“一所”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっしょ45.3%
いつしよ26.0%
ひとところ25.5%
ひとつ1.0%
ひととこ1.0%
いっしよ0.5%
ひとつところ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
俺と一所いっしょに静かに、二三度うなずいた船長は伊那少年を顧みて、硝子ガラスのような眼球めだまをギラリと光らした。決然とした低い声で云った。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ふいとつて、「一所いつしよな。」で、とほりて、みぎ濱野屋はまのやで、御自分ごじぶん、めい/\に似合にあふやうにお見立みたくだすつたものであつた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それをわしは利用した。で昨夜根岸へ行った。すると白粉が引いてあった。そこで俺はその一所ひとところへ、丹砂剤をうんと振り撒いたものさ。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ぽっちり三臠みきれ五臠いつきれよりは附けないのに、葱と一所ひとつけて、鍋からもりこぼれるような湯気を、天井へ立てたはうれしい。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まず厨子ずしの本尊仏をかつぎだし、燭台経机きょうづくえの類をはじめ、唐織からおりとばり螺鈿らでんの卓、えいの香炉、経櫃きょうびつなど、ゆか一所ひととこに運び集める。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これもそれと似寄によりの話で、やはり十七年の秋と思う。わたしが父と一所いっしよに四谷へ納涼すずみながら散歩にゆくと、秋の初めの涼しい夜で、四谷伝馬町てんまちょうの通りには幾軒の露店よみせが出ていた。
思い出草 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
一所ひとつところに土橋がかかっていた。その下に枯蘆かれあしが茂っていた。また一所にの口があった。枯れたこけいていた。
隠亡堀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)