“同情”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どうじょう72.8%
どうじやう8.7%
おもいやり7.8%
おもひやり5.8%
どうじよう1.9%
どうじゃう1.0%
なさけ1.0%
コムパツシヨン1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たけが、同情どうじょうをしたように、このアルミニウムの湯沸ゆわかしは、まちからわれて、このうちにきてから、すでにひさしいあいだはたらいてきました。
人間と湯沸かし (新字新仮名) / 小川未明(著)
さいはひ非常ひじやうなる同情どうじやう好意かういもつて一億圓おくゑんのクレデイツトの設定せつていをすることが出來できたことは、日本にほん財界ざいかいつて此上このうへもなき次第しだいである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
お雪もその同情おもいやりに誘われて、子供に添乳そえぢをしながら泣いた。この二人の暗いところで流す涙を、三吉は黙って、遅くまで聞いた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
同情おもひやりは妙なもので、反つて底意を汲ませないやうなことがある。それに蓮太郎の筆は、面白く読ませるといふよりも、考へさせる方だ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
姿すがたはおさなびたれどもはゝのちがふ何處どこやらをとなしくゆるものとどくおもひしは、れも他人たにんにてそだちし同情どうじようてばなり、何事なにごと母親はゝおやをかね
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
足下きみ同情どうじゃう多過おほすぎるわし悲痛かなしみに、たゞ悲痛かなしみへるばかり。こひ溜息ためいき蒸氣ゆげけむりげきしてはうち火花ひばならし、きうしてはなみだあめもっ大海おほうみ水量みかさをもす。
「姉と妹二人きりになったのです。故郷の人達の同情なさけに依って、何とか生活して行く道はあるでしょうが、身体だけはうか大切だいじにして下さい。この上、あなたかお妹さんでも病気になると、それこそ取返しが付きませんからね…………」
友人一家の死 (新字新仮名) / 松崎天民(著)
ドストイフスキイなどの小説の持つてゐる同情コムパツシヨンなどゝいふことも、矢張この対社会が多いと思ふ。多くの社会劇は無論さういふ心境から来てゐるのである。
社会劇と印象派 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)