征するの時に当りて発するか。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
近年新聞紙の報道するところについて見るに、東亜の風雲はますます急となり、日支同文の邦家も善鄰のしみをめているがなくなったようである。
十九の秋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
めたり/\、花よりも團子、風景よりも料理、前年、時も同じ今頃、この三人に榎木小僧加はりて、柴又の川甚の川魚料理に舌鼓打ちたり。その味、今もなほ忘れざるものと見えたり。
川魚料理 (旧字旧仮名) / 大町桂月(著)
それはらくふ者の誇と名にかけて、または男の地にかけてであつたらう。が、現在では對局の陰に實際的な生問題までまれて來たらしい。
今まで何百ツて云ふい月給を頂いて居らつしやいましたのが、急に一文なしにおなりなすつたのですから、ほんとに御気の毒の様で御座いましたがネ、奥様が、貴郎厳乎して
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
またバートンは北米のインジアンが沙漠中に天幕と馬にりて生活するよりアラビア人と同似の世態を発生した由を述べた。したがって西大陸に新規現出した馬に関する習俗が少なからぬ。
その時、ればせにせつけた見慣れない大男——刀を横たえ、息せききって来合わせたのをお角が見ると、ははあ、相撲取だと思いました。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
彼は肱で縦横無尽に突きまくった。すると、突かれた女はろけながら、また他の男の首に抱きついて運ばれていった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
それまで水手拭を当てていた頭の髪を結び、病褥にいたわっていた痩せた足に草鞋をつけ、誰が止めようと意見しようと耳をさず、とうとう烏丸家の門からい出たものではあるまいか。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は失笑しそうになったのをうやっと知らん顔をする。
通り雨 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
戦争中の縁談もおかしいが、とにかく早く奥様をびなさるのだね。どうです、旦那は御隠居と仲直りはしても、やっぱり浪子さんは忘れなさるまいか。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
あのめくらが、いつかの日真犯人を云いるのじゃないかな、という恐ろしい考えがチラッと僕の心をぎった。
悪霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
菊「其の折のお肴はお前に上げるから、部屋へて往って、お酒もい程出してくりおたべ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
又お前の信仰の虚偽をかれようとすると「主よ主よというものく天国に入るにあらず、吾が天にす神の旨にるもののみなり」
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「おれがっていたものだから。」
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しかるに国にっては、ちょうどわが上方で奈良の水取といって春の初めにかえって冷ゆるごとく、暖気一たび到ってまた急に寒くなる事あり。仏国の東南部でこれを老女次団太と呼ぶ。
また或時、天皇遊行しつつ美和河に到りませる時に河の辺に衣洗ふ童女あり、其容姿甚だかりき。天皇その童女に、汝は誰が子ぞと問はしければ、おのが名は引田部の赤猪子とまをすと答白しき。
枕物狂 (新字旧仮名) / 川田順(著)