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畏
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おそろ
ふりがな文庫
“
畏
(
おそろ
)” の例文
まことに
畏
(
おそろ
)
しいと言うことを覚えぬ郎女にしては、初めてまざまざと、
圧
(
おさ
)
えられるような
畏
(
こわ
)
さを知った。あああの歌が、胸に生き
蘇
(
かえ
)
って来る。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
罪あっても罪に
染
(
そ
)
む顔でない、汚れても汚れはせぬ、之に悪人悪女の様に思うては罰が当るとは、殆ど空
畏
(
おそろ
)
しい程に思い
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
日頃默つて居る兄の顏などは、私の仕たことに就いて非常に腹でも立てたやうに、餘計に
畏
(
おそろ
)
しく見えました。其晩に限つて、誰も救ひに來て呉れるものが有りません。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
繭
(
まゆ
)
に籠っていた
蛹
(
さなぎ
)
が
蛾
(
が
)
と
化
(
かわ
)
り、不随意に見えた世界を破って、随意自在の世界に出現する。考えてみればこの急激な変貌の
畏
(
おそろ
)
しさがよく分る。受身であった過去は既に破り棄てられた。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
一口に云えない美しさ
畏
(
おそろ
)
しさがあります。
獄中への手紙:06 一九三九年(昭和十四年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
併しやがて、ふり向いて、
仄暗
(
ほのぐら
)
くさし寄って来ている姥の姿を見た時、言おうようない
畏
(
おそろ
)
しさと、せつかれるような忙しさを、一つに感じたのである。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
夜
(
よ
)
も日もわかず
一室
(
いつしつ
)
は、げに
畏
(
おそろ
)
しき
電働機
(
モオトル
)
の
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
姫の行くてには常に、二つの峰の並んだ山の立ち姿がはっきりと
聳
(
そび
)
えて居た。
毛孔
(
けあな
)
の
竪
(
た
)
つような
畏
(
おそろ
)
しい声を、度々聞いた。ある時は、鳥の音であった。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
塵に
塗
(
まみ
)
るる草原の、その
眞中
(
ただなか
)
に
畏
(
おそろ
)
しき
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
村人の近よらぬ
畏
(
おそろ
)
しい処だから、遠くから機の音を聞いてばかりいたものであろう。おぼろげな記憶ばかり残って、事実は夢のように消えた後では、深淵の中の機織る女になってしまう。
水の女
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
畏
常用漢字
中学
部首:⽥
9画
“畏”を含む語句
畏縮
畏怖
畏敬
可畏
畏友
畏懼
無所畏
大畏怖
敬畏
畏多
畏服
畏嚇
怖畏
施無畏
無畏
畏怖心
能以無畏
畏憚
畏慎
畏愛
...