“何所”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どこ74.0%
いずこ5.2%
いづこ4.2%
いづく3.1%
いずく2.1%
どちら2.1%
どっ2.1%
いづれ1.0%
いづかた1.0%
どけ1.0%
どこか1.0%
どつ1.0%
どつか1.0%
なにどころ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あいちやんはふたゝ福鼠ふくねずみはらたせまいと、きはめてつゝましやかに、『わたしにはわかりませんわ。何所どこからみん糖蜜たうみつんでたのでせう?』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
われらは人間の有する性情を「何所いずこより」「何処いずこへ」「何のために」「かくあるべし」と詮索するよりも「何である」と内省することこそ緊要である。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
あはれ果敢はかなき塵塚ちりづかうちに運命を持てりとも、きたなきよごれはかふむらじと思へる身の、なほ何所いづこにか悪魔のひそみて、あやなき物をも思はするよ。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何所いづくより何の用事で見えられた、と衣服みなりの粗末なるにはや侮り軽しめた言葉遣ひ、十兵衞さらに気にもとめず、野生わたくしは大工の十兵衞と申すもの
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
今時かかる設備全き神社が、官国幣社を除きて何所いずくにかあるべき。真に迂儒うじゅが後世に井田せいでんを復せんとし、渡天の律僧がインドより支那に帰りて雪中裸かで水で肛門を浄むるに等しき愚説なり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
あゝ好いところで御眼にかゝりましたが何所どちらへか御出掛けでござりまするか、と忙し気に老婆ばゞが問ふに源太軽く会釈して、まあ能いは、遠慮せずと此方へ這入りやれ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
御寝所の縁の下などへへいる奴があるだ、過般こねえだも私がすうと出たら魂消たまげやアがって、つらか横っ腹か何所どっか打ったら、犬う見たようにようよう這上ったから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
はづさず話しなば必ず縁談えんだんとゝのはんと彼の富澤町なる甲州屋吉兵衞の次男千太郎の身持みもちとくさぐりしに何所いづれとうてもよき若者なりと賛成ほめざる者の無かりしかば其趣きを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
寶澤は盜賊たうぞく殺害せつがいされしていこしらへ事十分調とゝのひぬと身は伊勢參宮いせまゐり姿なりやつし一先九州へ下り何所いづかたにても足を止め幼顏をさながほうしなひて後に名乘なのり出んものと心は早くも定めたりまづ大坂へいで夫より便船びんせん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
清「其様そんなことをいうが、何所どけへ行くのだ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うだらう、野々宮さんは、あれで理由わけわかつた人だからな」と云つて何所どこかへ行つて仕舞つた。二時間後にじかんごの講義のときに又出逢つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「あなたは、何所どつか悪いんぢやありませんか。大分たいぎさうに見えますが……」
坊っちやん (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
イヤあのばうさんに困つてるのだよ、店請たなうけがあつたんだけれど其店請そのたなうけ何所どつか逃亡かけおちをしてしまつたので、今にもアノばうさんにねむられると係合かゝりあひだと思つて誠にあんじてるのサ。
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
奉行所へ呼出され昌次郎夫婦ふうふの者古郷を出でて何所なにどころしのび居んと内々探索たんさくのため昌次郎梅二人の年齡ねんれいより風俗を大岡殿ちく問糺とひたゞされしに就き一同は昌次郎梅が風俗ふうぞく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)