“圧”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
51.2%
おさ36.1%
おし5.1%
あっ2.6%
あつ1.8%
0.5%
おさえ0.4%
おっ0.4%
0.4%
ふせ0.2%
おも0.2%
おもし0.2%
0.2%
つくらふ0.2%
つぶ0.2%
0.2%
アツ0.2%
オサ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先生の臨終の席に御別おわかれして、激しい心の動揺にされながらも、私はやむをえぬ事情のために、その晩の夜行で帰家の途に就いた。
指導者としての寺田先生 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
それはとてもおさへられないで思はず声に出してしまつたと言つた風だつた。寧ろ子供つぽいよろこびが生々と光代の心に燃えた。——
水と砂 (新字旧仮名) / 神西清(著)
と朝から晩まで食ごのみくい草臥くたびれれば、緞子どんすの夜具に大の字なりの高枕、ふて寝の天井のおしに打たれて、つぶれて死なぬが不思議なり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「マアどうしたのだろう!」校長は喫驚びっくりすると共に、何とも言い難き苦悩が胸をあっして来た。心も空に、気が気ではない。倉蔵は門を開けながら
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
……つひむかふを、うです、……大牛おほうし一頭いつとう此方こなたけてのそりとく。図体づうたいやまあつして野原のはらにもはゞつたいほど、おぼろなかかげおほきい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
中橋氏は二三度それを口のなかで読みかへしてゐるうち、嬉しさに覚えずほころびかゝる口もとを強くし曲げるやうにして気難きむつかしい顔をこしらへた。
人目もふりも、しどろになってせなすがった。多一の片手のてのひらも、我が唇をおさえ余って、血汐ちしおは指をあふれ落ちた。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれども、恥しいと云うのが口惜しい太鼓は、すっかりやけに成って、いきなりゴロッと小さい粟粒の上におっかぶさってしまった。
一粒の粟 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
秋成や守部の様な批評家でない自分は、憂鬱な伝統知識のしの下に、何だか、不満な気分を抱いてゐたばかりであつた。其が、微かながら、跳ね返す力を得て来た訣である。
古代研究 追ひ書き (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
それから和歌山県海草郡有功いさお村大字六十谷むそたに及び同県那賀郡山崎村大字原では、昔から僧行基がおしえたと云う、『ふせ三昧』と称する葬法を用いている。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
体をおもしにして無理に押分けて行く、不意に針蕗が搦み付いてチクチク刺すには弱った。黒木の繁った二つばかりの突起が前面に現れる。
秋の鬼怒沼 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
体中に強いおもしを加えられているようで、息苦しかった。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
太子の姿がドアの奥へ消えるのを待ちかねたようにしてシャアは私の椅子に身体をのし掛けてほとんど顔を押しけんばかりにして声をひそませた。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
たう秦韜玉しんたうぎよく村女そんぢよに、もつともうらむは年々ねん/\金線きんせんつくらふ他人たにんためよめいり衣装いしやうつくるといひしはむべなる哉々々かな/\/\
屋台店にやうやく毛の生えたやうなおでん屋は、それでも羽目板にハゲチョロのペンキなど塗り、一押し押すとつぶれるぐらゐ小意気な角度に傾いてゐる。
盗まれた手紙の話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
又も無限の時空を抱擁ほうようしつつ、彼の頭の上にしかかって来るのを、ジリジリと我慢しながら……どこか遠い処で、ケタタマシク吹立ふきたてていた非常汽笛が、次第次第に背後に迫って来るのを
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ぽつちりと目をあいて見廻す瞳に、まづアツしかゝる黒い巌の天井を意識した。次いで、氷になつた岩牀イハドコ。両脇に垂れさがる荒石の壁。した/\と、岩伝イハヅタシヅクの音。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
まことにオソロしいと言ふことを覚えぬ郎女にしては、初めてまざ/″\と、オサへられるやうなコハさを知つた。あゝあの歌が、胸に生きカヘつて来る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)