“樋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とい58.5%
18.7%
とひ13.8%
どい1.6%
ゐび1.6%
かけひ0.8%
とゆ0.8%
とよ0.8%
どひ0.8%
0.8%
ドヒ0.8%
0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「水道橋の下手しもて——上水のといの足に引っ掛っていたのを、船頭が見付けて引揚げましたが、もう虫の息さえもねエ——可哀想に——」
……貞阿はそう思い定めると、しばらくじっと瞑目めいもくした。雪が早くも解けるのであろう、どこかでをつたう水の音がする。……
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
「水道橋の下手しもて——上水のとひの足に引つ掛つてゐたのを、船頭が見付けて引揚げましたが、もう蟲の息さへもねエ——可哀想に——」
写真機と手提袋を深い雨どいの中へ落し込んだ私は、手早く髪毛かみのけを解いて、長く蓬々ほうほうと垂らしました。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
汲水場くみづに立つ湯上りの素肌しなやかな肺病娘の唇を嗽ぎ、気の弱い鶩の毛に擾され、そうして夜は観音講のなつかしい提灯の灯をちらつかせながら、ゐびを隔てて海近きおきはた鹹川しほかはに落ちてゆく。
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ジュ、ジュクと雀の啼声なきごえとゆにしていた。喬は朝靄あさもやのなかに明けて行く水みずしい外面を、半分覚めた頭に描いていた。
ある心の風景 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
毎朝来るトタン屋は、風呂場のとよだの屋根だのの手入をして居る。いかにも手が鈍い。東京の職人も煙草を吸う時間の永いには驚く様だけれ共、まして此処いらのはひどい。弁当は持って来ない。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
右手の三軒長屋はひさしが傾いて、雨どひもフラフラになつて居りますから、野良猫が飛び付いても無事では納まりさうもありません。
ころころ鳴らすドヒの上に
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
の口にせかれて鳴や夕蛙
寒山落木 巻一 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)