“浴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
44.4%
あび25.7%
ゆあ10.8%
ゆあみ5.4%
よく5.4%
1.2%
つか0.8%
0.8%
かぶ0.8%
0.8%
はい0.8%
あぶ0.4%
0.4%
かか0.4%
0.4%
ふろ0.4%
0.4%
バス0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いくたびか、ねむられぬままに、からだをうごかしていたちょうはついに、つきひかりびながら、どこへとなく、ってしまいました。
冬のちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
火を吐くような言葉を、男の顔にあびせると、お豊は百年の恋もめ果てたように、クルリと背を向けて、欄干の上に顔を伏せました。
礫心中 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
夜おそく、人々が寝静まつたのを見定めてから、馬小屋の隣りにある浴室で、闇の中でミツキイはゆあみをしなければならなかつた。
様々のあわれはあるが、春の温泉でゆの曇りばかりは、ゆあみするものの肌を、やわらかにつつんで、古き世の男かと、われを疑わしむる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
また滝へ直接じかにかかれぬものは、寺のそばの民家に頼んでその水を汲んで湯を立ててもらってよくする者もあるが、不思議に長病が治ったり
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
やがて彼が出づれば、待ちけるやうに男は入替りて、なほ飽くまで此方こなたを向かざらんと為つつ、蕭索しめやかつかふ音を立つるのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
林「それからつかった湯を飲もうと思ったが、飲切れなくなって、どうも勿体ねえと思ったが、半分程飲めねえ、三日目から腹アくだした」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それだけで、元成はこの男の職業が何であるかをすぐさとり、思わず水をけられたような硬直を姿にもって。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いゝえ、僕は晝寢なんかしない。高畑へ行つて號令演習をやつて來て、今水をかぶつたところです。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
糸瓜へちまは大きくなっている。その下で、たらいの湯にかっている駄菓子屋の女房が、家の中の物音に、戸板の蔭から白い肌を出していった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さっきのように苦しくなって来ると私はいつでも湯を熱めにしてはいってから、お酒を飲み過ぎるくらい飲んで寝るんですの。そうすると
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
さて夜に入れば千垢離せんこりをとり、百度目に一へんづゝかしらより水をあぶるゆゑ十遍水をあぶ
麁略そりやくにせず力の入事いることなどはさせざりけり然ともお花は身をにしてなり恩をはうぜんものと思へば如何なるいやしわざをも少しもいとはず客が來れば夜具の上下あげさげ風呂ふろれば脊中せなか
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しとしという尋常らしい跫音あしおとが、今はびちゃびちゃと聞えて来た。水ならかかとまでかかろう深さ、そうして小刻こきざみはやくなったが、水田みずた蹈込ふみこんで渡るのをあぜから聞く位の響き。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こんな海嘯つなみなどは、到底とうてい人間にんげんちからふせめることは出來できませんが、しかし、もし海岸かいがんうておびのように森林しんりんがあれば、非常ひじよう速力そくりよくでおしせてくる潮水しほみづいきほひ
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
幾年ふろに入らなんだなど特書したり、今日の耶蘇ヤソ徒が禁酒とか、公娼廃止とか喋舌しゃべると同程度の変痴気説じゃ。
例えば冷水浴の如き私も生徒に接するごとに能くそう言うのですが、君らは水をりたまえ、殊に五月六月頃は丁度好い時節である、一つ思い切ってやりたまえ。
教育家の教育 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
緋でも、紅でも、黄でも、紫でも、碧でも、凡そ色と云う色皆ほのおと燃え立つ夏の日の花園を、経木きょうぎ真田さなだの帽一つ、真裸でぶらつく彼は、色のうたげ、光のバスに恍惚とした酔人である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)