“おも”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オモ
語句割合
34.4%
16.5%
12.1%
9.5%
6.2%
4.8%
3.8%
3.1%
2.9%
1.0%
(他:98)5.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つたかづらおもふがまゝに這纏はひまとふたもん年中ねんぢゆうあけぱなしでとぢたことなく
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
なにがつて、もうすこうちのことや子供こどものことをかんがへてくだすつたつていいとおもふわ」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
眼も爪も全く生きた時のままに残した大きな虎の皮に、緋羅紗ひらしゃへりを取ったのがこの店のおもな装飾であった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
東京の郊外が田園の風趣を失い、市中に劣らぬ繁華熱閙ねっとうの巷となったのはおもに大正十二年震災あってより後である。
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
おもざしの葉子によく似た十三の少女は、汗じみた顔には下げ髪がねばり付いて、ほおは熱でもあるように上気している。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
おもだちは長年の放埒ほうらつすさんだやつれも見えるが、目もと口もとには散りかけた花の感傷的な気分の反映がある。
私は二、三歩動き出しながら、黒ずんだ葉におおわれているそのこずえを見て、来たるべき秋の花と香をおもい浮べた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
斯ういふ静寂しづかな、世離れたところに立つて、其人のことをおもひ浮べて見ると、丁度古蹟を飾る花草のやうな気がする。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
このきざはしの頂まで汝を導く權能ちからをさして今我汝に請ふ、時到らばわが苦患なやみおもへ。 一四五―一四七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
したがって、後日これを彼がおもいだすとき、ただ憶いだしたと云うだけでも腹立たしくなるような疵痕きずあとになった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
そこへオランダ代理公使ブロックと同国書記官クラインケエスも落ち合って見ると、公使一行のおもなものは都合六人となった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
おもにどんなことを考へていらつしやるのか、あの頭の中でどんなことが目論まれてゐるのか、それがひとつ知りたいものだて。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
おもはぬにいたらばいもうれしみとまむ眉引まよびきおもほゆるかも 〔巻十一・二五四六〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ひそかおもうに臣の孝康こうこう皇帝にけるは、同父母兄弟なり、今陛下につかうるは天に事うるが如きなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
おもうに、太平の世の国のかみが、隠れて民間に微行するのは、まつりごとを聞く時より、どんなにか得意であろう。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おもうに、人類――ことに東洋の――にとって、空は直ちにみそらであり天上であり、すでに立派に宗教概念の領域に属する。
踊る地平線:04 虹を渡る日 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
過去半年はんねん良人をつとおもふ為に痩せ細つた自分は、欧洲へ来て更に母として衰へるのであらうとさへ想はれる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
世間の親たちよ、うぐいす摺餌すりえを作る事が非常にむずかしきものと知らば小児の食物は一層大切なる事をおもえ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
諸王の入京会葬をとどめたる時の如き、諸王は皆おもえらく、泰皇考たいこうこうの詔をめて骨肉をへだつと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
僕の屑見せっけん、誠におもえらく、観望持重は、今の正義の人、比々ひひとしてみなしかり、これ最大の下策と為す。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
されど人間にありては、汝等のよく知る理由ことわりにもとづき、おもふこととあらはす力とその翼同じからず 七九―八一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
初め渋木生、えきして江邸にり、余の西遊に必らず故あらんとおもい、脱走して邸を出で余をわんと欲す。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
古、ところの漁夫、そぞろ好奇のこころにかりたてられ、洞窟のきはまるはてを探らむとおもひ、一日舟を進め入れたりしなり。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
私は今後六囘に亙つて此の題目の下に、過去の支那に現はれた四人の大人物、即ち孔子・始皇帝・張騫・諸葛亮四人の事蹟を紹介せうとおもふ。
その主人しゆじんうへおもふことくまでふかく、かくも眞面目まじめもの
お銀を妻とするについても、女をよい方へ導こうとか、自分の生涯しょうがいおもうとかいうような心持は、大して持たなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
以為おもへらく両者の短歌全く標準を異にす、鉄幹ならば子規なり、子規是ならば鉄幹非なり、鉄幹と子規とは並称すべき者にあらずと。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
霞亭は一家の想像説を立てて、藤房は北山より近江国三雲に往き、其後越前国鷹巣山に入り、其後土佐国に渡らむとして溺れたやうに以為おもつてゐる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
昨年の初夏此處を通つて初めて人懷かしいやうな思ひが胸に溢れて、軒竝の行燈が一々暖かい呼吸をしてゐるやうに覺えた其時のおもひが又胸に湧く。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
我母をおもひ、ドメニカをおもひ、フランチエスカの君をおもひ、我記憶の常に異ならざるを知りぬ。
それに腕金は端の方に、時計の振子を大きくしたような相当なおもりがついていたから、腕金を上げるのにかなり骨が折れた。
鍵から抜け出した女 (新字新仮名) / 海野十三(著)
捕鳥器ほてうきの用ゐ方は先づつかね有る方をにぎり、おもりの方を下にれ、手を中心として錘りを振り廻らすなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
しかしてその始めて狂歌を吟ぜしはおもふに明和めいわ三、四年のこう年二十歳のころなるべし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
おもふに、赤猪子が一生お召を待つてゐたのは大命服従といふ如き道徳観念からのみではなく、天皇に対し一片の心火が燃え続けてゐたためであらう。
枕物狂 (新字旧仮名) / 川田順(著)
熊楠十歳の頃、『文選』を暗誦して神童と称せられたが、近頃年来多くの女の恨みで耄碌もうろくし、くだんの魚瞰鶏睨てふ王褒の句が、『文選』のどの篇にあるかをおもい出し得ない。
さりながら指折り数うれば最早もはや幾日かすぎぬ、奈良という事おもい起してはむなしく遊びるべきにあらずとある日支度整え勘定促し立出たちいでんというに亭主ていしゅあきれて、これは是は、婚礼もすまぬに。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この極めて軽小なる事を以て、この極めて重大なるものとう、おもうに彼の眼中において果してみずから安んずる所あるか。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
おもふに生や師恩に私淑し、負ふところのものはなはだ多し。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
が、家庭の中では、母・妻・乳母おもたちが、いまだにいきり立って、そうした風儀になって行く世間を、のろいやめなかった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
子古の発つた後は、又のどかな春の日に戻つて、悠々うら/\と照り暮す山々を見せませうと、乳母おもが言ひ出した。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
又その素振そぶりや物腰ものごしには何かしら相手の好意と知遇におもねるようなところがある。
その半面には見物人におもねる卑屈な根性もみられる。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
島津齊彬なりあきら公其の眼光がんくわう烱々けい/\として人をるを見てぼん人に非ずと以爲おもひ、拔擢ばつてきして之を用ふ。
われはそのおのづから感動するを以爲おもへり。
なかにはまた現世げんせ人達ひとたちに、いまここで御漏おもらししてはならないこともすこしはあるのでございまして……。
ただ、その度に皮肉な御微笑を、あの癖のある御口元にちらりと御浮べになりながら、一言二言ひとことふたこと鋭い御批判を御漏おもらしになるばかりでございます。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
来ると自分をおもっている女が有りそうな、無さそうな、世の中が面白そうな、つまらなそうな、すごいようなつやっぽいような文句ばかり並べては帰る。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いまさかりなりおもふらくは
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
ここに〓貝比賣きさげ集めて、蛤貝比賣待ちけて、おも乳汁ちしると塗りしかばうるはしき壯夫をとこになりて出であるきき。
おもちち、甘くふくめる悲みは
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
子曰く、吾子を以て異(他事)を問うならんとおもいしが、さあらで由と求とのことをしも問えるか。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
『経律異相』四五には牧牛児あり常に沙門の経むを歓び聞く、山に入りて虎に食われ長者の家に生まる、懐姙中その母能く経を誦む、父この子の所為しわざと知らず鬼病もののけおもう、その子の前生に経を聞かせた僧往きて訳を話しその子生れて七歳道法ことごとく備わった大知識となったとある。
そういうと、その男は、机の抽斗ひきだしから名刺を出して、その裏に、すらすらと処方を書いてくれた。受取っておもてをかえして見ると、そこには「医師、春日行彦かすがゆきひこ」とあった。
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「外套は構わないんだ。しかしあつ過ぎるから脱ごうか」と中野君はちょっと立ち上がって、外套のえりを三寸ばかりと返したら、左のそでがするりと抜けた、右の袖を抜くとき、えりのあたりをつまんだと思ったら、裏をおもてに、外套ははや畳まれて、椅子いす背中せなかを早くも隠した。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私たちは職業として、主要おも収入高とりだかと言えば、その全体と言わないまでも八九分までは謡の弟子だよ。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
製薬会社へいっていろいろ問合せて見たが、何分にも年月を経ているので、予期おもっていた程の収獲を得る事は出来なかった。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
しておもう、混淪こんりんの二気、初めて天地の形を分つや、高下三歳、鬼神の数を列せず。
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
けだおもふに、群生昏〓ぐんせいこんてん衆類冥頑しゅうるいめいがん、或は悪を長じて以てあらためず、或は凶を行うて自らほしいままにす。
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)