“訪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たず28.9%
と28.5%
おとな13.3%
たづ8.0%
おとず4.9%
おとの3.6%
おと3.3%
おとづ3.0%
とぶら1.5%
とぶ0.8%
とむら0.5%
とは0.5%
や0.5%
た0.3%
とい0.3%
とひ0.3%
あが0.2%
き0.2%
たずね0.2%
たづね0.2%
とう0.2%
とふら0.2%
ともら0.2%
とわ0.2%
もう0.2%
オトナ0.2%
ト0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
母とか弟とかそうした人たちにさえすぐには知らすことをすまい、その場の都合で今日すぐに尼の家を訪(たず)ねることになるかもしれぬ。
源氏物語:55 手習 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ついて話(はな)しがある。(猿(さる)どのの夜寒(よさむ)訪(と)ひゆく兎(うさぎ)かな)で、水上(みなかみ)さんも、私(わたし)も、場所(ばしよ)はちがふが、兩方(りやうはう)とも交代夜番(かうたいよばん)のせこに出(で)てゐる。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
「わしは、配所の親鸞でござる……。お裏口にて、先ほどから、しきりと訪(おとな)いましたが、どなたも出てお越しがない。それによって」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もとの蔦屋(つたや)(旅館(りよくわん))のお米(よね)さんを訪(たづ)ねようと言(い)ふ……見(み)る/\積(つも)る雪(ゆき)の中(なか)に、淡雪(あはゆき)の消(き)えるやうな、あだなのぞみがあつたのです。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
年に一度の歓会しかない七夕(たなばた)の彦星(ひこぼし)に似たまれな訪(おとず)れよりも待ちえられないにしても、婿君と見ることは幸福に違いないと思われた。
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
仕事は盛(さかん)で、島を訪(おとの)うと筬(おさ)の音をほとんど戸毎(ごと)に聞くでありましょう。特色ある織物としてこの島にとっては大切な仕事であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
高枕したまま起きようともしない主水之介の居間にもその夕やみが忍びよったとき、突然、玄関先で憚(はば)るように訪(おと)のうた声がある。
しかし、ローウッドの不自由、といふよりも寧ろ苦難(くるしみ)は、だん/\少なくなつて來た。春が近づいたのだ。事實、春はもう訪(おとづ)れてゐた。
これよりはジエノワに往きて、約束せし妻とその父母とを訪(とぶら)はんとす。もはや眞面目なる一家のあるじとならんも遠からぬ程なるべし。
二、三日の間は大臣をも、たびの疲れやおわさんとてあえて訪(とぶ)らわず、家にのみ籠(こも)りおりしが、ある日の夕暮れ使いして招かれぬ。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
其の人を七〇奴(やつこ)のごとく見おとし、たまたま旧(ふる)き友の寒暑(かんしよ)を訪(とむら)ひ来れば、物からんためかと疑ひて、宿にあらぬよしを応(こた)へさせつる類(たぐひ)あまた見来りぬ。
数日前(すじつぜん)より鰐淵(わにぶち)が家は燈点(あかしとも)る頃を期して、何処(いづこ)より来るとも知らぬ一人の老女(ろうによ)に訪(とは)るるが例となりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
だが、最初に、密使としてここへ訪れた多田蔵人(ただのくろうど)は、洛中の騒擾にまぎれて、あれからも、しきりと一人でこっそりと訪(や)ってきた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところがその夫が、或る日突然、ちょうど私が行ってる時に電話も何もかけんといて笠屋町の宿屋い訪(た)ンねて来たやありませんか。
卍 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その頃新(あらた)に隣家へ引移ッて参ッた官員は家内四人活計(ぐらし)で、細君もあれば娘もある。隣ずからの寒暄(かんけん)の挨拶が喰付きで、親々が心安く成るにつれ娘同志も親しくなり、毎日のように訪(とい)つ訪(とわ)れつした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
知らぬものは真の文雅(ぶんが)の士(し)とおもひ、訪(とひ)よるさへも多ければ、忽(たちま)ち諸国(しよこく)にも園(その)の名を馨(かほ)らせ、枝葉(えだは)の栄(さか)え、それのみか、根堅(ねがた)き名園(めいゑん)を斯(か)く遺(のこ)して年々(ねん/\)の繁昌(はんじやう)、なみ/\の智恵(ちゑ)
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
『きょうは、その儀で訪(あが)ったのじゃ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
月と日と星がその上に訪(き)て
傾ける殿堂 (新字旧仮名) / 上里春生(著)
「これはこれは片里どの、折よいお訪(たずね)をうけて、わしも大変うれしいのじゃ。この程久しく打(うち)たえておったので、こなたからお訪ねしようとしていた折柄——まず、それへ」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
忘(わす)れもしません、僕(ぼく)が病氣(びやうき)で學校(がくかう)を休(やす)んで居(ゐ)ると、先生(せんせい)が訪(たづね)て來(き)て
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
外(はづ)さず話しなば必ず縁談(えんだん)整(とゝ)のはんと彼の富澤町なる甲州屋吉兵衞の次男千太郎の身持(みもち)を篤(とく)と探(さぐ)りしに何所(いづれ)で訪(とう)ても能(よき)若者なりと賛成(ほめ)ざる者の無かりしかば其趣きを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
前年(さきのとし)牧之(ぼくし)江戸に旅宿(りよしゆく)の頃、文墨(ぶんぼく)の諸名家(しよめいか)に謁(えつ)して書画(しよぐわ)を乞(こ)ひし時、前(さき)の山東庵には交情(まじはり)厚(あつ)くなりてしば/\訪(とふら)ひしに、京山翁当時(そのころ)はいまだ若年なりしが、ある時雪の話(はなし)につけて京山翁いへらく
又(また)諸所(しよしよ)の修道院(しうだうゐん)を訪(ともら)つて、もはや此世(このよ)に居(ゐ)ない会友(くわいいう)の為(ため)に祈(いのり)を上(あ)げ、其名(そのな)を巻物(まきもの)に書(か)きとめて、寺(てら)から寺(てら)へと其過去帳(そのくわこちやう)を持回(もちまは)つたなら、皆(みんな)も嘸(さぞ)悦(よろこ)ぶ事(こと)であらうが、第(だい)一
その頃新(あらた)に隣家へ引移ッて参ッた官員は家内四人活計(ぐらし)で、細君もあれば娘もある。隣ずからの寒暄(かんけん)の挨拶が喰付きで、親々が心安く成るにつれ娘同志も親しくなり、毎日のように訪(とい)つ訪(とわ)れつした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
太宰府(だざいふ)訪(もう)でし人帰りきての話に、かの女乞食に肖(に)たるが襤褸(ぼろ)着し、力士(すもうとり)に伴いて鳥居のわきに袖乞(そでご)いするを見しという。人々皆な思いあたる節なりといえり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
午(ウマ)ノ刻ニ、主(アルジ)ノ親シキ者、猪(イノコ)ノ肉卜酒トヲタズサエテ、訪(オトナ)イ来ラン、ソノ人、東ヨリ来テ、コノ家ニ、悲シミヲモタラス。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雑書読みの居る家(ウチ)を何日目かに訪(ト)ひ寄つた時代であつたことだ。
鏡花との一夕 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)