“下手”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
へた66.3%
しもて11.5%
したで5.3%
したて4.5%
げて3.6%
べた3.2%
まず1.9%
ぺた1.5%
まづ0.9%
げしゅ0.2%
(他:5)1.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“下手”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語40.4%
文学 > 日本文学 > 戯曲8.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語7.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
なんとか下手へたな嘘を言って、嘉七が東京にさきにかえって着換えの着物とお金を持ってまた迎えに来るまで、宿で静養している
姥捨 (新字新仮名) / 太宰治(著)
私は元来、しゃべる事が下手へただ、おまけに大阪弁だから、先ず日本語としてもほとんどなっていないといっていい位いだ。
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
磯崎たちとわかれてからも、伸子と素子とは暫く午後十時から十一時の人通りの賑やかなモンパルナスを下手しもて通りへ歩いた。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
と坂の下手しもてへ廻った者も、機を狙ってさきをそろえ、さっ、颯、颯然! 真っ黒になってなだれかかる——
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さっきから下手したでにでていればツケあがって、素直すなおにわたさねえとまたいたい目に会わすからそう思え」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
相手が下手したでから出ると、ついホロリとしてしまふ瑠璃子であつたが相手が正面からかゝつて呉れゝば、一足だつて踏み退く彼女ではなかつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
路上のあきないの常として、気軽るに、癪に触ることも受け流し、如才なく客の多情へ下手したてにつけ入って行く。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
紅子は益々うるさそうに横を向いて呟いた。しかし玄也はなほ下手したてから、殆んど泪つぽいやうな卑屈な声をして
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
私は最初用いた「下手げてもの」という字にまつわる誤解を一掃するために、その俗語を止めて、「民藝」という字を用い始めた。
改めて民藝について (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
私の心に当時沁み込んだいろいろの教育資料は、ことごとくこの下手げてものばかりだったといって差支さしつかえない。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
なぜならば、実行に先立って議論が戦わされねばならぬ時期にあっては、労働者は極端に口下手べたであったからである。
宣言一つ (新字新仮名) / 有島武郎(著)
チャイコフスキーの指揮しき下手べたはきわめて有名で、それから二十年間決して指揮棒を手にしなかったほどである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
「ばかをいえ、鷺江お雪の死体を写すと書いてあるじゃねえか。死人形が生きているようじゃ、下手まずいことにならあ」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いずれも下手まずいものだのに、何々先生のために何々書すと云ったようにもったいぶったのばかりであった。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし狂歌は猿丸太夫さるまるだいふのおいどというあか下手ぺただが一中節いっちゅうぶしを少しうなるので
「静かにシランス!」とフランス語のからっ下手ぺたなマイダーノフが、フランス語で叫んだ。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
自分はそれらの小説を讀んで上手うまいとも下手まづいとも決める事が出來なかつた。
まづいと云ふ点から見れば双方ともに下手まづいに違ない。
艇長の遺書と中佐の詩 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
彼がこの時において、その同志をつのり、安政大獄の下手げしゅ者、間部詮勝を刺し、以て尊王討幕軍の先駆たらんと欲せしも、またうべならずや。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
平次の説明は一點の疑ひもありません。下手げしゆ人は間違ひもなく、殘されたたつた一人の人間を指して居るのです。
アラ斎藤さん下手げすの一寸ヨ。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
「まだこの辺では人目に立つ、も少し淋しい所まで歩かせて、今夜こそ、天王寺で逃げだされたような下手へまをやらずに……」などと加減をしてゆくうちに、天満岸てんまぎしを真っすぐに、東奉行所の前を抜けて、京橋口のてまえ、八丁余りの松並木——おあつらえの淋しさである。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
國「そりゃア貴方あなたはお剣術はお下手へーたさね」
鴎外準門下の人々の史劇並びに近代作物中に新主題を求めて書き直したと謂つた作物は、自然、下手シタテから迎へに出た形を持つ綺堂らの、新歌舞妓とは合致し易かつた。