いずく)” の例文
少小より尊攘のこころざし早く決す、蒼皇そうこうたる輿馬よば、情いずくんぞ紛せんや。温清おんせいあまし得て兄弟にとどむ、ただちに東天に向って怪雲を掃わん
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「風は金波を揺がして遠く声あり、船頭、いずくンぞ耐えん今夜のじょうか、オイ、戸外そとへ行くと、怖いことがあるぜえ、承知かア」
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「卿等、碌々人に拠って事をなすの徒。燕雀えんじゃくいずくんぞ、大鵬の志を知らんや、か——吾に、洛陽負廓田ふかくでんけい有らしめば、あによく六国の相印をびんや、か」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
いずくんぞ知らん、顔の創痍そういは他人の女に手を出して失敗しくじった記念で、勁抜けいばつの一文はソールズベリー卿の論文をそッくりそのまま借用したものに過ぎぬ。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「王侯将相、いずくんぞ種あらんや」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)