“睨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にら80.2%
17.1%
にらみ0.9%
げい0.7%
ねめ0.2%
ねら0.2%
こら0.1%
うかが0.1%
なが0.1%
にらめ0.1%
にらん0.1%
0.1%
ニラ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なかちょう遊客うかれおにらみつけられるからすも昔は海辺うみばた四五町の漁師町でわずかに活計くらしを立てていた。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
そうして翌朝になって銘々めいめい絹帷子きぬかたびらを調べ「少しもしわのよらざる女一人有」りそれを下手人とにらむというのがある。
西鶴と科学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
いや、湯女ゆなのお駒に家を持たせて、屋敷をけがちになってからは、よけいにあの眼が、あの眉が、いつも自分をめまわしている気がした。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は、奥歯をじっと噛んで、ますます殺気のみなぎる瞳で、門倉平馬のめ下ろす視線を、何のくそと、はじき返そうと足掻あがくのだった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
人はむなしく烏をにらみのゝしり、空肚へりたるはらをかゝへて輴哥そりうたもいでず、輴をひきてかへりし事もありしと、その人のかたりき。
郷にったら郷に従えだと、講釈で聞いたんですが、いかな立女形たておやまでもあの舞台じゃあにらみが利かねえ、それだから飛んだ目に逢うんでさ。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この言はたして信ならば、今日において隠伏したる禍機の破裂するは決して遠きにあらざるべし。吾人はただ西天をげいしてその黒烟こくえんの上るをまつのみ。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「私ことは西川正休、幕府に仕えて天文方、お見知り置かれくださいますよう」グルリと西川正休、太郎丸を一げいしたものである。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『何を言つてやがるんだよ。』とお大は血走つたやうな目で床屋をねめつけ、肉と血とでふくらんだ頬をいよいふくらましたが、『何とでも言ふがいよ。口は重寶なものさ。』ともう焦燥いら/\して口がけず、口惜くやしさうに姉の顏を見詰めてゐる。
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
出来ないとお言いのか……フン癯我慢やせがまんをお言いでない、そんな了簡方だから課長さんにもねめられたんだ。マアヨーク考えて御覧、本田さんのようなあんな方でさえ御免になってはならないとおもいなさるもんだから、手間暇かいで課長さんに取り入ろうとなさるんじゃアないか、ましてお前さんなんざアそう言ッちゃアなんだけれども、本田さんから見りゃア……なんだから、尚更なおさらの事だ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
眞「いや此の間わしが一両貸しゃさませと云うたら何に入るてえ怖ろしいまなこしてねらんだよ、貸しはせんぞ」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これこそルパンのねらった機会だ。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
一日中、こらみあっていた両軍が何のきっかけで、どっちからいどみかけて、接戦の口火が切られたか、分らなかった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
膝を抱えて、三十六峰とこらめッこをするように黙然としていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それは今のところ分らない。しかし田鶴子の動静を掴むことが出来たら、はっきりするでしょう。ああ、あなたは、私が田鶴子ばかりをうかがっているように見えるもんだから、それで不満なんでしょう」
千早館の迷路 (新字新仮名) / 海野十三(著)
必ず、動物的の愛なんぞは何処かの隅にそっしまって置き、例の霊性の愛とかいうものをかつだして来て、薄気味悪い上眼を遣って、天から振垂ぶらさがった曖昧あやふやな理想の玉をながめながら、親の権威を笠にかおをして笠にて、其処ン処は体裁よく私を或型へ推込おしこもうと企らむだろう。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
芋蟲いもむしあいちやんとはたがひしばらだまつてにらめをしてましたが、つひ芋蟲いもむし其口そのくちから煙管きせるはなして、したッたるいやうなねむさうなこゑで、
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
へいを高くし門を固めて暖き夢にふけつて居るのを見ては、暗黒の空をにらんで皇天の不公平——ぢやない其の卑劣を痛罵つうばしたくなるンだ、ことに近来仙台阪の中腹に三菱の奴が
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
と、これも気色けしきばんだ女房の顔を、兀上はげあがった額越ひたいごしに、トって、
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何しろ、此二つの天部テンブが、互に敵視するやうな目つきで、ニラみあつて居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)