“懷”のいろいろな読み方と例文
新字:
読み方割合
ふところ41.3%
なつ16.7%
なつか13.8%
いだ8.7%
ふとこ5.8%
おも5.1%
おもひ2.2%
なづ1.4%
いど0.7%
くわい0.7%
0.7%
だい0.7%
0.7%
ふとこれ0.7%
ツツミ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふところから手紙を出したりしてゐるだらう、雪駄直しの片手間に、使ひ屋にも頼めねえふみを預かつて居るんだね、細くねえ商法ぢやないか
きことにしてかねやらんせうになれ行々ゆく/\つまにもせんと口惜くちをしきことかぎくにつけてもきみさまのことがなつかしくにまぎれてくに
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人間からは、不信と排斥はいせきと侮辱とのみしか期待することの出來ない私は、親を慕ふ小兒のやうななつかしさを籠めて、自然に寄り縋つた。
將軍家のお聲懸りの利章を、忠之はどうすることも出來ぬが、かねいだいてゐた惡感情は消えぬのみか、かへつて募るばかりである。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
打越て堅石部かたいしべや草津宿草枯時くさがれどきも今日とくれ明日あしたの空も定め無き老の身ならねど坂の下五十三次半ば迄ふところの兒に添乳そへぢを貰ひ當なき人の乳を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かれほとん脚力きやくりよくおよかぎはしつた。かれはおつぎがうしろつゞかぬことを顧慮こりよするいとまもなかつた。かれ主人しゆじんおもつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
北方の故郷に在りし間、常に我おもひ往來ゆききせしものはこの景なり、この情なり。嘗て夢裡に呑みつる霞は、今うつゝに吸ふ霞なり。
老人らうじんくちをあいてわらひ、いやめづらしくもない、まゝあること、にはかゆき降籠ふりこめられると、ともはなれ、ねぐらまよひ、行方ゆくへうしなひ、じきゑて、かへつてひとなづる、これは獵師れふしあはれんで、生命いのちらず、ひえ
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
勘次かんじ時々とき/″\んだ麁朶そだ理由わけもなくつてることをつて不快ふくわいかんいどいてはこつそりとつぶやきつゝおつぎにあたるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あくうらに有者はてんこればつあくほかあらはるゝ者は人是をちうすとかやさても吾助は宅兵衞を易々やす/\ころくわい中の金五兩二分と脇指わきざしうばひ取其上足手搦あしてがらみなるお兼さへ其處に命を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
やが近所きんじよ壯者わかもの以前いぜんごと怪我人けがにんいた。醫者いしや先刻さつきのやうにして怪我けが人の恐怖きようふしたかほながらくちめてぎつといた。怪我人けがにんはぼぎつとおそろしいおとたてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
れいの石がちやんとしたよこたはつて居たので其まゝみ、石をだい濡鼠ぬれねずみのやうになつてにぐるがごとうちかへつて來た。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
〔譯〕ぜんは必ず事をし、けいは必ず人をづく。歴代れきだい姦雄かんゆうの如き、其ぬすむ者有り、一時亦能く志をぐ。畏る可きの至りなり。
「はてな、ふとこれえたはずだつけが」とかね博勞ばくらうふところから周圍あたりさがしてそばちたちひさな紙包かみづゝみにして
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その時の使者の復命に、『書經』に堯時代の洪水の有樣を記してある文句をその儘に、蕩蕩ツツミノボル陵と述べて、大眼玉を頂戴した笑話がある。
支那人の文弱と保守 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)