“他人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひと82.6%
たにん13.0%
ヒト1.0%
よそ1.0%
たじん0.4%
たのひと0.4%
ことひと0.2%
あだしひと0.2%
あだしびと0.2%
しと0.2%
たひと0.2%
ひとさま0.2%
ほか0.2%
フト0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
他人ひとのを見てもわかりそうなものだが、自分のは見えないから立派にしているつもりらしい。冬なぞはさぞ寒いだろうと同情に堪えぬ。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
おまえは、なかにいるときに、あまりものぐさで、他人たにんたいして、特別とくべつによいこともしなかったかわりに、わるいこともしなかった。
ものぐさじじいの来世 (新字新仮名) / 小川未明(著)
……けど、他人ヒトに言はせると、——あれはもう、二十幾年にもなるかいや——筑紫で伐たれなされた前太宰少貳ゼンダザイノセウニ—藤原廣嗣—の殿トノ生寫シヤウウツしぢや、とも言ふがいよ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
婦女おんなの身としては他人よその見る眼も羞ずかしけれど、何にもかも貧がさする不如意に是非のなく、いま縫う猪之いのが綿入れも洗いざらした松坂縞まつざかじま
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
これは、他人たじんならば米友自身の面目問題なのだが、この人では仕方がない——と米友は観念しているらしい。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
施主せしゆはいかやうにもしのぶべきが他人たのひと悃苦こまる事見るもきのどくなり、これ雪国に一ツの苦状くぢやうといふべし。
前生にありしときおのれをよくをさめ、慈悲の心もはらに、他人ことひとにもなさけふかくまじはりし人の、その善報によりて、今此のしやうに富貴の家にうまれきたり
他人あだしひとのいうことをまことしくおぼして、あながちに遠ざけ給わんには、恨みむくいん、紀路きじの山々さばかり高くとも、君が血をもて峰より谷にそそぎくださん」
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
我わが第二のよはひしきみにいたりて生を變ふるにおよび、彼たゞちに我をはなれ、身を他人あだしびとにゆだねぬ 一二四—一二六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
いつ耳に入れているか、他人しとのお稽古で覚えてしまって、世話のないお子ですと、お世辞を言ったのだった。
辰盛は通称を他人たひとといって、後小三郎こさぶろうと改め、また喜六きろくと改めた。道陸どうりく剃髪ていはつしてからの称である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
私の家は、私と、細君かないと、それから弟が一人あって、その弟は、今度の戦役に従軍して、金鵄きんし勲章ももらっておりますが、べつに他人ひとさまから、家庭のことを
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
事情をお聞きにならない事には、退院させる訳には行かぬと仰有おっしゃるのですね。イヤ。重々御尤ごもっともです。それでは事情を一通りお話し致しますが……しかし他人ほかへお洩らしになっては困りますよ。
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
フン! 他人フト辛口カラグヂきグシマネ自分のめしの上のハイホロガネガ。十年も後家立デデ、彼方アヂ阿母オガだの此方コヂ阿母オガだのガラ姦男マオドコしたの、オドゴトたド抗議ボコまれデ、年ガラ年中きもガヘデだエ何なるバ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)