“躊躇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちゅうちょ71.3%
ためら13.6%
ちうちよ7.4%
ちゆうちよ1.4%
ためらい1.1%
ため0.8%
たゆた0.7%
ためろ0.6%
ためらっ0.4%
タメラ0.4%
ぐづ/″\0.3%
ためらう0.3%
ためらひ0.3%
もじもじ0.3%
ヤスラ0.3%
ぐずぐず0.1%
ぐづ/\0.1%
たじろ0.1%
ちうちょ0.1%
ちょうちょ0.1%
やすら0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女は馬車を雇う事を男に勧めようかと一寸ちょっと考えたが、それを口に出す事を躊躇ちゅうちょした。ゆっくり歩けばいと思ったからである。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
東宮から後宮にとお望みになったのをお受けせずにお返辞へんじ躊躇ちゅうちょしていたのは、初めから源氏の君の配偶者に擬していたからである。
源氏物語:01 桐壺 (新字新仮名) / 紫式部(著)
然し「呼びに来た」のである。不思議の力ありて彼を前より招きあとよりたちまち彼を走らしめつ、彼は躊躇ためらうことなく門を入った。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
第一、この手紙にしたって、筆をとりながら、果してあなたに出せるものやら、出せそうもないものやら、心の中では躊躇ためらっているのです。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
然れどもし夫れ、彼にありて極めて高潔、極めて荘重なる事業と認むべき者あらば、吾人は邦と邦との隔離を遺忘するに躊躇ちうちよせざるなり。
一種の攘夷思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
盲人たちは信じかねて、躊躇ちうちよしながら、それでもそつと手を差出しました。そのてのひらへ、エミリアンは金貨を一枚づつのせてやりました。
エミリアンの旅 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
ガラツ八が三人のうちどれを追つ驅けようと、暫く躊躇ちゆうちよするうちに一人殘らず町の闇に解け込んで了つたのです。
荒布革あらめがはの横長なる手鞄てかばんを膝の上に掻抱かきいだきつつ貫一の思案せるは、その宜きかたを択ぶにあらで、ともに行くをば躊躇ちゆうちよせるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
幾度か出入りしているので、やみにも何の躊躇ためらいなく、そこをチョコチョコとはい上がった次郎が、やがて首を出した所は、洞然たる一宇の堂内。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこを通って尚進むと忽然として十字路へ出た。と太郎は躊躇ためらいもせずそれを左の方へ曲がって行く。こうして行くこと一町余また十字路へ現われた。と太郎は左へ曲がる。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一人がしかめた眼差まなざしで、ウインチを見上げて、「しかしな……」と躊躇ためらっている。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
もし作りえ、作り直し、迷い躊躇ためらって作るなら、美はいつか生命を失うであろう。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
浮世の渡りぐるしき事など思ひめぐらせば思ひ廻すほど嬉しからず、時刻になりて食ふ飯の味が今更かはれるではなけれど、箸持つ手さへ躊躇たゆたひ勝にて舌が美味うまうは受けとらぬに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
病めるものは之を慰め、貧しきものは之を分ち、心曲こゝろまがりて郷里の害を爲すものには因果應報の道理をさとし、すべて人の爲め世の爲めに益あることは躊躇たゆたふことなくし、絶えて彼此かれこれ差別しやべつなし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
「よし。宗時殿さえ、そのお覚悟ならば、われわれの躊躇ためろうている理由はない。——では、やがて山木の目代邸に、火の手を見られたら、それと思し召されよ」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ハッと思って細川は躊躇ためろうたが、一言ひとことも発し得ない、とどまることも出来ないでそのまま先生の居間に入った。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
文三はすこ躊躇ためらって梯子段を降果てお勢の子舎の入口まで参りは参ッたが、うちへとては立入らず、唯鵠立たたずんでいる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「しかし」と躊躇ためらった右近丸、「走れますかな、貴女には?」
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ところが、郎女の答へは、木魂返コダマガヘしの樣に、躊躇タメラふことなしにあつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
ところが、郎女の答へは、木魂返コダマガヘしの樣に、躊躇タメラふことなしにあつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
果してお時が遣つて參りました。母から頼まれた小説を右の手に持つて左の手で頭を押へながら厭々來たといふ風で部屋の外で躊躇ぐづ/″\してるのです。
反古 (旧字旧仮名) / 小山内薫(著)
で熱する頭を押へて、愼重しんちよう詮議せんぎする積で、今日けふまで躊躇ぐづ/″\してゐたのであつた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
傷のないところに痛みはない。僕にとって、認識するとは、生身をえぐることであり、血を流すことであった。そして、今、僕の誠実さの切尖が最後の心臓に擬せられたからとて、僕は躊躇ためらうだろうか。
二十歳のエチュード (新字新仮名) / 原口統三(著)
この度ばかりは……と躊躇ためらう間に早や何処いずくへか消えてしまう。
森の妖姫 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今にして躊躇ためらひなさば、
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
今にして躊躇ためらひなさば、
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
難有ありがとう」と言ったぎり自分が躊躇もじもじしているので斎藤は不審いぶかしそうに自分を見ていたが、「イヤ失敬」と言って去ってしまった。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
歯医者は躊躇もじもじして、帽子をひねっておりましたが、やがてしおれて坐りました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
唯、木の花の散ることの遅速によつて、稲の花及び稔りの前兆と考へ、出来るだけ躊躇ヤスラはせようとしたのが、意義を変じて、田には稲虫のつかぬ様にとするものと考へられた。
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ただ、木の花の散ることの遅速によって、稲の花および稔りの前兆と考え、できるだけ躊躇ヤスラわせようとしたのが、意義を変じて、田には稲虫のつかぬようにとするものと考えられた。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
こんな所に何時いつまでも躊躇ぐずぐずしていたら、こごえて死んでしまうかも知れぬ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あまり敬之進が躊躇ぐづ/\して居るので、しまひには郡視学も気をいらつて、時計を出して見たり、靴を鳴らして見たりして、
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「と云うと何でしょうか。とにかくお掛け下さい」法水がちょっと躊躇たじろぎを見せたのは、彼女の命令的な語調ではなかった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
みんな躊躇ちうちょしてみちをあけた。
台川 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
このうえ躊躇ちょうちょしていたら、った煙管きせるで、あたまのひとつもられまじき気配けはいとなっては、藤吉とうきちも、たないわけにはかなかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
躊躇やすらふ君よ、こちら向け
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)