“おとな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オトナ
語句割合
大人39.2%
温和17.1%
10.4%
温順8.1%
温柔4.4%
成人4.1%
3.5%
柔順2.7%
柔和1.4%
0.9%
0.8%
0.8%
従順0.8%
音無0.8%
穏和0.6%
温厚0.5%
音訪0.5%
温良0.4%
0.4%
長老0.3%
乙名0.3%
老僕0.3%
優柔0.3%
家長老0.3%
男子0.1%
老臣0.1%
0.1%
善人0.1%
家人0.1%
宿老0.1%
從順0.1%
0.1%
穏順0.1%
紳士0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
然し自分の大人げないのを顧みて止した。そして、二人の前には三四十分の無駄な時間が残った。週に一時間ばかりとの約束だった。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
けれども一体どうしたのかあの温和しい穂吉の形が見えませんでした。風が少し出て来ましたので松のはみなしづかにゆすれました。
二十六夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
翌晩、坊舎の窓を叩き、う声がした。雨戸を開けると、昨夜の狸が手にの小枝をたずさえ、それを室内へ投げ入れて、逃げ去った。
閑山 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
そうすると、内輪に歩くということ、人形のように温順しくしているということなどが「女らしさ」の一つの条件であることは確かです。
「女らしさ」とは何か (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
……ええかね君……温柔しくいて来たまえ。悪くはらわんから。ええかね。君はあの女優が殺された空屋の近くに住んでいるだろう。
冗談に殺す (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さう云ふ時のさびしい、たよりのない心もちは、成人になるにつれて、忘れてしまふ。或は思ひ出さうとしても、容易に思ひ出しい。
世之助の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
呍咐つた通り云ふと、しく帰つたのよ。それからお主婦さんと私と二人で散々揄揶つてやつたら、マア野村さん酷い事云つたの。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
鳥渡人好きはよくないかも知らんが極く無口な柔順しい男で、長く居るだけ米国の事情に通じて居るから、事務上には必要の人才だ。』
一月一日 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「サア、新さんが柔和しいからね。」と嫂も曖昧なことを言った。そうして溜息をいた。その顔を見ると、何だか望みが少なそうに見える。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
蛇苺芍藥、もつとしい隱立よりも、おまへたちのがわたしはだ。んだ花よ、むかしの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
動物が巣にいる幼い子供を可愛がるように、家畜を可愛がっていたあのしい眼は、今は、白く、何かを睨みつけるように見開れて動かなかった。
パルチザン・ウォルコフ (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
ちやんをて、その齒並せたばかりでした。しさうだとちやんはひました、矢張れが大層澤山とをつてゐたので、鄭重にしなければならないともへました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「不足なう教育も受けてゐながら、人並にしてゐれば幸福に暮せるものをどうして従順しくしてゐる事が出来ないのだらう」
日記より (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
之倖いとはひょっとすると後妻のおそでの方で、康太郎は評判の音無しい男で財産も少しはあった。
放浪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「醜なかないじゃないの。あたしあんたが好きよ。穏和しいんだもん。義公みたいになまっい、それでいて威張っている奴なんか大嫌さ」
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「どうして達雄さんのような温厚しい人に、あんな思い切ったことが言えたものかしらん」こう森彦が言出した。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
音訪う者あり。聞覚えのある声はそれ、とお録内より戸を開けば、よりずっと入るは下男を連れたる紳士なりけり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だが彼は、温良しい上に、ただ一つの潔癖がある。それは、自分が愛し得ない女には、指一つ触れることさえ出来ない性情だった。愛の潔癖性、それが彼を青春時代の危機から、救ってくれた。
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
前髮可愛人形のやうにしくして廣庭では六十以上れも達者らしいさんが三人立一人赤兒脊負るのが何事さん
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
今から、横佩墻内けつけて、彩色を持ってれ、と命ぜられたのは、女の中に、唯一人残って居た長老である。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
譜第乙名島徳右衛門が供をする。添島、野村は当時百石のものである。裏門の指揮役は知行五百石の側者頭高見権右衛門重政で、これも鉄砲組三十挺の頭である。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
付村の探訪薩摩傳助赤貝六藏の二人をきし體にて此寺へ這入り水をんとしら樣子をひ居たるにお芳は味噌ぬとて臺所へ來り老僕に味噌を出させるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
サの字が無ければ、今夜も優柔しく、と言えば体裁がい、指をえて引込もうと、と思ってと視ると、波打つ胸の切符に寄せる、夕日に赤いを切って、千鳥が飛ぶように、サの字が見えた。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
理分に非分にも、これまで、南家の権勢でつき通してきた家長老等にも、寺方の扱いと言うものの、世間どおりにはいかぬ事がって居た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
菊枝 その揚句には親達も、男子女子も見さかい無う切り付くるのぢや……
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
あれ向ひから男子が大勢来るわい。そんならほんのがほどぢや。(去)
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
老臣は、しぶりながらも、家中へはいって行った。闇太郎は、あたりを眺めまわすように
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
じっと、見て老臣が——
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
威嚇的に物をいわれたこと不快でもあれば業腹でもあったが、例の理由のない圧迫に押されて、そういう本心を出すことができず、ついしく慇懃にそんなように口から出したのであった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
といいますと根が善人しい人ですから「それもそうです」というてんでしまったものの余程懸念して居られました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
彼女は、自分をこんなに困らせる家人を、自分も困らしてやろうとばかり考えた。暗いの遠い味噌蔵にっている、青大将もくなければ、いたずらに出てくるにもれた。
少焉ありて猶太宗徒の宿老の一行進み來て、頭をして議官の前に跪きぬ。その眞中なるを見れば、美しき娘持てりといふ彼ハノホにぞありける。式の辭をばハノホ陳べたり。
「結構でございましたよ。從順しくて調法で。」(ではこの人が自然からと同じく富にも惠まれてゐると思はれるあの後つぎの娘オリヴァ孃か!)
若い妓はしかった。むっともしそうな頬はなお細って見えて
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
道理で先刻から穏順しいと思つた。すこし母さんが見て居ないと、直に斯様な真似を為る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
私ノ中学ノ幾多ノ先輩ガ窮屈極マル——ソレハ日露戦争時代ノ軍事教育ヲ旨トシテヰル老曹長ナル学生監ノ圧迫ガ酷イノデアルタメ——学窓ヲ放タレルト同時ニ急ニ不思議ナ紳士ニナツテ数々ノすきやんだるヲ遺シテヰルノヲ見テモ実ニ寒心ニ堪ヘン次第デアリマス。
熱海線私語 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)