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凝
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こら
ふりがな文庫
“
凝
(
こら
)” の例文
さて一同の目の前には天下の浮世絵師が幾人よって
幾度
(
いくたび
)
丹青
(
たんせい
)
を
凝
(
こら
)
しても到底描き
尽
(
つく
)
されぬ
両国橋
(
りょうごくばし
)
の夜の景色が現われ
出
(
いづ
)
るのであった。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
内儀
(
かみ
)
さんは
什麽
(
どんな
)
にしても
救
(
すく
)
つて
遣
(
や
)
りたいと
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したら
其處
(
そこ
)
に
障害
(
しやうがい
)
が
起
(
おこ
)
れば
却
(
かへつ
)
てそれを
破
(
やぶ
)
らうと
種々
(
しゆじゆ
)
に
工夫
(
くふう
)
も
凝
(
こら
)
して
見
(
み
)
るのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
飯島の
家
(
うち
)
では妾のお國が、孝助を追出すか、しくじらするように
種々
(
いろ/\
)
工夫を
凝
(
こら
)
し、この事ばかり寝ても覚めても考えている、悪い奴だ。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
間もなく、明智と私とは伯父の邸の
数寄
(
すき
)
を
凝
(
こら
)
した応接間で伯父と対座していました。伯母や書生の
牧田
(
まきた
)
なども出て来て話に加わりました。
黒手組
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ホテルの窓より眺むれば、展望幾重、
紫嵐
(
しらん
)
を
凝
(
こら
)
すカルメル山脈の上、金を流せる
入日
(
いりひ
)
の空を点破して飛鳥遥にナザレの方を指す。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
『御近所の方かしら。』そう思った美奈子は、電車を降りながら美しい
眸
(
ひとみ
)
を
凝
(
こら
)
して、その後姿を見失うまいと、眼も放たず見詰めていた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
倐忽
(
たちまち
)
に
瞳
(
ひとみ
)
を
凝
(
こら
)
せる貫一は、愛子の
面
(
おもて
)
を熟視して
止
(
や
)
まざりしが、やがてその
眼
(
まなこ
)
の中に浮びて、輝くと見れば
霑
(
うるほ
)
ひて出づるものあり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
寮の建物は數寄を
凝
(
こら
)
して居る割合に狹いので、庭に
朱毛氈
(
しゆまうせん
)
の縁臺を並べ、よしずの掛茶屋を連ねて、酒池肉林をさながらに現出させました。
銭形平次捕物控:177 生き葬ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
赤誠民兵隊を号令した馬上の田崎恒太郎と、
和
(
なご
)
やかな、絵絹に丹青を
凝
(
こら
)
している草雲とは、まるで、違った人のように見える。
田崎草雲とその子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こう考えたとき、僕は、
独楽
(
こま
)
のように、ぐるぐる廻る幽霊船の甲板で、大空へ脱れ出る方法について、工夫を
凝
(
こら
)
すだけの、心の余裕を生じた。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
鼈甲
(
べつかふ
)
の
櫛
(
くし
)
笄
(
かうがい
)
を円光の如くさしないて、地獄絵を
繍
(
ぬ
)
うた
襠
(
うちかけ
)
の
裳
(
もすそ
)
を長々とひきはえながら、天女のやうな
媚
(
こび
)
を
凝
(
こら
)
して、夢かとばかり眼の前へ現れた。
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
仏壇の前に端坐して、祈念を
凝
(
こら
)
している妻の姿などを、まじまじと眺めながら、彼は「
女子
(
おなご
)
は楽なものじゃ」と思った。
日は輝けり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
神々
(
かう/″\
)
しき
朝日
(
あさひ
)
に
向
(
むか
)
つて
祈念
(
きねん
)
を
凝
(
こら
)
したこともあつたのです。ふと
思
(
おも
)
ひ
當
(
あた
)
つた
時
(
とき
)
には
彼
(
かれ
)
は
思
(
おも
)
はず
躍
(
をど
)
り
上
(
あが
)
つて
喜
(
よろこ
)
んださうです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
如何
(
いかゞ
)
でげせう、これでも先生方のお気には召しますまいかな、
俺
(
あつし
)
としては
相応
(
かなり
)
趣向も
凝
(
こら
)
した積りなんでげすが……」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
改めて熟議を
凝
(
こら
)
すものに相違ないが、どこへ行くつもりだろう——そんなことまで、米友が想いやっているうちに、早くも右のさむらいを先頭にして
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
図書 (
疑
(
うたがい
)
の目を
凝
(
こら
)
しつつあり)まさかとは存ずるなり、
私
(
わたくし
)
とても年に一度、虫干の外には拝しませぬが、ようも似ました、お家の
重宝
(
ちょうほう
)
、青竜の御兜。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其後姿を見送つた目を、其処に置いて行つた手紙の上に移して、智恵子は
眤
(
じつ
)
と呼吸を
凝
(
こら
)
した。神から授つた義務を
遂
(
は
)
たした様な満足の情が胸に溢れた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
我れ
三文字屋
(
さんもんじや
)
金平
(
きんぴら
)
夙
(
つと
)
に
救世
(
ぐせい
)
の
大本願
(
だいほんぐわん
)
を
起
(
おこ
)
し、
終
(
つひ
)
に
一切
(
いつさい
)
の
善男
(
ぜんなん
)
善女
(
ぜんによ
)
をして
悉
(
ことごと
)
く
文学者
(
ぶんがくしや
)
たらしめんと
欲
(
ほつ
)
し、百で
買
(
か
)
ツた
馬
(
むま
)
の如くのたり/\として
工風
(
くふう
)
を
凝
(
こら
)
し
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
友禅
縮緬
(
ちりめん
)
の
真赤
(
まつか
)
な襦袢一枚にこてこてとした厚化粧と
花簪
(
はなかんざし
)
に奇怪至極の装飾を
凝
(
こら
)
し、洋人、
馬来
(
マレイ
)
人、
印度
(
インド
)
人に対して
辣腕
(
らつわん
)
を
振
(
ふる
)
ふものとは思はれなかつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
わたしは、いつまでもいつまでも耳を
凝
(
こら
)
して聞き入つた——樂音は次第にかすかに、遠くなつて行つた。
クリスマス・イーヴ
(旧字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
麹町の学校や鎌倉の別荘に岡見を見た眼で、その時女中に案内された茶の間や
数寄
(
すき
)
を
凝
(
こら
)
した狭い庭先を見ると、何となく捨吉は岡見の全景を見たような気がした。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
役者はおもいおもいの意匠を
凝
(
こら
)
したびらを寄せた。縁故のある華族の
諸家
(
しょけ
)
は皆金品を
遺
(
おく
)
って、中には老女を
遣
(
つかわ
)
したものもあった。勝久が三十一歳の時の事である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それから
愛
(
あい
)
ちやんは、それをするには
何
(
ど
)
ういふ
風
(
ふう
)
にしたら
可
(
い
)
いだらうかと
工夫
(
くふう
)
を
凝
(
こら
)
し
初
(
はじ
)
めました、『それには
乘物
(
のりもの
)
へ
乘
(
の
)
つて
行
(
ゆ
)
かなければならない』と
思
(
おも
)
つたものゝ
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
殊
(
こと
)
に、
二番
(
にばん
)
めの
句
(
く
)
、
三番
(
さんばん
)
めの
句
(
く
)
に、
注意
(
ちゆうい
)
なさい。おなじく
趣向
(
しゆこう
)
を
凝
(
こら
)
したところはあつても、さくら
田
(
た
)
への
方
(
ほう
)
は、いかにもすっきりと、
頭
(
あたま
)
に
響
(
ひゞ
)
くように
出來
(
でき
)
てゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
それだからわたしも色々に工夫を
凝
(
こら
)
してゐるのだ。(上の方に向つて。)おい、おい。そつちの井戸がへも少し待つてくれ。さうざうしいと、どうも好い智慧が出ない。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
また
二十尺
(
にじつしやく
)
も
三十尺
(
さんじつしやく
)
も
高
(
たか
)
い
石
(
いし
)
を
兩側
(
りようがは
)
に
立
(
た
)
てゝ、その
上
(
うへ
)
に
横
(
よこ
)
に
巨石
(
きよせき
)
を
載
(
の
)
せてあるものなどは、たゞ
人力
(
じんりよく
)
だけでもつてなされるものではなく、
種々
(
しゆ/″\
)
工夫
(
くふう
)
を
凝
(
こら
)
したものでせう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
余程眼を
凝
(
こら
)
しても、何処が頭で何処が肩のあたりか、さつぱり見当もつかない全くの壜だつた。
センチメンタル・ドライヴ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
ぼくは、その中に
佇
(
た
)
つて、本堂に懸つた額に目を
凝
(
こら
)
した。……“瑠璃殿”と辛うじて読めた。
にはかへんろ記
(新字旧仮名)
/
久保田万太郎
(著)
彼の心臓は早鐘のように動悸を打ち、息は
烈
(
はげ
)
しく喘いでいた。そして瞳を
凝
(
こら
)
して被害者の顔を覗き込むと、思わず驚愕の叫びをあげて、死体の上に蔽いかぶさる様に
踞
(
うずくま
)
った。
赤い手
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼は真佐子を
執拗
(
しつよう
)
に観察する自分が
卑
(
いや
)
しまれ、そして何か
及
(
およ
)
ばぬものに対する悲しみをまぎらすために首を脇へ向けて、横町の突当りに
影
(
かげ
)
を
凝
(
こら
)
す山王の森に視線を逃がした。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それから瞳を
凝
(
こら
)
して恕堂のする事を見てゐると、恕堂は風呂敷を解いて蓄音器を取り出した。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
かく積極消極両方面の競争が激しくなるのが開化の
趨勢
(
すうせい
)
だとすれば、吾々は長い時日のうちに種々様々の工夫を
凝
(
こら
)
し
智慧
(
ちえ
)
を
絞
(
しぼ
)
ってようやく今日まで発展して来たようなものの
現代日本の開化
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
音楽は止んで人々は息を
凝
(
こら
)
した。その時、ホールの一隅にパッと一団の火が燃えてドンという音がした。ヒューという戸外の風の音と共に、二三の婦人は黄色い叫び声を挙げた。
外務大臣の死
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
彼女は美しく装いを
凝
(
こら
)
した
淡竹色
(
うすたけいろ
)
の
裳裾
(
もすそ
)
を
曳
(
ひ
)
きながら、泉の傍へ近寄って水を汲んだ。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
薙刀
(
なぎなた
)
を
抱
(
かゝ
)
へた白衣姿の小池と、母親が
丹精
(
たんせい
)
を
凝
(
こら
)
した
化粧
(
けしやう
)
の中に凉しい眼鼻を浮べて、紅い唇を
蕾
(
つぼ
)
めたお光とが、連れ立つて歸つて行くのを、町の人は取り卷くやうにして眼を
注
(
そゝ
)
いだ。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
でいゆすの
御教
(
みをしへ
)
この国に入りてより、未だ
間
(
ま
)
もなき事なれば、無智
盲昧
(
まうまい
)
の
蒼民
(
たみくさ
)
の疑ひ怪しむそれ故に、心にもなき大罪に陥らむを憐み、
某
(
それがし
)
祈念を
凝
(
こら
)
したれば彼の罪も許されたのぢや。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
明
(
あく
)
る日も雨だ。私の空想はもはや疲れた。朝から、青桐に来て烏が止っている。
茫然
(
ぼんやり
)
と窓に
凭
(
もた
)
れて、張り付けたような空を見ていると、烏が、時々頭を傾げて何物かに瞳を
凝
(
こら
)
している。
抜髪
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これ実に彼が二十五歳の時にものしたるもの、その深き言外の真情はいうも愚か、その用意の懇切周到なる、如何に国家を懐うの彼は、かくまで家庭の事に
濃
(
こまや
)
かなる思いを
凝
(
こら
)
したるぞ。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
水は方円の器に従うが如く、私はそれに応じての私の身を置くに適当な何かを以て飾り立て、ぼろぎれを張り
廻
(
めぐら
)
し、工夫を
凝
(
こら
)
して心もちよく住んで見せるだけの自信はあると思っている。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
或るときは
一〇
絵に心を
凝
(
こら
)
して
眠
(
ねぶり
)
をさそへば、ゆめの
裏
(
うち
)
に江に入りて、
一一
大小
(
さばかり
)
の魚とともに遊ぶ。
覚
(
さ
)
むれば
即
(
やが
)
て見つるままを画きて
壁
(
かべ
)
に
貼
(
お
)
し、みづから呼びて
夢応
(
むおう
)
の
鯉魚
(
りぎよ
)
と名付けけり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
懸
(
かけ
)
用人無事に紀州表の
取調
(
とりしら
)
べ
行屆
(
ゆきとゞき
)
候樣
丹誠
(
たんせい
)
を
凝
(
こら
)
し晝は一間に
閉籠
(
とぢこも
)
りて
佛菩薩
(
ぶつぼさつ
)
を
祈念
(
きねん
)
し別しては紀州の
豐川
(
とよかは
)
稻荷
(
いなり
)
大明神
(
だいみやうじん
)
を
遙拜
(
えうはい
)
し晝夜の
信心
(
しんじん
)
少
(
すこ
)
しも
餘念
(
よねん
)
なかりしに
斯
(
かゝ
)
る處へ伊豆守殿より
使者
(
ししや
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
我邦
(
わがくに
)
に来遊する外国の貴紳が日本一の御馳走と称し帰国後第一の
土産話
(
みやげばなし
)
となすは東京
牛込
(
うしごめ
)
早稲田
(
わせだ
)
なる大隈伯爵家温室内の食卓にて巻頭に掲ぐるは画伯
水野年方
(
みずのとしかた
)
氏が
丹青
(
たんせい
)
を
凝
(
こら
)
して描写せし所なり。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
勇猛
(
ゆうみょう
)
精進潔斎怠らず、
南無帰命頂礼
(
なむきみょうちょうらい
)
と真心を
凝
(
こら
)
し
肝胆
(
かんたん
)
を砕きて三拝
一鑿
(
いっさく
)
九拝一刀、刻み
出
(
いだ
)
せし木像あり難や三十二
相
(
そう
)
円満の
当体
(
とうたい
)
即仏
(
そくぶつ
)
、
御利益
(
ごりやく
)
疑
(
うたがい
)
なしと
腥
(
なまぐさ
)
き
和尚様
(
おしょうさま
)
語られしが、さりとは浅い
詮索
(
せんさく
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
あるいは磯山自ら
卑怯
(
ひきょう
)
にも
逃奔
(
とうほん
)
せし
恥辱
(
ちじょく
)
を
糊塗
(
こと
)
せんために、かくは
姑息
(
こそく
)
の
籌
(
はかりごと
)
を
運
(
めぐ
)
らして我らの行を
妨
(
さまた
)
げ、あわよくば
縛
(
ばく
)
に就かしめんと
謀
(
はか
)
りしには
非
(
あら
)
ざる
乎
(
か
)
と種々評議を
凝
(
こら
)
せしかど、
終
(
つい
)
に要領を得ず
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
タヌは長い夜の探検に疲れたとみえ、草の上に
踞
(
しゃが
)
み込んでいたが声に応じて門のそばまで進み寄って、マッチをすり、手探りをしいろいろ工風を
凝
(
こら
)
しているふうだったが、間もなくすぐもどって来た。
ノンシャラン道中記:03 謝肉祭の支那服 ――地中海避寒地の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
神産巣日御祖
(
かむむすびみおや
)
の命の
富足
(
とだ
)
る天の
新巣
(
にひす
)
の
凝烟
(
すす
)
の
八拳
(
やつか
)
垂るまで
燒
(
た
)
き擧げ
二六
、
地
(
つち
)
の下は、底つ石根に燒き
凝
(
こら
)
して、
𣑥繩
(
たくなは
)
の千尋繩うち
延
(
は
)
へ
二七
、釣する
海人
(
あま
)
が、口大の
尾翼鱸
(
をはたすずき
)
二八
さわさわに
控
(
ひ
)
きよせ
騰
(
あ
)
げて
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
其の語尾の怪しくも
曇
(
くもり
)
を帯べるに、梅子は
眸
(
ひとみ
)
を
凝
(
こら
)
して之を見たり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
是れ千七百載の昔、羅馬の民の
集
(
つど
)
ひ來て、
齊
(
ひと
)
しく
眸
(
ひとみ
)
を舞臺の光景に
凝
(
こら
)
し、共に笑ひ共に感動し共に喝采歡呼せし處なるにあらずや。側なる低く小き戸を過ぐれば、
闊
(
ひろ
)
き
廊
(
わたどの
)
あり。われ等は
舞庭
(
オルヘストラ
)
に下りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
実に仏も心配なされて西方極楽世界阿弥陀仏を念じ、
称名
(
しょうみょう
)
して感想を
凝
(
こら
)
せば、臨終の時に必ず浄土へ往生すと
説給
(
ときたま
)
えり、南無阿弥陀仏/\
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼は、再びピアノが鳴り出しはしないかと、息を
凝
(
こら
)
してゐた。が、ピアノの鳴る代りに、少年の小さい足音が、聞え始めた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
凝
常用漢字
中学
部首:⼎
16画
“凝”を含む語句
凝然
凝視
凝結
凝乎
混凝土
凝固
凝塊
凝滞
凝集
三上水凝刀自女
凝脂
凝灰岩
思凝
凝議
凝坐
煮凝
凝固土
凝如
凝着
唐太常凝菴
...