“夫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
それ27.1%
24.3%
おっと14.2%
つま8.6%
をつと7.0%
2.6%
1.6%
1.4%
おつと0.9%
うち0.9%
やど0.9%
0.8%
0.8%
ツマ0.8%
そり0.6%
せな0.5%
ひと0.5%
をっと0.5%
づま0.5%
ヅマ0.5%
0.3%
たく0.3%
ハスバンド0.3%
ソレ0.3%
かな0.3%
せこ0.3%
そん0.3%
0.3%
とゝま0.2%
ひこぢ0.2%
オド0.2%
0.2%
0.2%
おやじ0.2%
おやぢ0.2%
かの0.2%
0.2%
それに0.2%
0.2%
0.2%
わたし0.2%
をとこ0.2%
ハズバンド0.2%
ヒコヂ0.2%
マリ0.2%
ヲヒト0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勿論金峰山がどんな山であるか、それに就て少しも知る所の無い先生は、単に蔵王権現の祭ってある高い山だと教えたのみに過ぎない。
金峰山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
徳川家康の南洋政策は、豊臣秀吉の強硬な、むしろ恫喝的、侵略的のれとは事変り、きわめて穏健で、親和的で、実利的であった。
たね子はおっとの先輩に当るある実業家の令嬢の結婚披露式ひろうしきの通知を貰った時、ちょうど勤め先へ出かかった夫にこう熱心に話しかけた。
たね子の憂鬱 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ことしは芳之助よしのすけもはや廿歳はたちいま一兩年いちりやうねんたるうへおほやけつまとよびつまばるゝぞとおもへばうれしさにむねをどりて友達ともだちなぶりごともはづかしく
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
Y子なんぞは死んでをつとに解剖されるんだから餘榮ありですよ。……兄さんはすぐお歸りですか。お歸りならどうか葬式の用意を……
実験室 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
茲よりては踈大なる錯謬に陷りて、の日月の蝕、旱魃、洪水の災も、人君の政治に關係せりと云ふ妄想を生ずるに至る可し。
尚白箚記 (旧字旧仮名) / 西周(著)
あれに近寄り給ふなと二二三隠れまどふを、人々、そはいづくにと立ち騒ぐ。真女子入り来りて、人々あやしみ給ひそ。わがの君な恐れ給ひそ。
万葉集巻十四の二首の東歌「にほとりの葛飾早稲をにへすとも、そのカナしきを、に立てめやも」「そや。此屋の戸オソぶる。にふなみに、我がをやりてイハふ此戸を」
まれびとの歴史 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「僕は今日けふの事がある以上は、世間的のおつと立場たちばからして、もう君と交際する訳には行かない。今日けふ限り絶交するから左様さう思つて呉れ玉へ」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
うちと晝間まで田をこねまはして、そから田の畔へあがつてサ、御飯も食べるし、酒も藥鑵に仕込んだのを二人で仲よく飮むんだよ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
嬶の奴頻りに其を弁解してから、何れ又やどがお目にかゝつて詳しく申上げるでせうけれどもと云つて、一円五十銭の紙包を出したのだ。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
此男を放免共俄に捕ふれば、男こは何故に捕ふるぞと云へば、早うに取るなりけり。引張つて上様かみざま将行ゐゆきて、八省に将入ゐいりぬ。
放免考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
せんかならず一人を斬り、一気かならず一を割る、手練しゅれんの腕は、超人的ちょうじんてきなものだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「一夜夫」と解するのは考・古義の説で、「妻はかり字、ツマ也。初て一夜逢し也」(考)とあるが、これは遠く和歌童蒙抄わかどうもうしょうの説までさかのぼり得る。あとは多く「一夜妻」説である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
併し寄て襲ッて殺すには何うしても往来では出来ぬ事だ(大)そりう云う訳で(谷)何う云う訳ッて君、聞たまえよ(大)又聞たまえか(谷)イヤまあ聞たまえ
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
どほくの野にも逢はなむ心なく里の真中みなかに逢へるせなかも (同・三四六三)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
私は、もらうものさえ貰えばいんですからね。どうせ、このひととは気が合わないんだから、このひとはこのひとで、勝手なことを
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
……そこにおにゃったるロミオこそはヂュリエットがたゞしいをっと、またそこにおにゃったるヂュリエットこそはそのロミオが貞節ていせつなる宿やどつま二人ふたりめあはしたは手前てまへ
其は其として、昔から家の娘を守つた村々は、段々えたいの知れぬ村の風に感染かまけて、忍びづまの手に任せ傍題はうだいにしようとしてゐる。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其は其として、昔から家の娘を守つた邑々も、段々えたいの知れぬ村の風に感染カマけて、忍びヅマの手に任せ傍題ハウダイにしようとしてゐる。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
尤もお伽噺の世界から目覚めたのは僕ばかりでなく、同級生も皆世智辛せちがらさを覚え始めた。寄ると触ると将来の活動方面を語り合う。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
あの人間を知っているたくは、出さねばどんな事をされるか解らない、と云って金の調達は早々はやばやに出来ず、つい思案に余ってあの通り自殺致しました。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
美禰子に愛せられるという事実そのものが、彼女かのおんなハスバンドたる唯一ゆいいつの資格のような気がしていた。言われてみると、なるほど疑問である。三四郎は首を傾けた。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ソレ女人ニヨニンハ、五障ゴシヤウ三從サムシヨウトテ、オトコニマサリテカカルフカキツミノアルナリ、コノユヘニ一切イチサイ女人ニヨニンヲバ、——馬鹿らしい。
陰火 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
「よし、行こう。漢陽に行こう。連れて行ってくれ。逝者ゆくものかくの如きかな、昼夜をてず。」てれ隠しに、はなはだ唐突な詩句をしょうして、あははは、と自らをあざけった。
竹青 (新字新仮名) / 太宰治(著)
わがせこむと われぞ たをりし
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
大鞆は心の底にて「ナニ生意気な、人を試すなどと其手に乗る者か」と嘲りおわッて「そんなら本統ほんとうの所ろアレは何の傷だ(谷)夫は未だ僕にも少し見込が附かぬがまあ静かに聞く可し、 ...
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
レ、仏日没ストイエドモ、余輝ヨキ未ダ隠レズ、法水ホウスイ乾クト雖モ、遺潤イジュンナオ存セリ。吾等、コレニヨリテ毒酔ドクスイヲサマシ、之ニヨリテ覚芽カクガキザス。アニサイワイニアラズヤ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
又是は何者か顔を揚げいとたぶさを取って引起すとし……此処こゝうちとゝまの七兵衞さんの死骸が出たのじゃが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そのはらめる事を怪みて、その女に問ひて曰はく、「いましはおのづからはらめり。ひこぢ無きにいかにかもはらめる」
ンガオド何歳ナンボだバ。ワイのナ今歳コドシ二十六だネ。なにわらふんダバ。ンガ阿母オガあねダテ二十歳ハダヂしたヲドゴたけアせ。だけアそれほどチガはねエネ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
で、恋なればこそごとなき身を屈して平生ひごろの恩顧を思ふての美くしき姫を麿に周旋とりもちせいと荒尾先生に仰せられた。荒尾先生ほとほと閉口した。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
ごらんの通りな山家やまがのこと、何もおかまいはできませぬが、雪の夜の馳走には、しずから富者貴顕にいたるまで、火にまさる馳走はないかとぞんじまして、このように
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
万が一にも仕損じてはお上人様源太親方に十兵衛の顔が向けらりょうか、これ、生きても塔ができねばな、この十兵衛は死んだ同然、死んでもわざをし遂げれば汝がおやじは生きて居るわい
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
万が一にも仕損じてはお上人様源太親方に十兵衞の顔が向られうか、これ、生きても塔ができねばな、此十兵衞は死んだ同然、死んでも業を仕遂げればうぬおやぢは生て居るはい
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
子路、子羔しこうをしてさいたらしむ。子曰く、かの人の子をそこなわん。子路曰く、民人あり、社稷あり、何ぞ必ずしも書を読みて、然して後学びたりと為さん。子曰く、是の故にかの佞者くちさときものを悪む。(二五)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「戦争に全勝せよ、れど我等は益々くるしまん」との微風の如き私語さゝやきを聴く、去れば九州炭山坑夫が昨秋来増賃請求の同盟沙汰伝はりてより、同一の境遇に同一の利害を感ずる各種の労働者協同して
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
それに日本の畳たるや八八はっぱ六十四の目盛がある。六十四卦に象ったものだ。で、人間の吉凶禍福は、畳にありと云ってもよい。次に建築法から云う時は、忌む可きことが数々ある。
天主閣の音 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
追立おいたというのは、誰彼なしにみちをあるいている者をつかまえて、夫役ぶやくに使ったことをいうかと思われる。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
堀内家のあと目をつがせ、お麗にあわすに足る若者は、江戸の人間や都会の風に染まった在番にはないといって、剛健をもって誇る国許の熊本から選んだのである。
べんがら炬燵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたしと手を携へて怖る/\訪れた赤坂辺のダンスホールを訪れたところが、そこで、案外にも平気で踊ることが出来たので、自信を得てしまつて
川蒸気は昔のまゝ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
をとこを見て物をもいはで潸然さめざめとなく。
カレそのヒコヂ答え給いける歌曰云々
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
そして自分のマリが寝室にしている応接間へ飛びこんだ。夫はちょうど着物を脱いで、それを椅子の上に丁寧に畳みかけているところだった。
マリ・デル (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ヒ→ウ(「オトヒト」がオトウト、「ヲヒト」がヲウト、「喚ばひて」がヨバウテ、「酔ひて」がヱウテなど)ク→ウ(「格子カクシ」がカウシ、「口惜しく」がクチヲシウなど)
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)