“おも”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オモ
語句割合
37.0%
17.2%
11.3%
8.9%
5.8%
4.4%
3.7%
2.8%
2.5%
0.8%
0.6%
0.5%
0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
以為0.3%
0.3%
以爲0.3%
0.3%
0.2%
乳母0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
御漏0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
主要0.0%
予期0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
御守0.0%
御持0.0%
愛着0.0%
0.0%
0.0%
瞑想0.0%
観念0.0%
0.0%
追想0.0%
連想0.0%
重態0.0%
0.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たとえ、それをおもして、なつかしいとおもっても、ただ生活せいかつのまにまに、そのそのおくらなければならなかったのであります。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
女房かみさんは、よわつちやつた。可恐おそろしくおもいんです。が、たれないといふのはくやしいてんで、それにされるやうにして、またひよろ/\。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……おもうつりがするんだろうね。……だけど、そんなことを姉さんに言おうものなら、気にしそうだから、あたしゃ黙っているのさ。
三つの挿話 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
おのづから智慧ちゑちからそなはつて、おもてに、隱形おんぎやう陰體いんたい魔法まはふ使つかつて、人目ひとめにかくれしのびつゝ、何處いづこへかとほつてくかともおもはれた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
きん黝朱うるみの羽根の色をしたとびの子が、ちょうどこのむかいのかど棒杭ぼうぐいとまっていたのをた七、八年前のことをおもい出したのである。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
しかしおもなものや特色あるものは、ほぼ示しましたから、これで日本の手工藝の現状をあらまし知ることは出来るでありましょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「呆れた野郎だ、——お靜、大福餅を出してやつてしまひな。そいつは見込まれたものだ、他の者が喰ふと、八五郎のおもひで中毒する」
かく十二禽から切り離して十二支の名目を作ったは支那人の大出来で、暦占編史を初めその文化を進むるに非常の力を添えた事とおもう。
時としては目下の富貴ふうきに安んじて安楽あんらく豪奢ごうしゃ余念よねんなき折柄おりから、また時としては旧時の惨状さんじょうおもうて慙愧ざんきの念をもよおし、一喜一憂一哀一楽
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
おもへらく、天朝より教書を開板して天下に頒示するにかずと。余おもへらく、教書を開板するに一策なかるべからず。
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
『甲斐国志』能呂川の条に「河側に木賊多し、残篇風土記に、巨摩郡西隈本木賊とあり、おもふにこの川の古名なるべし」
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
内典ほとけのみのり興隆おこさむとおもふ。方将まさ寺刹てらを建てむときに、はじめて舎利を求めき、時に、汝が祖父司馬達等しばたちと便すなわち舎利をたてまつりき。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
お銀を妻とするについても、女をよい方へ導こうとか、自分の生涯しょうがいおもうとかいうような心持は、大して持たなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しようと、たとえば、千ポンドのおもりをつけようと、この風のなかは往けぬよ。しかし、氷罅クレヴァスをくだって洞を掘ったら、どうだ
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ひながらいましもなつかしき母君はゝぎみうわさでたるに、にしことどもおもおこして、愁然しゆうぜんたる日出雄少年ひでをせうねん頭髮かしらでつゝ
おもふに、赤猪子が一生お召を待つてゐたのは大命服従といふ如き道徳観念からのみではなく、天皇に対し一片の心火が燃え続けてゐたためであらう。
枕物狂 (新字旧仮名) / 川田順(著)
以為おもへらく両者の短歌全く標準を異にす、鉄幹ならば子規なり、子規是ならば鉄幹非なり、鉄幹と子規とは並称すべき者にあらずと。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
これに学問の独立を謀る所以の道ならん哉(謹聴、喝采)。おもうに、皇家をたすけ天下の学者を優待するは、内閣諸君の責なり。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
われはそのおのづから感動するを以爲おもへり。夫人は呼吸の安からざるを覺えけん、えりのめぐりなる紐一つ解きたり。
わたくしは昭和現在の時勢におもねる心で此れを言ふのではない。日本の自然のあらゆる物は子供の時からさういふ心持をさせてゐたのである。
冬日の窓 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
さりながら指折り数うれば最早もはや幾日かすぎぬ、奈良という事おもい起してはむなしく遊びるべきにあらずとある日支度整え勘定促し立出たちいでんというに亭主ていしゅあきれて、これは是は、婚礼もすまぬに。ハテ誰が婚礼。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なお、「悔しくも老いにけるかも我背子が求むる乳母おもに行かましものを」(巻十二・二九二六)というのもある。これは女の歌だが、諧謔かいぎゃくだから、女はいまだ老いてはいないのであろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
不断狂人きちがいになるほどねがっていたように、実際の金持になったり、美味うまいものをたらふく食ったり、美人からおもわれたりするよりも、今のこの歓びの方がどんなに尊いか知れない。
幻想 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
医者などは安らかな眠におもむこうとする病人に、わざと注射の針を立てて、患者の苦痛を一刻でも延ばす工夫をらしている。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
気象勇健な「アルゼリイ」種の馬匹ばひつが南佐久の奥へ入りましたのは、この時のことで。今日一口に雑種と称えているのは、おもにこの「アルゼリイ」種を指したものです。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
なかにはまた現世げんせ人達ひとたちに、いまここで御漏おもらししてはならないこともすこしはあるのでございまして……。
おもちち、甘くふくめる悲みは
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
『経律異相』四五には牧牛児あり常に沙門の経むを歓び聞く、山に入りて虎に食われ長者の家に生まる、懐姙中その母能く経を誦む、父この子の所為しわざと知らず鬼病もののけおも
外套のえりを三寸ばかりと返したら、左のそでがするりと抜けた、右の袖を抜くとき、えりのあたりをつまんだと思ったら、裏をおもてに、外套ははや畳まれて、椅子いす背中せなかを早くも隠した。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
是に於て名山大沢ことごとく霊あり。古廟叢祠また主者多し。けだおもふに、群生昏墊ぐんせいこんてん衆類冥頑しゅうるいめいがん、或は悪を長じて以てあらためず、或は凶を行うて自らほしいままにす。
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
しておもう、混淪こんりんの二気、初めて天地の形を分つや、高下三歳、鬼神の数を列せず。中古より降って始めて多端をはじむ。幣帛へいはくを焚いて以て神に通じ、経文を誦して以て仏にへつらう。
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
發輝はつきと申立て給はらば夫にて宜しと家主長助は忠兵衞をしかと談じ其のおもむきの一札を取置さればお光殿立歸りて訴訟の支度したくに及ばんなれども忠兵衞殿には御迷惑ごめいわくなる事に候はんとあつく禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さだめ伊豆守殿の方へ目配めくばせしつゝ越州ゑつしう御願おんねがひおもむき早速さつそく上聞じやうぶんに達し申さんと立て奧の方へいたり將軍の御前へ出て申あげける樣はおそれ乍ら言上仕り候此度このたび御下向おげかうにて芝八山の御旅館にまします天一坊樣御事は先達さきだつて伊豆守役宅へ御招き申上御身分とく御調おんしらべ申上しに恐れながら君の御面部めんぶ其儘そのまゝ加之しかのみならず御音聲迄ごおんじやうまでよく似遊にあそばしうり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
東金の寓舎にあっては「只道悪帰勝美遊」〔ただおもフ悪帰ハ美遊ニまさルト〕といい泉村を過ぎては「山風不管帰愁切。」〔山風管セズ帰愁切ナリ〕の語を洩した。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
受クル身/方外情深シ父親ニならブ/只おもフ金裟長ク眼ヲ慰ムト/何ゾ図ラン素服忽トシテ神ヲやぶル/登高ノ日是レ登天ノ日/称寿ノ人称仏ノ人ト為ル/此従これよリ重陽斎戒ニ過グ/吾ガ家歳歳佳辰ヲ廃サン〕
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
眼もて見るにあまりまばゆきうつくしさのやさしきおも
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
ひろき現世うつしよにさまよえるうつくしさのほのかなるおも
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
私たちは職業として、主要おも収入高とりだかと言えば、その全体と言わないまでも八九分までは謡の弟子だよ。弟子を取るんだよ。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
林は早速さっそく汽車に乗って。チャタムへ赴いた。製薬会社へいっていろいろ問合せて見たが、何分にも年月を経ているので、予期おもっていた程の収獲を得る事は出来なかった。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
自己を愛するということは自己におもねることではない、自己に寛大であることではない。真に自己を愛するものは、自己に対して最も峻厳であり残酷でさえある。
赤い壺(三) (新字新仮名) / 種田山頭火(著)
「ウーム、こう見ていると、背骨のずいまでこごえてきそうだ。こんな名刀をさしていた人の、若い姿がおもわれるなあ」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
体をおもしにして無理に押分けて行く、不意に針蕗が搦み付いてチクチク刺すには弱った。黒木の繁った二つばかりの突起が前面に現れる。
秋の鬼怒沼 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
気まま身ままのおもいものにしてやるなぞと、小娘のわたしをだましておいて、それを、それを
山県有朋の靴 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
「おこよをおもちゃにしようとして、狙っている様子でしたから、いっそのことと思って——。」
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形 (新字新仮名) / 林不忘(著)
いくらからかったって大丈夫、辞職して生徒をぶんなぐる事はない。辞職をする勇気のあるようなものなら最初から教師などをして生徒の御守おもりは勤めないはずである。主人は教師である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「あゝ/\、御持おもちなさいとも。なんなら使つかひたせてげませう」と叔母をば好意かういからまをえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
明晩とは今夜である銀之助はしみ/″\しづ不幸ふしあはせを思つた。しづは男に愛着おもはれた男を愛着おもふ女である。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
柱はなほ、余りに乾いたものとおもはれ
おもふにまかせてたはぶれけり。
 明けくれば 国のかためを 身もあらに 瞑想おもひこらしつ 天皇すめらぎの まさきせと おみなべて 和ぐ日をや 民なべて らふ時を
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
まごまごしているうちに、おれは棍棒でしたたか頸筋をどやされた。瞬間、もう駄目だと観念おもったね。何しろ突然なので、君等を呼ぶどころか、衣嚢かくしから短銃ピストルを抜くひまもなかったんだ。
「いつでも」と、いう態勢を整えたので、いよいよ許都を発しようとすると、長史董昭とうしょうおもねって彼にこうすすめた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蜀紅錦の陣羽織に黄金造りの太刀を佩き、手には軍扇、足には野袴、頭髪かみは総髪の大髻、武者草鞋わらじをしっかと踏み締めて、船首に立った其姿! 今から追想おもっても凛々しいでは無いか。
赤格子九郎右衛門 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大和やまとに住していた天国の作の、二尺三寸の刀身の、何んと、部屋の暗さの中に、煌々こうこうたる光を放していることか! その刀身の姿は細く、肌は板目で、女性を連想おもわせるほどに優美であり、にえ多く
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
故郷くににいる老母が寝ついて、今度はだいぶ重態おもいという気がかりならせだから」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はい、」と背後うしろむきに、戸棚へ立った時は、目を圧えた手を離して、すらりとなったが、半紙を抽出ひきだして、立返る頭髪かみおもそうに褄さきの運びとともに、またうなだれて、堪兼ねた涙が
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)