蘭郁二郎
1913.09.02 〜 1944.01.05
“蘭郁二郎”に特徴的な語句
漸
呟
中
然
何処
軈
尤
隙
覗
瞳
上
儘
頷
罩
縺
可怪
周章
乍
不図
間
莫迦
勿論
却
叩
眸
直
听
漾
掌
如何
先刻
這入
顫
頸
咽喉
背後
暴風雨
或
囁
後
駛
歪
葩
寧
到頭
嗤
一寸
其処
貌
追
著者としての作品一覧
足の裏(新字新仮名)
読書目安時間:約11分
さて、私がいまお話ししようというお話の主人公は、景岡秀三郎——という景岡浴場の主人なのですが、その人の色々変ったお話と、それに関連して探偵小説的な一つのトリックといったようなものを …
読書目安時間:約11分
さて、私がいまお話ししようというお話の主人公は、景岡秀三郎——という景岡浴場の主人なのですが、その人の色々変ったお話と、それに関連して探偵小説的な一つのトリックといったようなものを …
穴(新字新仮名)
読書目安時間:約8分
毎日毎日、気がくさくさするような霖雨が、灰色の空からまるで小糠のように降り罩めている梅雨時の夜明けでした。丁度宿直だった私は、寝呆け眼で朝の一番電車を見送って、やれやれと思いながら …
読書目安時間:約8分
毎日毎日、気がくさくさするような霖雨が、灰色の空からまるで小糠のように降り罩めている梅雨時の夜明けでした。丁度宿直だった私は、寝呆け眼で朝の一番電車を見送って、やれやれと思いながら …
蝱の囁き:――肺病の唄――(新字新仮名)
読書目安時間:約26分
六月の爽やかな暁風が、私の微動もしない頬を撫た。私はサッキから眼を覚ましているのである。 この湘南の「海浜サナトリウム」の全景は、しずしずと今、初夏の光芒の中に、露出されようとして …
読書目安時間:約26分
六月の爽やかな暁風が、私の微動もしない頬を撫た。私はサッキから眼を覚ましているのである。 この湘南の「海浜サナトリウム」の全景は、しずしずと今、初夏の光芒の中に、露出されようとして …
息を止める男(新字新仮名)
読書目安時間:約7分
無くて七癖というように誰れでも癖は持っているものだが、水島の癖は又一風変っていた。それは貴方にお話してもおそらくは信じてくれないだろうと思うがその癖は『息を止める』ということなので …
読書目安時間:約7分
無くて七癖というように誰れでも癖は持っているものだが、水島の癖は又一風変っていた。それは貴方にお話してもおそらくは信じてくれないだろうと思うがその癖は『息を止める』ということなので …
宇宙爆撃(新字新仮名)
読書目安時間:約38分
所長の発表が終ると、文字通り急霰のような拍手がまき起った。 その中でただ一人木曾礼二郎だけが、呆然とした顔つきで、拍手をするでもなく、頬をほころばすでもなく、気抜けのように突立って …
読書目安時間:約38分
所長の発表が終ると、文字通り急霰のような拍手がまき起った。 その中でただ一人木曾礼二郎だけが、呆然とした顔つきで、拍手をするでもなく、頬をほころばすでもなく、気抜けのように突立って …
火星の魔術師(新字新仮名)
読書目安時間:約21分
高原の秋 「いい空気だなア——」 英二はそういって、小鼻をびくびくさせ、両の手を野球の投手のように思い切り振廻した。 「うん。まったく澄み切ってるからね、——どうだい矢ッ張り来てよ …
読書目安時間:約21分
高原の秋 「いい空気だなア——」 英二はそういって、小鼻をびくびくさせ、両の手を野球の投手のように思い切り振廻した。 「うん。まったく澄み切ってるからね、——どうだい矢ッ張り来てよ …
休刊的終刊:シュピオ小史(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
「シュピオ」は本号で第四巻第三号を数えた。尤もこれは前身たる同人雑誌「探偵文学」の重ねた年齢を含んでいるのであって、そもそもの出発は昭和十年三月に出た「探偵文学」にある。この雑誌は …
読書目安時間:約3分
「シュピオ」は本号で第四巻第三号を数えた。尤もこれは前身たる同人雑誌「探偵文学」の重ねた年齢を含んでいるのであって、そもそもの出発は昭和十年三月に出た「探偵文学」にある。この雑誌は …
腐った蜉蝣(新字新仮名)
読書目安時間:約33分
黄昏——その、ほのぼのとした夕靄が、地肌からわき騰って来る時間になると、私は何かしら凝乎としてはいられなくなるのであった。 殊にその日が、カラリと晴れた明るい日であったならば猶更の …
読書目安時間:約33分
黄昏——その、ほのぼのとした夕靄が、地肌からわき騰って来る時間になると、私は何かしら凝乎としてはいられなくなるのであった。 殊にその日が、カラリと晴れた明るい日であったならば猶更の …
幻聴(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
ああ皆様、なんという私は、この呪われた運命の下に生れなければならなかったのでございましょう。——思っても嫌な嫌な、バタバタと足をふみならし、歯ぎしりをしてのたうちたいような、居ても …
読書目安時間:約3分
ああ皆様、なんという私は、この呪われた運命の下に生れなければならなかったのでございましょう。——思っても嫌な嫌な、バタバタと足をふみならし、歯ぎしりをしてのたうちたいような、居ても …
孤独(新字新仮名)
読書目安時間:約4分
洋次郎は、銀座の裏通りにある“ツリカゴ”という、小さい喫茶店が気に入って、何時からとはなく、そこの常連みたいになっていた。と、いってもわざわざ行く程でもないが出歩くのが好きな洋次郎 …
読書目安時間:約4分
洋次郎は、銀座の裏通りにある“ツリカゴ”という、小さい喫茶店が気に入って、何時からとはなく、そこの常連みたいになっていた。と、いってもわざわざ行く程でもないが出歩くのが好きな洋次郎 …
自殺(新字新仮名)
読書目安時間:約11分
それは何処であったか、ひどく荒涼とした景色であった。灰色に鬱々とした雲は、覆いかぶさるように空を罩め、細い白茶けた路はひょろひょろと足元を抜けて、彼方の骸骨のような冬の森に消えあた …
読書目安時間:約11分
それは何処であったか、ひどく荒涼とした景色であった。灰色に鬱々とした雲は、覆いかぶさるように空を罩め、細い白茶けた路はひょろひょろと足元を抜けて、彼方の骸骨のような冬の森に消えあた …
舌打する(新字新仮名)
読書目安時間:約2分
チェッ、と野村は舌打をすることがよくあった。彼は遠い昔の恥かしかった事や、口惜しかったことを、フト、なんの連絡もなしに偲い出しては、チェッと舌打するのである。 (あの時、俺はナゼ気 …
読書目安時間:約2分
チェッ、と野村は舌打をすることがよくあった。彼は遠い昔の恥かしかった事や、口惜しかったことを、フト、なんの連絡もなしに偲い出しては、チェッと舌打するのである。 (あの時、俺はナゼ気 …
植物人間(新字新仮名)
読書目安時間:約26分
鬱蒼と膨れあがって見える雑木の森が、左右から迫っている崖に地肌も見えぬばかり覆いかぶさっていた。なんとなく空気までもが、しっとりとした重みを持っているようにさえ思われる。いかにも南 …
読書目安時間:約26分
鬱蒼と膨れあがって見える雑木の森が、左右から迫っている崖に地肌も見えぬばかり覆いかぶさっていた。なんとなく空気までもが、しっとりとした重みを持っているようにさえ思われる。いかにも南 …
蝕眠譜(新字新仮名)
読書目安時間:約16分
(一体、どうしたのだろう……) 私は、すくなからず、不安になって来た。あの親友黒住箒吉がまるで、ここ二三ヶ月というもの消息不明になってしまったのだ。 私が、自分から「親友」などと呼 …
読書目安時間:約16分
(一体、どうしたのだろう……) 私は、すくなからず、不安になって来た。あの親友黒住箒吉がまるで、ここ二三ヶ月というもの消息不明になってしまったのだ。 私が、自分から「親友」などと呼 …
睡魔(新字新仮名)
読書目安時間:約21分
「おやっ?彼奴」 村田が、ひょっと挙げた眼に、奥のボックスで相当御機嫌らしい男の横顔が、どろんと澱んだタバコの煙りの向うに映った——、と同時に (彼奴はたしか……) と、思い出した …
読書目安時間:約21分
「おやっ?彼奴」 村田が、ひょっと挙げた眼に、奥のボックスで相当御機嫌らしい男の横顔が、どろんと澱んだタバコの煙りの向うに映った——、と同時に (彼奴はたしか……) と、思い出した …
地図にない島(新字新仮名)
読書目安時間:約26分
痛いばかりに澄み切った青空に、赤蜻蛉がすーい、すーいと飛んでいた。 「もう終りだね、夏も——」 中野五郎は、顔馴染になった監視員の、葦簾張りのなかに入りながら呟いた。 「まったく。 …
読書目安時間:約26分
痛いばかりに澄み切った青空に、赤蜻蛉がすーい、すーいと飛んでいた。 「もう終りだね、夏も——」 中野五郎は、顔馴染になった監視員の、葦簾張りのなかに入りながら呟いた。 「まったく。 …
鉄路(新字新仮名)
読書目安時間:約18分
下り一〇五列車は、黒く澱んだ夜の空気を引裂き、眠った風景を地軸から揺り動かして、驀進して行った。 『いやな晩じゃねェか……』 (変ったことでも起らなければいいが) というのを口の中 …
読書目安時間:約18分
下り一〇五列車は、黒く澱んだ夜の空気を引裂き、眠った風景を地軸から揺り動かして、驀進して行った。 『いやな晩じゃねェか……』 (変ったことでも起らなければいいが) というのを口の中 …
脳波操縦士(新字新仮名)
読書目安時間:約31分
森源の温室 奥伊豆——と呼ばれているこのあたりは、東京からいって、地理的にはほんの僅かな距離にあるのに、まるで別天地といってもよいほど、南国のような、澄み切った紺碧の空と、そして暖 …
読書目安時間:約31分
森源の温室 奥伊豆——と呼ばれているこのあたりは、東京からいって、地理的にはほんの僅かな距離にあるのに、まるで別天地といってもよいほど、南国のような、澄み切った紺碧の空と、そして暖 …
秘境の日輪旗(新字新仮名)
読書目安時間:約2時間51分
明け方から降りだした雪が、お正午近くになっても、まだ、止まなかった。 灰色の空から、綿をちぎったような雪が、ヒラヒラと舞い落ちては、音もなく積って行く——。今朝、家を出る時には、そ …
読書目安時間:約2時間51分
明け方から降りだした雪が、お正午近くになっても、まだ、止まなかった。 灰色の空から、綿をちぎったような雪が、ヒラヒラと舞い落ちては、音もなく積って行く——。今朝、家を出る時には、そ …
白金神経の少女(新字新仮名)
読書目安時間:約23分
バー・オパール 日が暮れて、まだ間もない時分だった。 街の上には、いつものように黄昏の遽だしさが流れて、昼の銀座から、第二の銀座に変貌しつつあった。が、この地下の一室に設けられたバ …
読書目安時間:約23分
バー・オパール 日が暮れて、まだ間もない時分だった。 街の上には、いつものように黄昏の遽だしさが流れて、昼の銀座から、第二の銀座に変貌しつつあった。が、この地下の一室に設けられたバ …
古傷(新字新仮名)
読書目安時間:約2分
——私は自分の弱い心を誤魔化す為に、先刻から飲めもしない酒を飲み続けていた。 第三高調波を描く放送音楽…… 蓄電器のように白々しく対立した感情…… 溷濁した恋情と、ねばねばする空気 …
読書目安時間:約2分
——私は自分の弱い心を誤魔化す為に、先刻から飲めもしない酒を飲み続けていた。 第三高調波を描く放送音楽…… 蓄電器のように白々しく対立した感情…… 溷濁した恋情と、ねばねばする空気 …
魔像(新字新仮名)
読書目安時間:約22分
寺田洵吉は今日も、朝から方々職を探してみたが、何処にもないとわかると、もう毎度のことだったが、やっぱり、又新たな失望を味って、当もなく歩いている中、知らず知らずに浅草公園に出ている …
読書目安時間:約22分
寺田洵吉は今日も、朝から方々職を探してみたが、何処にもないとわかると、もう毎度のことだったが、やっぱり、又新たな失望を味って、当もなく歩いている中、知らず知らずに浅草公園に出ている …
夢鬼(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間58分
辺鄙な、村はずれの丘には、いつの間にか、華やかな幕を沢山吊るした急拵えの小屋掛が出来て、極東曲馬団の名がかけられ、狂燥なジンタと、ヒョロヒョロと空気を伝わるフリュートの音に、村人は …
読書目安時間:約1時間58分
辺鄙な、村はずれの丘には、いつの間にか、華やかな幕を沢山吊るした急拵えの小屋掛が出来て、極東曲馬団の名がかけられ、狂燥なジンタと、ヒョロヒョロと空気を伝わるフリュートの音に、村人は …
歪んだ夢(新字新仮名)
読書目安時間:約13分
私は、学生時代からの不眠が祟って、つい苦しまぎれに飲みはじめた催眠薬が、いつか習慣的になってしまったものか、どうしてもそれなしには、一日も過すことが出来なくなってしまったのです。 …
読書目安時間:約13分
私は、学生時代からの不眠が祟って、つい苦しまぎれに飲みはじめた催眠薬が、いつか習慣的になってしまったものか、どうしてもそれなしには、一日も過すことが出来なくなってしまったのです。 …
鱗粉(新字新仮名)
読書目安時間:約54分
海浜都市、K——。 そこは、この邦に於ける最も華やかな、最も多彩な「夏」をもって知れている。 まこと、K——町に、あの爽やかな「夏」の象徴であるむくむくと盛り上った雲の峰が立つと、 …
読書目安時間:約54分
海浜都市、K——。 そこは、この邦に於ける最も華やかな、最も多彩な「夏」をもって知れている。 まこと、K——町に、あの爽やかな「夏」の象徴であるむくむくと盛り上った雲の峰が立つと、 …
“蘭郁二郎”について
は、日本の小説家、SF作家、推理作家。本名は。というペンネームもある。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)
“蘭郁二郎”と年代が近い著者
今月で没後X十年
今年で生誕X百年
箕作秋坪(生誕200年)