“何”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
24.8%
なん23.5%
なに15.3%
11.5%
いず9.4%
いづ4.8%
どう2.3%
なんに1.4%
なあに0.7%
なあ0.7%
いづれ0.6%
いつ0.6%
どん0.5%
いずれ0.3%
あん0.3%
いか0.3%
どち0.3%
どれ0.3%
0.2%
ナン0.2%
0.1%
いずく0.1%
ナニ0.1%
あに0.1%
いづく0.1%
どの0.1%
0.1%
なッ0.1%
0.1%
0.1%
ない0.0%
なゝ0.0%
あぜ0.0%
あど0.0%
あによ0.0%
いく0.0%
いくばく0.0%
いずくん0.0%
いずこ0.0%
どっ0.0%
どつち0.0%
なあん0.0%
なにつ0.0%
なんぞ0.0%
なんと0.0%
なアに0.0%
なアん0.0%
なン0.0%
0.0%
にゃん0.0%
ぬー0.0%
んない0.0%
イズ0.0%
チトー0.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし何故なぜ面白いのか。何故かう心を惹くのか。さう思つて考へて見ても、うしてもその理由がわからないやうな場合がよくある。
黒猫 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
下にはその顔が鏡にうつしたように、くっきりと水にうつッていました。それはそれはなんとも言いようのない、うつくしい女でした。
湖水の女 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
しるべの燈火ともしびかげゆれて、廊下らうかやみおそろしきをれし我家わがやなにともおもはず、侍女こしもと下婢はしたゆめ最中たゞなかおくさま書生しよせい部屋へやへとおはしぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「これは誠に恐れ入ります。御代官様の御相談ならばどんなことでも御相手になりましょう。どうかんなりと仰せつけください。」
三人の百姓 (新字新仮名) / 秋田雨雀(著)
従って、屡々しばしば自分の頂戴ちょうだいする新理智派しんりちはと云い、新技巧派と云う名称の如きは、いずれも自分にとってはむしろ迷惑な貼札はりふだたるに過ぎない。
羅生門の後に (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
南は山影暗くさかしまに映り北と東の平野は月光蒼茫としていづれか陸、何れか水のけじめさへつかず、小舟は西の方を指して進むのである。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
駕籠舁どもは大いにわらひコレ旦那だんなどうした事をいひなさる此道中は初めてと見えるゆゑ夫リヤア大方おほかた此宿の者が御客をつるつもりの話しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
是迄これまでだつて、私は貴方のことに就いて、なんにも世間の人に話した覚は無し、是から将来さきだつても矢張やはり其通り、何も話す必要は有ません。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
大胆だと思いますか——なあに、そうではない。度胸も信仰も有るのではありません、がすべてこういう場合に処する奥の手が私にある。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「何処か安い間があったら移りたいと思うから探してくれませんか……なあに今日や明日でなくってもいそがなくてもよいのだから。」
老婆 (新字新仮名) / 小川未明(著)
与謝野氏と酔茗氏とはいづれも詩社を作つて居られた。その『明星』や『文庫』や『詩人』と云ふ様な雑誌からは沢山の詩人が出た。
明治詩壇の回顧 (新字旧仮名) / 三木露風(著)
うまけるのに手間てまれるとかとりきんで、上句あげくには、いつだまれとか、れこれうな、とかと真赤まっかになってさわぎかえす。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「それはもうお請合いたします。今度こそはどんな事をしても曲者を嗅ぎ出して、萬に一つも、父上樣に間違のあるやうな事はさせません」
しかしそれは働くための身なりである。いずれも必要から発した品々に過ぎない。誰がこれを定めたのか、いつの時代から始まったのか。
陸中雑記 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
遊二 二、三日前に来た使いの人の話では、あんでも、歌の文句通りだそうだ。(歌)……鉄砲を並べハイヨ、杉の木の間で、のう火の番、一と寝入り、シタコタ、ナイショ/\。
天狗外伝 斬られの仙太 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
将門つゝしまをす。貴誨きくわいかうむらずして、星霜多く改まる、渇望の至り、造次ざうじいかでかまをさん。伏して高察を賜はらば、恩幸なり恩幸なり。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
どちらでも宜い、何処へ行つても同じことだ、価値の等差がない、いづれを選んでもよい、だから選択に困る、本来ならば故郷へ帰るべきだ、だがもしも……それに京都にも未練がある
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
其庇廂の大和がき結ひに吹きさらされて疝癪も起すことある職人風情は、どれほどの悪い業を前の世に為し置きて、同じ時候に他とは違ひ悩めくるしませらるゝものぞや
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
代助は学校を卒業する前から、梅子の御蔭おかげで写真実物色々な細君の候補者に接した。けれども、ずれも不合格者ばかりであった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其がナンと、此世の惡心も何もかも、忘れ果てゝ清々スガヽヽしい心になりながら、唯そればかりの一念が、殘つて居ると、申します。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
「汝はどか思ふ」と促すところは、会話の語気そのままであるので感じに乗ってくるのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
少小より尊攘のこころざし早く決す、蒼皇そうこうたる輿馬よば、情いずくんぞ紛せんや。温清おんせいあまし得て兄弟にとどむ、ただちに東天に向って怪雲を掃わん
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
此度の事ハ紀州ハナニ故の勢にや、あまり無礼ブレイなる事ニて私の人数及便船かりなど鞆の港にほりあげ、主人の急用ありとて長崎の方へ出帆仕候。
あにい、そのまま上へ積まっしゃい、と早や二人して、嘉吉めが天窓あたまと足を、引立てるではござりませぬか。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
所が、あにいづくんぞ図らんや、この堂々として赤裸々たる処が却つて敵をして矢を放たしむる的となつた所以ゆゑんであつたのだ。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
他のどの商売よりはましだからね。無論よくないことさヴヰ※イ、それにました職業が女にないといふのは。私はあくまでそれは悪いことだと思ひます。
ウォーレン夫人とその娘 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
「何、清白だと? 乃公おれはお前が家の書物を盗んで吊し打ちになったのをこないだ見たばかりだ」
孔乙己 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「———その妹が、今頃内地でボヤボヤしてることあれへん、ボロい仕事がなッぼでもあるよって天津へ来なはれ、云うてくれてまんねん」
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
年占・祈年・左義長・鳥追ひ・道祖神祭・厄落しは、の日に行うてもよいわけである。
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
われ・これ・こゝで類推を拡充してゆけるひとぐに即、他国・他郷の対照としてその国・知らぬ国或は、異国・異郷とも言ふべき土地を、昔の人々も考へて居た。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「揉んほぐした凝いが、また元い戻ろうとすっとござすな。そいをも一度散らしてしも。ないならわたっが——」
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
「おん者らになゝ権利があるんなら、千恵造のことが気に喰わんなら、わしの弟のことが気に喰わんなら、さっさと出て行ってもらおう」
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
夕さればみ山を去らぬ布雲にぬぐもあぜか絶えむと言ひし児ろはも (同・三五一三)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
それにはアドカ・アガセムというなまりも手伝っているらしく思われるけれども、単にそれのみでなく、「あどか吾がせむ」という切実な句が此歌の価値を高めているからであろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
オイオイ禰宜様、あにようしてるだよ。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
また尻に九孔ありと珍しそうに書きあるが他の物の尻にはいくつ孔あるのか、随分種々いろいろと物を調べた予も尻の孔の数まで行き届かなんだ。
其揺籠の中にありし時の距離いくばくぞや。
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
「然る処、氏直天道の正理にそむき、帝都に対して奸謀を企つ。いずくんぞ天罰を蒙らざらんや。古諺に曰く、巧詐は拙誠に如かずと。所詮普天の下勅命に逆ふともがらは、早く誅伐ちゅうばつを加へざるべからず云々」
小田原陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
赤羽橋あかばねばしの絶句に「南郭なんかく翁ヲおもフアリ悵然ちょうぜんトシテえいヲ成ス。」と題して「流水山前寒碧長。遺居何在草荒涼。一橋風月無人詠。漁唱商歌占夜涼。」〔流水山前寒碧長シ/遺居いずこニ在リヤ草荒涼タリ/一橋ノ風月人ノ詠ム無ク/漁唱商歌夜涼ヲ占ム〕
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
南無不動様と三つを掛合にして三つの内どっちか一つはくだろうと思って無闇に神をいのって居ります。
『今?』と銀之助はお志保の顔をながめた。『それからどつちの方へ行きましたらう、御存じは有ますまいかしら。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
りや、さうだことふんぢやねえ、先刻さつきあゝだになにつもらつてるもんか、まつとしいなんちへばはら掻裂かつツえて小豆飯あづきめし掻出かんだしてやつから、りやくちばかしいごかしてつからろうそれ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
愛国あいこくの丹心たんしん万死ばんしかろし 剣華けんか弾雨だんうまたなんぞおどろかん
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
じいさま、彼所あそこゆる十五、六さいくらい少女しょうじょなんと品位ひん様子ようすをしてることでございましょう。衣裳いしょうしろ羽根はねしろ、そしてしろひもひたい鉢巻はちまきをしてります……。
棄狗すていぬッてなアに?」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
みいな自腹ア切ッて編んであげたのに、なアん沙汰さたなしであの不器量な意地いじわるの威張った浪子はんをお嫁にもらったり、ほんまにひどい人だわ、ひどいわひどいわひどいわひどいわ
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
ごとくきゃ、此畜生こんちくしょう! あらいやばん、此方こなたのそくしゃあか、冗談ぞうだんしんさんな」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
偶を求む牝猫は其式それしきの崖や渓をにゃんとも思わず一心に走り廻って、牡猫の情を受け返るを、知らぬは亭主ばかりなりで、猫を木の股から生まるるごとく想いいたのだ。
「旦那さい。ぬーん、悪事やなくとお、びらん。此処くまんかい、かくくゐていど、やびいたる。」
奥間巡査 (新字旧仮名) / 池宮城積宝(著)
それでもおいらはんないとも言ひやしなかつた……自分じぶんのことはたなげたなりわすれてしまつて。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
丞相ノ祠堂シドウ イズレノ処ニカタズネン
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)