“担”のいろいろな読み方と例文
旧字:擔
読み方割合
かつ68.1%
にな24.7%
にの2.2%
かた1.2%
か0.9%
たん0.5%
かつい0.3%
いな0.2%
かか0.2%
かつぎ0.2%
さ0.2%
つら0.2%
にた0.2%
のき0.2%
はこ0.2%
も0.2%
カタ0.2%
ニナ0.2%
モ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
中畑さんが銃を担(かつ)いで歩いているのである。帽子をあみだにかぶっていた。予備兵の演習召集か何かで訓練を受けていたのであろう。
帰去来 (新字新仮名) / 太宰治(著)
彼は偉大なるドイツの哲学者たちならびに彼らによって担(にな)われた弁証法の記憶を荒れたる折衷主義の沼のうちに溺死せしめたのは
科学批判の課題 (新字新仮名) / 三木清(著)
笈(おいずる)一つを担(にの)うて行かれたあとに、瘠せ犬が二疋、つれ立って行きましたが、それも国境で戻って来たと見え、夕方には村に着いておりました。
あじゃり (新字新仮名) / 室生犀星(著)
紅き石竹(せきちく)や紫の桔梗(ききょう)を一荷(いっか)に担(かた)げて売に来る、花売(はなうり)爺(おやじ)の笠の檐(のき)に旭日(あさひ)の光かがやきて、乾きもあえぬ花の露鮮(あざ)やかに見らるるも嬉し。
銀座の朝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
細川は自分の竿を担(か)ついで籠(びく)をぶらぶら下げ、浮かぬ顔をして、我家へと帰った。この時が四時過ぎでもあろう。家では老母が糸を紡(ひ)いていた。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
魏の李恵(りけい)、雍州(ようしゅう)に刺史たり、薪を負う者と塩を負う者とあり。同じく担(たん)を弛(ゆる)めて樹蔭に憩う。まさに行かんとして一羊皮を争う。各〻背(せな)に藉(し)ける物と言う。恵がいわく、これ甚だ弁じ易しと。
正月元日の朝、年礼に出掛けた時に、葬礼に逢うと鶴を台に戴せて担(かつい)で来るのを見ると何方(どっち)が宜(よ)いかと云うから、私は
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
気の早い連中で、モウ棺箱を担(いな)い込んで来ている模様です。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その請に応じて、山嶽、大巌を抜き、自分の身上にあるだけの無数の石を担(かか)げて幾回となく海浜に積み、ついに大陸と島地の間に架(か)け渡した。
魚売り担(かつぎ)八百屋、仕事に出るらしい大工左官、近所の女子供からさては店屋の番頭小僧まで、総出の形で遠く近く与惣次を取り巻いた。
猟犬(いぬ)どもが外へ出られると思ってむやみと脚へ打突(ぶっつ)かって来るのを、彼は靴で蹴かえしながら、突然ヤッといって屍体を頭上に高く担(さ)しあげたと思うと
犬舎 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
結納(ゆひのう)の品々担(つら)する者、雑誌など読みもて行く者、五人の子を数珠繋(ずずつなぎ)にして勧工場(かんこうば)に入(い)る者、彼等は各(おのおの)若干(そこばく)の得たるところ有りて、如此(かくのごと)く自ら足れりと為(す)るにかあらん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
膿はまだ少し宛(づつ)出て居たが痛みはもうすつかり無くなつて了つて、歩くのに少しも困難を感じなかつたが、病後の衰弱の身体とて、重い水桶を担(にた)つて坂を上るには最初の中かなり苦痛であつた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
婆「其の代り無代(たゞ)で宜うがんす、口を打欠(ぶっけ)えて種子(たね)え投込んで、担(のき)へ釣下げて置きましたから、銭も何も要(い)らねえもんでごぜえますが、思召(おぼしめし)が有るなら十六文でも廿四文でも戴きたいもんで」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
裸の妻は担(はこ)び出される良人の血だらけの頭を、双つの乳房のあいだに強くひき緊めながらぞっとするような声で泣き喚いた。草の上へ寝かされた茂吉は知覚を失った大きな瞳孔(どうこう)を瞠いたまま
蛮人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
此墓の魂(たま)が、河内安宿部(あすかべ)から石担(も)ちに来て居た男に憑いた時はなう。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其を宵宮には担(カタ)げて宮に参詣しては、新しい護符を貼りかへて貰つて帰つて来るのである。
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
黒革(クロカハ)ノ脚絆(キヤハン)ヲシ、同行(ドウカウ)常ニ二十人バカリ、熊手、鉞(マサカリ)ナド担(ニナ)フモアリテ……
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほんの苗木ぢやつた栢(カヘ)が、此(コレ)ほどの森になつたものな。畏(コハ)かつたぞよ。此墓のみ魂(タマ)が、河内安宿部(アスカベ)から石担(モ)ちに来て居た男に、憑(ツ)いた時はなう。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)