“い”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
9.4%
8.2%
5.7%
5.4%
4.8%
4.8%
4.8%
4.5%
3.4%
3.1%
(他:3309)45.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分は湯にりながら、嫂が今日に限ってなんでまた丸髷まるまげなんて仰山ぎょうさんな頭にうのだろうと思った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
普通と云うと結構なようだが、普通のきょく平凡の堂にのぼり、庸俗の室にったのはむしろ憫然びんぜんの至りだ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
同二十五日――「朝は霧深く、午後は晴る、夜に入りて雲の絶間の月さゆ。朝まだき霧の晴れぬ間に家をで野を歩み林を訪う」
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
欝結うっけつし、欝結して今は堪えがたくなったものが、一つのはけ口を見出してほとばしりずるそれは声なのである。
(新字新仮名) / 島木健作(著)
ヌット雲表うんぴょう突立つったつ高山の頂辺てっぺんの地震、左程の振動でもないが、余りい気持のものでもない。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
「大病はいが、ちょっとした風邪かぜなどはかえっていやなものですね」といった先生は、苦笑しながら私の顔を見た。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
みんなはしいんとなりました。これが今夜の眼目がんもくだったのです。山男はおさけをかぶりとんでいました。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
単に分析表を見て牛肉と落花生と営養価が同じだとって牛肉の代りにそっくりまめべるというわけにはいかない。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
されども今夜ふところにせる百金は、尋常一様の千万金にあたいするものにして、渠が半身の精血ともっつべきなり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其の姿を見ると、待構へてゐた學生等は、また更に響動どよめき立ツて、わい/\ひながら風早學士の後にいて行く。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
松脂まつやにの匂と日の光と、――それが何時でも夫の留守は、二階建の新しい借家の中に、き活きした沈黙を領してゐた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
彼はこの画に、東菊けて置きけり火の国に住みける君の帰り来るがねと云う一首の歌を添えて、熊本まで送って来たのである。
子規の画 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今の私は馬鹿で人にだまされるか、あるいは疑い深くて人をれる事ができないか、この両方だけしかないような気がする。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さきのごとく我に注げるベアトリーチェの目は、うれしくもわが願ひをるゝことをばさだかに我に知らしめき 一六―一八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
帯もくしこうがいのようなものまで悉皆みんならねえからわれ一風呂敷ひとふろしき引纒ひんまとめて
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あなたのほうこそ、いくらでもお金がるでございましょうに、もうこれからは、お金をこちらへ送って寄こしてはいけません。
冬の花火 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「ハハハハそうだろうと思った――しかしほんこと、泥棒は飛んだ災難でしたな。山の芋ばかり持ってたのですか」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
のくらゐなことが……なんの……小兒こどものうち歌留多かるたりにつたとおもへば――」
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「まだきる、生きなければいけない!」彼はそう心の中に呟くと、どうしていいか分らないような感情が一杯こみ上げて来た。
生あらば (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
てまえどもが仕事に腕を磨きあい、仕事にいを持ちえてきたのも、上に御所さまのような、ご庇護と理解のあるお方が
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
岸本はひとりでそれを言って見て、一方には彼女を可哀そうに思い、一方にはそれをむしろ彼女のためにいと考えた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「千年の桑かの。川の底もはかられぬ。あかりも暗いわ、かわうそも出ようず。ちとりさっしゃるがい。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その古い墓や新しい墓の間の細道は、岸本が一人ずつ女の児を失うたびかつてよくったり来たりしたところであった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
お民は仲の間と囲炉裏ばたの間をったり来たりして、茶道具なぞをそこへ持ち運んで来た。その時、寿平次は言葉をついで、
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それがために、いとゞつたなくちの、せんひとつも、なんにも、ものがはれなかつたのであります。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
まへさんはなにか(人相見にんさうみ)に、水難すゐなんさうがあるとでもはれたことがありますかい。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
先月来の悪性の感冒もようやえ、この二三日、続けて、碇泊中ていはくちゅうのキューラソー号へ遊びに行っている。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
なずいていたが、日もたず目を煩って久しくえないので、英書をけみし、数字を書くことが出来なくなったので
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
するとこの兄が自分の弟の引込思案でただ家にばかり引籠ひきこもっているのを非常にまわしいもののように考えるのです。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
どんな風にして知吉が鍵屋へ交渉をはじめたか知る由もないが、隠居の直造はそれ以来知吉を三百代言のやうにみ嫌つてゐた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
「此径を三丁ばかり行くと幅の広い新開の道路に出る、其右側の最初の小屋に居なさるだ。」と言い捨てゝ老人はつて了つた。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
にしとしあきのはじめ、汽船きせん加能丸かのうまる百餘ひやくよ乘客じようかく搭載たふさいして
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そして、みんながずまいを正し、恐縮きょうしゅくしているような顔を、にこにこしながら見まわしたあと、すぐ室を出た。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
音羽は女ながらもたんすわったもので、今腰が抜けて坐ってる藤六を振向きながら一刀ひとかたなあびせる。
美「あれさ起きなくってもいわ、寝ておいでよ……只今明けますから…………おや車で、若衆わかいしゅさん大きに御苦労」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
例に依つて例の如き某甲ではけないから、例の某甲よりは優れた某甲に自己を改造すべきよりほかに正當な道は無いのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
傳「えゝ主はない、たった姉弟きょうだい二人で弟は十六七でい男さ、此の弟は姉さん孝行姉は弟孝行で二人ぎりです」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
値の高い楽器からは、がするものだと思ひ込んでるらしい音楽好きは、その日になると吾れ勝ちに会場に押しかけて来た。
卓一の方へ背を向けて、火鉢の前へ静かにしやがむと、つめたさのためにてついてしまつたやうに、微動もしなくなつてゐた。
彼等少年軍の多くは足駄を穿いておりました。てついた大地をその足駄穿きで、カランコロンと蹴りながら歩いていました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そのときにわかにむこうから、黒いとがった弾丸だんがんのぼって、まっ先きの雁のむねました。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
源次はさっさと包の紐を解いた。中は文房具の組合わせだった。赤、黄、青、金、緑などの色がまばゆくみんなの顔をた。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
い分別といふのはほかでもない、もしか卜新老が約束にそむいたら、持前のお医者の腕をふるつてみせる事だ。
昨日亡くなつた文学博士星野恒氏は、国史の事にかけたら活字引いきじびきと言はれる程、物覚えのいので聞えた人であつた。
「ちょっと、通りがかりでは、こういうところが、こちらにあろうとは思われませんね。真個ほんとうい御堂ですね、」
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
年増のい姿がはっきり道夫の眼に見えた。それは勝浦の旅館で知りあったじょちゅうにそっくりの好ましい姿であった。
馬の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
道理こそ昨夕は楷子段はしごだんをむやみにのぼったり、くだったり、仕掛しかけうちと思ったはずだ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
縁はなもので、ゴルドン伝を書いた翌々年「寄生木やどりぎ」の主人公から突然「寄生木」著作の事を委托いたくされた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
その乾児こぶんがかの地に普通の飛竜でいつも天に飛び往き、大盲飛竜より人魂を受けて新産の児輩こどもれる。
渋江氏では、もしそのこいれなかったら、あるいは両家の間に事端じたんを生じはすまいかとおもんぱかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
親たちも家になくてならぬ娘であるから、自分が結婚を望む気振けぶりもないのをい事にして格別勧めようともしなかった。
私の貞操観 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
ウイルソン大統領といへば米国でも聞えた雄弁家であるが、先日こなひだの事、仲のいある友達が、大統領にむかつて、
と高く呼びぬ。毎夜狂言見にきたるかえりには、ここに来てかくは云うなりけり。案じてそれまではねたまわず。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人の北を枕としてぬるを嫌うは、死人を常に北に向けて枕せしむると、北方は陰にして死をつかさどるというとよりきたりしなり。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
いや、最初に彼と一しょにかしら公園へ出かけた三重子もまだどこかものやさしい寂しさを帯びていたものである。
早春 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
曰く総じて世の中にはかわず多し梁唐宋元明りょうとうそうげんみんの名あるを見ることなき故に絵に力なし。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
今朝けた佐倉炭さくらずみは白くなって、薩摩五徳さつまごとくけた鉄瓶てつびんがほとんどめている。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それよりさき立派な、黄手きでの鞍馬石をもらつてゐるのだが、それは、グツとけこんで、中庭の玄關にでもまはさうとある。
(旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
繰り返してう、諸君、我々は生きねばならぬ、生きるために常に謀叛しなければならぬ、自己に対して、また周囲に対して。
謀叛論(草稿) (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
愛の目を己が悦びにとめつゝ、かの默想者もくさうじや、進みて師のつとめをとり、聖なる言葉にてひけるは 一―三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
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