“一鑿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとのみ75.0%
いっさく25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はただ半面を見せて少年らしく笑い声を立てているその華奢きゃしゃな横顔を、女のような美しさ——しかもその女も、優れた彫刻家が一鑿ひとのみ一鑿に丹誠めて琢磨した
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
何のじょうを含みてかわがあたえしくしにジッと見とれ居る美しさ、アヽ此処ここなりと幻像まぼろしを写してまた一鑿ひとのみようやく二十日を越えて最初の意匠誤らず、花漬売の時の襤褸つづれをもせねば子爵令嬢の錦をも着せず
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
勇猛ゆうみょう精進潔斎怠らず、南無帰命頂礼なむきみょうちょうらいと真心をこら肝胆かんたんを砕きて三拝一鑿いっさく九拝一刀、刻みいだせし木像あり難や三十二そう円満の当体とうたい即仏そくぶつ御利益ごりやくうたがいなしとなまぐさ和尚様おしょうさま語られしが、さりとは浅い詮索せんさく
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)