“畏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かしこ37.2%
おそ36.2%
かしこま15.3%
かし3.7%
おそれ1.7%
おそろ1.2%
カシコ0.8%
こわ0.7%
コハ0.5%
0.5%
0.5%
こは0.3%
0.3%
オソロ0.2%
おど0.2%
おそる0.2%
おそれおほ0.2%
とら0.2%
オソ0.2%
カシコマ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今黒塗の盆を持ってかしこまっている彼女とを比較して、自分の腹はなぜこうしつこい油絵のように複雑なのだろうとあきれたからである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
飯縄山のすぐ北にならんでいる黒姫山の蒼翠は、このおそれ入った雲の群集を他所よそにして、空の色と共に目もさむるばかり鮮かであった。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
そのうまがさ、わしべつうまめづらしうもないが、白痴殿ばかどの背後うしろかしこまつて手持不沙汰てもちぶさたぢやからいまいてかうとするとき椽側えんがはへひらりと
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
◯六節にいう「汝は神をかしこめり、これ汝のよりたのむ所ならずや、汝はその道を全うせり、これ汝の望ならずや」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
たけびに猛ぶ男たちの心もその人の前にはやはらぎて、つひに崇拝せざるはあらず。女たちは皆そねみつつもおそれいだけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
まことにおそろしいと言うことを覚えぬ郎女にしては、初めてまざまざと、おさえられるようなこわさを知った。あああの歌が、胸に生きかえって来る。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
是に伊邪那岐命見カシコみて、逃げ返り坐す時に、其妹伊邪那美命、吾にハジ見せ給いつと申し給いて、やがて泉津醜女ヨモツシコメを遣わして、追わしめき。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
まことにおそろしいと言うことを覚えぬ郎女にしては、初めてまざまざと、おさえられるようなこわさを知った。あああの歌が、胸に生きかえって来る。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ほんの苗木ぢやつたカヘが、此ほどの森になつたものな。コハかつたぞよ。此墓のみタマが、河内安宿部アスカベから石ちに來て居た男に、憑いた時はなう。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
きょうす。顔渕後れたり。子曰く、吾女なんじを以て死せりと為せりと。曰く、子います。回や何ぞ敢て死せんと。——先進篇——
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ここにその國主こにきし一二かしこみてまをしてまをさく、「今よ後、天皇おほきみの命のまにまに、御馬甘みまかひとして、年のに船めて船腹さず、柂檝さをかぢ乾さず、天地のむた、退しぞきなく仕へまつらむ」
まことに畏しかつたことを覚えない郎女にしては、初めてまざ/″\と圧へられるやうなこはさを知つた。あゝあの歌が、胸にかへつて来る。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
鶴見は、そこに、はからずも、しこげな御影ぎょえいを仰ぎ見たのである。太秦うずまさ広隆寺の桂宮院けいきゅういんに納めてある太子の御尊像そっくりであった。
毛孔のつやうなオソロしい声を、度々聞いた。ある時は、鳥の音であつた。其後、頻りなく断続したのは、山の獣の叫び声であつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ただいたずらに政府の威光を張り人をおどして人の自由を妨げんとする卑怯なる仕方にて、実なき虚威というものなり。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
神の御ばつ夫婦ふうふえんとなりしも奇遇きぐうといふべし。こは我がをさなかりし時の事也き、筆のついでにしるして御機屋おはたや霊威れいゐある事をわかふどにしらしむ。あなかしこ。おそるべし、つゝしむべし。
相模守として鎌倉に在つた尊氏の弟直義たゞよしは、敗れて鎌倉を脱出するとき、おそれおほくも護良親王をしいし奉つた。これが、足利氏の悪逆の最初である。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
子、きょうとら(拘)わる。曰く、文王すでに没したれども、文はここ(吾が身)にあらずや。天のまさの文をほろぼさんとするときは、後死者われ(孔子自らいう)は斯の文にあずかるを得ざるべし。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
人間ガ人間ヲ裁クノオソレヲ常ニ想ヘ。裁カバ裁カレン。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天皇スメラギミコトのさきをカシコマむため
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)