他人たじん)” の例文
これは、他人たじんならば米友自身の面目問題なのだが、この人では仕方がない——と米友は観念しているらしい。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
爾さ、曲者が自分の名を書ぬ事は明かだ、かくのはすなわち自分へ疑いの掛らぬ為だから、爾だ他人たじんに疑いを掛けて自分がそれを逃れる為めだから、此名前で無い者が曲者だ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)