“寧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むし79.4%
むしろ6.6%
いっ5.1%
いつ3.4%
いつそ1.0%
いっそ0.7%
ねい0.7%
0.7%
やす0.6%
ヤス0.3%
いずく0.1%
なん0.1%
いッ0.1%
0.1%
いずくん0.1%
いづく0.1%
いツそ0.1%
やすらけ0.1%
ナン0.1%
ムシ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それよりむしろ、頭のどこかに俳画と云ふものと、値段の安いと云ふ事とを結びつけるものが、あらかじめ存在したと云つた方が適当である。
俳画展覧会を観て (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わたくしを以て虎威を借る狐にあらずば晏子あんしの車を駆る御者ぎょしゃとなすかも知れない。わたくしはむしろ欣然として此の嘲を受けるであろう。
木犀の花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
お葉は覚悟をめた。𤢖わろ見たような奴等の玩弄おもちゃになる位ならば、いっそ死んだ方がましである。彼女かれは足の向く方へと遮二無二しゃにむにと進んだ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いつそこりや貴方あなたに御願ひ申して、手短く書いて頂きたいと思ひまして——どうして女の手紙といふものは斯う用がもとらないのでせう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
突合つきあはせて種々いろ/\相談なせども何分思案に及ばぬゆゑいつそのこと天にも地にも掛代かけがへなき手の中の玉となしたる娘のお幸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「そうですねえ。いっそのこと病気にでもなって、死んででもくれればホットするのですが、あれ一人は一度も病気もしませんし……」
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
師の名は疎石そせき夢窓むそうと号して、ねいさん会下えかに参じ、仏国禅師ぶっこくぜんじの法脈をつぎ、今や、五山第一のとなえもあるとか。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、わたくしとしては天狗てんぐさんの力量りきりょうおどろくよりも、しろそのくまで天真爛漫てんしんらんまん無邪気むじゃきさに感服かんぷくしてしまいました。
嘉永癸丑米艦浦賀ニ入ル。海内騒擾そうじょう。聖天子旰食かんしょくやすカラズ。幕吏国家ノ大計ヲ以テ模棱もりょうコレニ処セント欲ス。天下ノ志士切歯憤惋ふんわんセザル者ナシ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
春洋は、今こそまことに、トホの 関塞ミカドの防人として、夜の守り・日の衛りにつかへて、ヤスい日とてはあるまい。
鵠が音:03 追ひ書き (新字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
徳川氏の天下を治めたる文教の力あずかりて大ならずとせず。いずくんぞ知らんや、この文教なるものは封建制度を寸断する危険なる分子をその中に含まんとは。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
しかるに奸臣かんしん斉泰せいたい黄子澄こうしちょう、禍心を包蔵し、しゅくはくけいべんの五弟、数年ならずして、並びに削奪さくだつせられぬ、はくもっともあわれむべし、闔室こうしつみずからく、聖仁かみに在り、なんなんこれに忍ばん。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「この場に成てそうとぼけなくッても宜いじゃ有りませんか。いッそ別れるものなら……綺麗きれいに……別れようじゃ……有りませんか……」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
……これはっその事、思い切って、アルマ、マチラの二人を呼び出して、同時にレミヤに引き合わせた方が早道になりはしまいか。
霊感! (新字新仮名) / 夢野久作(著)
余ヤ土陽僻陬どようへきすうノ郷ニ生レ幼時早ク我父母ヲうしなヒ後初メテ学ノ門ニ入リ好ンデ草木ノ事ヲおさまた歳華さいかノ改マルヲ知ラズ其間斯学ノタメニハ我父祖ノ業ヲ廃シ我世襲せしゅうノ産ヲ傾ケ今ハ既ニ貧富地ヲ疇昔ちゅうせき煖飽だんぽうハ亦いずレノ辺ニカ在ル蟋蟀こおろぎ鳴キテ妻子ハ其衣ノ薄キヲ訴ヘ米櫃べいき乏ヲ告ゲテ釜中ふちゅう時ニ魚ヲ生ズ心情紛々いずくんゾ俗塵ノ外ニ超然ちょうぜんタルヲ
偉大なる思想は一投手、一挙足の間に発生すべきにあらず、いづくんぞ知らん、一国民の耐久的修養の力なるものをつにあらざれば、蓊欝をううつたる大樹の如き思想は到底期すべからざるを。
国民と思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
「阿父さんが那如あゝしてゐたんぢや、幾ら稼いだツて到底とても遣切れやしないわ。いツそもう家を飛出して了はうかも思ふこともあるけれども……」
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
すべて欠けたるをまつたうせしめんの大御誓おほみちかひをもて国土百姓をやすらけく恵ませ給ふとなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
岑参の西安幕府に在るの詩に云ふ、ナンラン故園月、マタ鉄関西と。韋応物作郡の時亦た詩あり云ふ、ナンラン故園月、今夕在西楼と。
ムシロ京師ニ上リ訴フル所アラント、二月上旬、東山道ヲ発ス。将門、シノビヲシテ、我ガ上京ヲ知リ、軽兵百余騎、疾風ノ如ク追躡ツイデフシ来ル。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)