“直接”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じか58.7%
ぢか13.5%
ちよくせつ11.5%
ちょくせつ3.8%
じき1.9%
じきじき1.9%
うちつけ1.0%
いきなり1.0%
さしあ1.0%
じかづけ1.0%
じき/\1.0%
すぐ1.0%
すぐさま1.0%
ずか1.0%
ぢき1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、それには一応何時いつもの須山らしい調子があるようで、しかし如何いかにも取ってつけたただならぬさがあった。それが直接じかに分った。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
垢でベタ/\になつてゐるシヤツをコールテン地の服の下に着てゐた石田や齋藤は、直接ぢかに膚へ寒さを感じた。皮膚全體が痛んできた。
一九二八年三月十五日 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
コロボツクルはいづれの仕方にしたがつて火を得たるか。直接ちよくせつ手段しゆだんにては到底たうてい考ふ可からず。コロボツクルの遺物中ゐぶつちうには石製の錐有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
そこから着目ちゃくもくしてある程度ていど内偵ないていすすめて、その容疑者ようぎしゃを、べつべつに任意出頭にんいしゅっとうかたち警察けいさつし、井口警部いぐちけいぶ直接ちょくせつ訊問じんもんしてみた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
その乗艦の所在をただして至急の報を発せるに、いらちにいらちし武男が母は早直接じき談判と心を決して、その使節を命ぜられたる山木の車はすでに片岡家の門にかかりしなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「へえ」音松は一寸五分ほど前へ出ながら、「急のお召しで、何の御用かと宙を飛んで参りました。わっしみてえな者に、直接じきじきのお眼通りで、何とも——」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
……欝勃うつぼつたる覇気、一味の野性、休火山のような抑えられた情火、これが彼の本態であった。しかし彼は童貞であった。どうして直接うちつけに思うことを思う女へ打ち明けられよう。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何んだか信用出来ない話だけれど、乃公はお父さんをおどかす積りで心待ちに待っていた。けれどもお父さんは驚かないで、直接いきなりと怒ってしまった。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ふッふッふ……ところで、はなはだ遺憾にぞんずるが、杉の市は直接さしあたっての下手人げしにんじゃねえ。どうしてどうして、これにゃア複雑いりくんだアヤがある。こいつを、ほぐせたら大したもんだ。
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
老爺じじい対手あいてじゃ先行さきゆきがしない。し、直接じかづけ懸合かけあおう。」とふいと立って奥へずかずか。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
我邦わがくに軍人がたの御気象には欧洲各国でも舌をまいておるそうで、これは我がある将官の方に箱根でお目通りをいたしたとき直接じき/\に伺ったところでございます。
その話を妙善から、直接すぐ祖父じいが聞いたんです。ある祖父じいが僕を連れて、その墓場へ見せに行った。見ると、ちゃんとしゅが入っている。——
□本居士 (新字新仮名) / 本田親二(著)
米友の竿を撥ね返した兵馬は、その槍で直接すぐさま附け入って咽喉元をグサと貫く手順であったが、それがそういかないで、槍を手元に引いてしまいました。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ほんじゃ、爺つあまに、おれ、直接ずかに、訊いで見んべかなあ?」
山茶花 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
上人直接ぢき御話示おはなしあるべきよしなれば、衣服等失礼なきやう心得て出頭せよと、厳格おごそかに口上を演ぶるは弁舌自慢の圓珍とて、唐辛子をむざとたしなくらへる祟り鼻のさきにあらはれたる滑稽納所おどけなつしよ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)