“自己”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
おのれ54.4%
じこ20.6%
おの16.2%
みずから2.9%
おれ1.5%
じぶん1.5%
われ1.5%
セルフ1.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“自己”を含む作品のジャンル比率
文学 > イタリア文学 > 詩21.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
罪の深いところから出発した自分は、すくなくも自己おのれに省みてやましくないところまで彼女を導いたつもりだと書いた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
たとい自己おのれの寿命を一年縮めてもそれを父の健康に代えたい、一年で足りなくば二年三年たりともいとわないというふうに。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
色々いろ/\なことをかんがへてひさしぶりで自己じこ存在そんざい自覺じかくしたやうながする。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
他人たにん悲哀ひあいはどれほど痛切つうせつでもそれは自己じこ當面たうめん問題もんだいではない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
船長せんちやう周章あはてゝ起上おきあがつたが、怒氣どき滿面まんめん、けれど自己おの醜態しゆうたいおここと出來でき
拙き人の自己おのが道具の精粗利鈍を疑ふやうなるをりを指して云へる語なることを。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
この時十蔵室の入り口に立ちて、君らは早く逃げたまわずやというその声、その挙動ふるまい、その顔色、自己みずからは少しも恐れぬようなり。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
われ汝らを高うせんために自己みずからひくうし、価なくして神の福音を伝えたるは罪なりや。
パウロの混乱 (新字新仮名) / 太宰治(著)
自己おれが大能力があッたら乱雑の世界を整頓してやろうなんかんというのが当世の薄ら生意気の紳士の欲望だが、そんなつまらない事が出来るものカネ。
ねじくり博士 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「イイエ。——それはおもしろかったでしょう。ほほほほ、みんな自己じぶんから割り出すのね。どうせ局々ところところで違うのだから、一概には言えないのでしょうよ。ねエ、お千鶴さん。伯母様もいつかそうおっしゃったでしょう。若い者ばかりじゃわがままになるッて、本当にそうですよ、年寄りを疎略に思っちゃ済まないのね」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
もの思はしい中に限りもない色と香の諸相をひき包んで六月の光線に美しい媚のあや糸をもつらす苦い珈琲の風味は決して自己われを忘れたロマンチツクな空の幻でも単純な甘いセンチメントの歎きでもない。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
自己セルフ」といふ柱にりかゝりて、われ安し、われ楽しと喜悦するものゝ心は、常に枯木なり、花はこゝに咲かず、実は茲に熟せず。