“下手”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へた65.1%
しもて11.3%
したで5.8%
したて4.7%
げて3.8%
べた3.4%
まず2.1%
ぺた1.5%
まづ0.9%
げしゅ0.2%
げしゆ0.2%
げす0.2%
へぼ0.2%
へま0.2%
へーた0.2%
シタテ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「国公、起きて見ろ、いやに荒っぽく門を叩く奴がある、こちとらの門なんぞは、下手へたに叩かれたんではひっくり返ってしまわあな」
軽輩ではあったが、大坂にいて京洛の事情に通じているために、特に列席を許された藤沢恒太郎が、やや下手しもての座から、口を切った。
仇討禁止令 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
ただ先方はどこまでも下手したでに出る手段を主眼としているらしく見えた。不穏の言葉は無論、強請ゆすりがましい様子はおくびにも出さなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
中納言様と下手したてにばっかり出て来たが、あいつらは、岩倉三位、岩倉三位と、大きそうに出やがって練込んで行くが、結局、するところは一つで
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ここで一寸述べておきたいが、「下手げて」とか「下手物げてもの」とかいう俗語は、実に是等の婆さん達の口から始めて聞いた言葉なのである。
京都の朝市 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
め廻した時は、さしも戦い下手べたの同勢も、非をさとって形を変え、五弁の花がしんをつつむように、この敵ひとりを囲み込んでいた。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、陣々では高橋又四郎の下手まずさをあざけり、敵がさらし物にして坂下へかかげた又四郎の首を見て帰って来る者などもあった。そして、口々に
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
出来ない相談だから仕方がない。美事みごと撃退されてしまった。俺は駄目だよ。勧められることは上手だが、勧めることはあか下手ぺただからね
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
わきに「是はしぼけた所と思ひ玉へ。下手まづいのは病氣の所爲せゐだと思ひ玉へ。嘘だと思はゞ肱を突いていて見玉へ」
子規の画 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
彼がこの時において、その同志をつのり、安政大獄の下手げしゅ者、間部詮勝を刺し、以て尊王討幕軍の先駆たらんと欲せしも、またうべならずや。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
下手げしゆ人は間違ひもなく、殘されたたつた一人の人間を指して居るのです。
アラ斎藤さん下手げすの一寸ヨ。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
「どこへも出ません。店先で手代の与三と若吉を相手に下手へぼ将棋を六番も指しました」
「まだこの辺では人目に立つ、も少し淋しい所まで歩かせて、今夜こそ、天王寺で逃げだされたような下手へまをやらずに……」などと加減をしてゆくうちに、天満岸てんまぎしを真っすぐに
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
國「そりゃア貴方あなたはお剣術はお下手へーたさね」
鴎外準門下の人々の史劇並びに近代作物中に新主題を求めて書き直したと謂つた作物は、自然、下手シタテから迎へに出た形を持つ綺堂らの、新歌舞妓とは合致し易かつた。