“訪”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
29.0%
たず28.5%
おとな13.8%
たづ8.1%
おとず5.0%
おとの3.7%
おと3.5%
おとづ2.9%
とぶら1.3%
とぶ0.7%
(他:19)3.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“訪”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語9.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)3.4%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行2.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
そして静かな冬の日のさしかけている下河原の街を歩いて、数年前一度知っている心あたりの旅館をうと、快く通してくれた。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
大活動だいかつどうひんせるヴエスヴイオをひナポリから郵船ゆうせん筥崎丸はこざきまる便乘びんじよう
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
すると、新年になって、年始旁々かたがた譲吉の家をたずねた友人の杉野は、仕立下ろしと見える新しい大島の揃を着て居た。
大島が出来る話 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
岸本の船に乗るのを見送ろうとして、番町は東京から、赤城あかぎさかいの滞在先から、いずれも宿屋へたずねて来た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
自分が一度犬をつれ、近処の林をおとない、切株に腰をかけてほんを読んでいると、突然林の奥で物の落ちたような音がした。
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
仙公は、出発に際し九十九谷の崖下に穴居するあなぐまおとなうて別盃を酌み、一青年学徒に扮して厩橋城下へやってきた。
純情狸 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
それがたまたたづねて来たいたづらな酒飲みの友達が、彼等の知らぬ間に亀の子を庭の草なかに放してなくなしてしまつた。
哀しき父 (新字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
小川家にも一週に一度は必ずたづねる習慣ならはしであつたのに、信吾が帰つてからは、何といふ事なしに訪ねようとしなかつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
開府以来かいふいらい江戸えどがもつほこりの一つであったが、わけてもかりおとずれをつまでの
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
なんとなれば、そこには花粉の橋渡はしわたし役をつとめるものがあって、えずこの花をおとずれるからである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
よく留守をおとのうてくれる。またいろいろな消息を知らせてもくれた。きょうもたもとから一通の書面を出して、
芳子が父母に許可ゆるしを得て、父にれられて、時雄の門をおとのうたのは翌年の二月で、丁度時雄の三番目の男の児の生れた七夜の日であった。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「その不幸なひとが兇行に遭っている最中に、誰か戸口へおとなっただろうという説もありますが、どうも左様そうらしいですわね」
向うの村のこずえに先ずおとずれて、丘の櫟林、谷の尾花が末、さては己が庭の松と、次第に吹いて来る秋風を指点してんするに好い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
此夜彼が「梅子、相変らずの勉強か」と、いともやはらかに我女わがこの書斎をおとづれしもれが為めなり、
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
わが今引ける汝のことば、新しき道を傳ふる者とその調しらべを同じうせしかば、彼等をおとづるることわが習ひとなり 七九—八一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
彼はいう、——自分は最初無常によって少しく求道の心を起こし、ついに山門を辞してあまねく諸方をとぶらい道を修した。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
わたくしは鰥夫おとこやもめになった抽斎のもとへ、五百のとぶらい来た時の緊張したシチュアションを想像する。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
二三日の間は大臣をも、たびの疲れやおはさんとて敢てとぶらはず、家にのみ籠り居しが、或る日の夕暮使して招かれぬ。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
二三日の間は大臣をも、たびの疲れやおはさんとてあへとぶらはず、家にのみ籠りをりしが、或る日の夕暮使して招かれぬ。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ところがその夫が、或る日突然、ちょうど私が行ってる時に電話も何もかけんといて笠屋町の宿屋いンねて来たやありませんか。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その報告の届いたのん今朝けさのことで、そいでも夫はまだ半信半疑でしたさかい、自分で様子見て来てやろ思てさっき不意に笠屋町ンねてやったいうのんです。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
数日前すじつぜんより鰐淵わにぶちが家は燈点あかしともる頃を期して、何処いづこより来るとも知らぬ一人の老女ろうによとはるるが例となりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
巌谷いはやからうはさの有つたその人で、はじめて社にとはれた時は紺羅紗こんらしや古羽織ふるばおり托鉢僧たくはつそうのやうな大笠おほがさかぶつて
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
七草考なゝくさかう都鳥考みやこどりかうのと人に作らせて、我名わがなにて出版せしゆゑ、知らぬものは真の文雅ぶんがとおもひ、とひよるさへも多ければ
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
はなしたふむつゆのあしたならぶるつばさ胡蝶こてふうらやましく用事ようじにかこつけて折々をり/\とひおとづれに餘所よそながらはなおもてわがものながらゆるされぬ一重垣ひとへがきにしみ/″\とはもの言交いひかはすひまもなく兎角とかくうらめしき月日つきひなり隙行ひまゆこまかたちもあらば手綱たづなむちげていそがさばやとまでおもわたりぬ、されどもてん美人びじんんで美人びじんめぐまずおほくは良配りやうはいざらしむとかいへり、彌生やよひはなかぜかならずさそひ十五夜じふごやつきくもかゝらぬはまことにまれなり
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
『発つ四五日前にも、』と信吾は言葉を次いだ。『突然つて来て大分夜更まで遊んで行つた。今度の問題に就いちや別段話もなかつたが、(俺もモウ二十七ですからねえ。)なんて言つてゐたつけ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
つ四五日前にも、』と信吾は言葉を次いだ。『突然つて來て大分夜更よふけまで遊んで行つた。今度の問題に就いちや別段話もなかつたが、(俺も二十七ですからねえ。)なんて言つてゐたつけ。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『きょうは、その儀であがったのじゃ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
月と日と星がその上に
傾ける殿堂 (新字旧仮名) / 上里春生(著)
「これはこれは片里どの、折よいおたずねをうけて、わしも大変うれしいのじゃ。この程久しくうちたえておったので、こなたからお訪ねしようとしていた折柄——まず、それへ」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
わすれもしません、ぼく病氣びやうき學校がくかうやすんでると、先生せんせいたづね
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
隣ずからの寒暄かんけんの挨拶が喰付きで、親々が心安く成るにつれ娘同志も親しくなり、毎日のようにといとわれつした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
さきの山東庵には交情まじはりあつくなりてしば/\とふらひしに、京山翁当時そのころはいまだ若年なりしが、ある時雪のはなしにつけて京山翁いへらく
鴻儒かうじゆきこえ高きらい先生(名襄、字子成、山陽と号、通称頼徳太郎)へもとむらひ、坐談ざだん化石の事におよび
また諸所しよしよ修道院しうだうゐんともらつて、もはや此世このよない会友くわいいうためいのり
太宰府だざいふもうでし人帰りきての話に、かの女乞食にたるが襤褸ぼろ着し、力士すもうとりに伴いて鳥居のわきに袖乞そでごいするを見しという。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
——ウマノ刻ニ、アルジノ親シキ者、イノコノ肉卜酒トヲタズサエテ、オトナイ来ラン、ソノ人、東ヨリ来テ、コノ家ニ、悲シミヲモタラス。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さすれば、あの日清戦争時期は、貸し本などを耽読せられた時代で、さう言へばその頃なら、まだ私装本を頭より高く、恰も見越し入道を背負うたやうな恰好で、雑書読みの居るウチを何日目かにひ寄つた時代であつたことだ。
鏡花との一夕 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)