小林多喜二（こばやしたきじ）

1903.10.13 〜 1933.02.20

“小林多喜二”に特徴的な語句

覗（のぞ） 行（え） 一寸（ちょっと） 糞（くそ） 此処（ここ） 吃（ども） 終（しま） 掻（か） 手拭（てぬぐい） 恰好（かっこう） 安坐（あぐら） 若（も） 白首（ごけ） 貼（は） 儲（もう） 其処（そこ） 何処（どこ） 何時（いつ） 揃（そろ） 直接（じか） 訊（き） 顫（ふる） 搾（しぼ） 可愛（めんこ） 唾（つば） 惨（みじ） 懐（ふところ） 勿論（もちろん） 異（ちが） 拭（ぬぐ） 跛（びっこ） 家（うち） 他人（ひと） 周章（あわ） 直（す） 吃驚（びっくり） 筈（はず） 綺麗（きれい） 自家（うち） 一（ひと） 頬（ほお） 虱（しらみ） 所謂（いわゆる） 顎（あご） 蹴（け） 独（ひと） 打（ぶ） 硝子（ガラス） 咽喉（のど） 躊躇（ちゅうちょ）

著者としての作品一覧

争われない事実（新字新仮名）
読書目安時間：約4分
誰よりも一番親孝行で、一番おとなしくて、何時でも学校のよく出来た健吉がこの世の中で一番恐ろしいことをやったという——だが、どうしても母親には納得がいかなかった。見廻りの途中、時々寄 …

蟹工船（新字新仮名）
読書目安時間：約2時間4分
「おい地獄さ行ぐんだで！」 二人はデッキの手すりに寄りかかって、蝸牛が背のびをしたように延びて、海を抱え込んでいる函館の街を見ていた。——漁夫は指元まで吸いつくした煙草を唾と一緒に …

疵（新字新仮名）
読書目安時間：約4分
「モップル」（赤色救援会）が、「班」組織によって、地域別に工場の中に直接に根を下し、大衆的基礎の上にその拡大強化をはかっている。 ××地区の第××班では、その班会を開くたびに、一人 …

級長の願い（新字新仮名）
読書目安時間：約3分
先生。 私は今日から休ませてもらいます。みんながイジめるし、馬鹿にするし、じゅ業料もおさめられないし、それに前から出すことにしてあった戦争のお金も出せないからです。先生も知っている …

工場細胞（新字新仮名）
読書目安時間：約2時間7分
金網の張ってある窓枠に両手がかゝって——その指先きに力が入ったと思うと、男の顔が窓に浮かんできた。 昼になる少し前だった。「Ｈ・Ｓ製罐工場」では、五ラインの錻刀切断機、胴付機、縁曲 …

一九二八年三月十五日（旧字旧仮名）
読書目安時間：約1時間32分
お惠には、それはさう仲々慣れきることの出來ない事だつた。何度も——何度やつてきても、お惠は初めてのやうに驚かされたし、ビク／＼したし、周章てた。そして、又その度に夫の龍吉に云はれも …

父帰る（新字新仮名）
読書目安時間：約4分
夫が豊多摩刑務所に入ってから、七八ヵ月ほどして赤ん坊が生れた。それでお産の間だけお君はメリヤス工場を休まなければならなかった。工場では共産党に入っていた男の女房を一日も早く首にした …

テガミ（新字新仮名）
読書目安時間：約5分
此処を出入りするもの、必ずこの手紙を読むべし。 君チャンノオ父ッチャハ、工場デヤスリヲトイデイルウチニ、グルグルマワッテ居ルト石ガカケテトンデキテ、ソレガムネニアタッテ、タオレテ家 …

党生活者（新字新仮名）
読書目安時間：約2時間12分
洗面所で手を洗っていると、丁度窓の下を第二工場の連中が帰りかけたとみえて、ゾロ／＼と板草履や靴バキの音と一緒に声高な話声が続いていた。 「まだか？」 その時、後に須山が来ていて、言 …

独房（新字新仮名）
読書目安時間：約36分
誰でもそうだが、田口もあすこから出てくると、まるで人が変ったのかと思う程、饒舌になっていた。八カ月もの間、壁と壁と壁と壁との間に——つまり小ッちゃい独房の一間に、たった一人ッ切りで …

母たち（新字新仮名）
読書目安時間：約20分
弟が面会に行くとき、今度の事件のことをお前に知らせるようにと云ってやった。 差入のことや家のことや色々なことを云った後で、弟は片方の眼だけを何べんもパチ／＼させながら、「故里の方は …

人を殺す犬（新字新仮名）
読書目安時間：約5分
右手に十勝岳が安すッぽいペンキ画の富士山のように、青空にクッキリ見えた。そこは高地だったので、反対の左手一帯はちょうど大きな風呂敷を皺にして広げたように、その起伏がズウと遠くまで見 …

不在地主（新字新仮名）
読書目安時間：約2時間18分
この一篇を、「新農民読本」として全国津々浦々の「小作人」と「貧農」に捧げる。「荒木又右衛門」や「鳴門秘帖」でも読むような積りで、仕事の合間合間に寝ころびながら読んでほしい。「ドンド …

防雪林（旧字旧仮名）
読書目安時間：約2時間11分
北海道に捧ぐ十月の末だつた。 その日、冷たい氷雨が石狩のだゞツ廣い平原に横なぐりに降つてゐた。 何處を見たつて、何んにもなかつた。電信柱の一列がどこまでも續いて行つて、マツチの棒を …

北海道の「俊寛」（新字新仮名）
読書目安時間：約3分
十一月の半ば過ぎると、もう北海道には雪が降る。（私は北海道にいる。）乾いた、細かい、ギリギリと寒い雪だ。——チヤツプリンの「黄金狂時代」を見た人は、あのアラスカの大吹雪を思い出すこ …

雪の夜（新字新仮名）
読書目安時間：約30分
仕事をしながら、龍介は、今日はどうするかと、思った。もう少しで八時だった。仕事が長びいて半端な時間になると、龍介はいつでもこの事で迷った。 地下室に下りていって、外套箱を開けオーバ …

“小林多喜二”について

小林 多喜二（こばやし たきじ、1903年（明治36年）12月1日 - 1933年（昭和8年）2月20日）は、日本のプロレタリア文学の代表的な小説家、共産主義者、社会主義者、政治運動家。日本プロレタリア作家同盟書記長。日本共産党党員。
4歳のとき、一家で北海道の小樽に移住、小樽高等商業学校（現・小樽商科大学）に学ぶ。小樽で銀行に勤めてから、葉山嘉樹、ゴーリキーなどの作品を通じてプロレタリア作家の自覚を持ち、小樽の労働運動にも関わり始めた。
(出典:Wikipedia)