“凝”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こ50.2%
じっ11.6%
こら11.4%
じ9.7%
じつ3.5%
ぢつ2.7%
こご2.7%
ぢ1.8%
こり1.0%
かた0.9%
かたま0.9%
こお0.6%
こゞ0.5%
コラ0.3%
ゴ0.3%
こっ0.2%
こほ0.2%
こる0.1%
じッ0.1%
コ0.1%
きっ0.1%
きつ0.1%
こつ0.1%
ご0.1%
す0.1%
た0.1%
ぢツ0.1%
なぞら0.1%
み0.1%
コヾ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昔しながらの薄着で、肩が凝(こ)ると言つて襯衣(しやつ)は決して着ないから、襦袢の白い襟の間から茶褐色に痩せた斑點のある肌が見えてゐた。
ごりがん (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
茫然(ぼうぜん)とした状(さま)して、運転手が、汚れた手袋の指の破れたのを凝(じっ)と視(み)ている。——掌に、銀貨が五六枚、キラキラと光ったのであった。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さて一同の目の前には天下の浮世絵師が幾人よって幾度(いくたび)丹青(たんせい)を凝(こら)しても到底描き尽(つく)されぬ両国橋(りょうごくばし)の夜の景色が現われ出(いづ)るのであった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
すぐ私の背後(うしろ)に立止まって凝(じ)っと覗いているサラリーマンらしい中年紳士の肩越しに、銀座の往来の断面が三分の二ほど映っている。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と呟(こぼ)した事があつた。そして相手の農夫(ひやくしやう)が値上げの張本人であるかのやうに凝(じつ)とその顔を見つめた。顔は焼栗のやうに日に焦(や)けてゐた。
「息をしだしたな、これで暫く来んわい。」と平七は独語(ひとりご)つて、平三に背を向けて立つたまゝ、矢張り凝(ぢつ)と網の中を見つめて居た。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
不安動揺の人間の悲劇が凝(こご)って、この無比の菩薩像が立ちあらわれたに違いないが、あの駘蕩としてのっぺりした御顔を仰いでいると
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
平次の指さした方、輕業小屋の樂屋口には僅かに殘る雀色の夕あかりの中に、ほの白い顏が凝(ぢ)つとこちらを見てゐるではありませんか。
藤右衛門はつやつやとした竹の肌に眼をやりながら、肩から背すじへかけて綱をとおしたようなつかれの凝(こり)をかんじた。
日本婦道記:松の花 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
九月一日の地震のあと、近所隣りと一つに凝(かた)まって門外で避難していると、大杉はルイゼを抱いて魔子を伴れてやって来た。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
晴れた日は乾いて黒いが雨ふれば凝(かたま)った血のように見えるのだと述べ居る、この藻は和歌山市の墓地などに多く
凝(こお)った雪を被(かず)いている、或るものは細長い雪の紐(ひも)で、腹の中を結えている、そうして尖鋭の岩を歯のように黒く露わして、ニッとうす気味悪く笑っている。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
本當(ほんたう)に枕元(まくらもと)なのせえ、みんなして凝(こゞ)つて狹(せめ)えつたつて窮屈(きうくつ)だつてやつと居(ゐ)る丈(だけ)なんだから、天井(てんじやう)へは頭(あたま)打(ぶ)つゝかり相(さう)で生命(いのち)でも何(なん)でも蹙(ちゞ)めらつる樣(やう)なおもひでさ
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
山の端(ハ)も、雲も何もない方に、目を凝(コラ)して、何時までも端坐して居た。郎女の心は、其時から愈々澄んだ。併し、極めて寂しくなり勝(マサ)つて行くばかりである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
どだい兄公殿(アニキドノ)が、少し佛凝(ゴ)りが過ぎるでなう——。自然内(ウチ)うらまで、そんな氣風がしみこむやうになつたかも知れぬぞ——。時に、お身のみ館の郎女(イラツメ)も、そんな育てはしてあるまいな。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
文「馬鹿云え、下(くだ)り飴(あめ)じゃアあるまいし、これは天地積陰(せきいん)温かなる時は雨ふり寒なる時は雪と成る、陰陽凝(こっ)て雪となるものだわ、それに草木の花は五片(ごひら)雪の花は六片(むひら)だから六(むつ)の花というわさ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ひゞく地心(ちしん)の骨(ほね)凝(こほ)り
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
申氣の如何に凝(こる)とて此手先と我と我が手に喰付(くひつき)しが覺悟を極め此趣(おもむ)きを御番所へ自ら訴(うつた)へ公(おほや)けの御法(はふ)通(どほ)りに御仕置を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
況(いわん)や私は犬好だ。凝(じッ)として視ては居られない。母の袖の下から首を出して、チョッチョッと呼んで見た。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
やがて金色(コンジキ)の雲気(ウンキ)は、次第に凝(コ)り成(ナ)して、照り充ちた色身(シキシン)——現(ウツ)し世の人とも見えぬ尊い姿が顕れた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
九女八は、鷺草の、白い花がポツポツと咲き残るのへ降る雨が、庭面(にわも)を、真っ青に見せて、もやもやと、青い影が漂うようなのに、凝(きっ)と心をひかれながら、呟(つぶや)いた。
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
級長は卓子(テーブル)の前に進んだ。校長も、文平も、凝(きつ)と鋭い眸をこの生徒の顔面(おもて)に注いだ。省吾なぞから見ると、ずつと夙慧(ませ)た少年で、言ふことは了然(はつきり)好く解る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
天命(てんめい)は是耶(ぜか)非耶(ひか)と言(いは)るは伯夷傳(はくいでん)の要文(えうぶん)なるべし爰(こゝ)に忠義に凝(こつ)たる彼の久八は辛(から)き光陰(つきひ)は送(おく)れども只千太郎の代に成て呼戻(よびもど)さるゝを樂(たの)しみに古主(こしう)の容子(ようす)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
どだい兄公殿(あにきどの)が、少し仏凝(ご)りが過ぎるでなう——。自然内(うち)うらまで、そんな気風がしみこむやうになつたかも知れぬぞ。時に、お身のみ館の郎女も、そんな育てはしてあるまいな。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
歯を噛(く)い緊(し)めてのけざまに顛覆(うちかえ)りたるが、血塗(ちまぶ)れの額越(ひたいご)しに、半ば閉じたる眼(まなこ)を睨(にら)むがごとく凝(す)えて、折もあらばむくと立たんずる勢いなり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何やら、もの思わしげな清葉の容子を、もう一度凝(た)めて視(み)て
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
愛(あい)ちやんは呆氣(あつけ)にとられて暫(しばら)く凝(ぢツ)と默(だま)つて居(ゐ)ました、そこで鳩(はと)が又(また)
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
と云って、振向いた時の、舞台の顔は、あまつさえ、凝(なぞら)えたにせよ、向って姿見の真蒼(まっさお)なと云う行燈(あんどん)があろうではないか。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鷲尾は倅の凹(へこ)んだたよりなげなウツロな眼や、でッかちになった頭などを、まるで夢心地でシゲシゲと凝(み)つめながらやっと抱えあげた。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
夜はの霧 ふもとに凝(コヾ)り、冴え/″\と 月たかまりぬ。山の端の空
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)