“妻”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
つま37.4%
さい34.0%
5.7%
かない5.3%
めあ3.4%
づま2.3%
2.3%
めあわ1.9%
めと1.5%
あれ0.8%
(他:15)5.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分じぶんつまが、いやだ/\となかのことをいふにつれて、いやおもはれるこのよといふのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
武者むしやぶりいて、これをなじるに、つま綾羅りようらにだもへざるさまして、ちつともらずとふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おっとほそくして、じっとやさしみのある子供こどもけて、つま言葉ことばにうなずくのでありました。
星の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「千枝子さんは旦那様思いだから、自然とそんな事がわかったのでしょう。」——僕のさいなぞはその当座、こう云ってはあいつをひやかしたものだ。
妙な話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
忠「久しく遊びに参りませんよ、さいが歿して二年越し独身で居ります……参りたいな、金子を戴いて待っている間、赤い切れと寝ているなどは有難い」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
源次 だがのう。一とうしょうさいというて、盗み食いする味は、また別じゃというほどに、人の女房とても捨てたものではない。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
ここに天の日矛、そのの遁れしことを聞きて、すなはち追ひ渡り來て、難波に到らむとするほどに、その渡の神へて入れざりき。
「畜生呼ばわりは、おいてくれ。沙金しゃきんは、おぬしばかりのかよ。次郎殿のでもないか。されば、弟のをぬすむおぬしもやはり、畜生じゃ。」
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それ故 やごとなき君王のに等しきは我がごと一人思はるゝこと といふ歌もあり又 天地に一人を恋ふと云ふよりも宜しき言葉我は知らなく などいふのもある。
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
ガクガクする膝頭を踏み締め踏み締め腰を抱えて此家ここへ帰りまして「お医者お医者」とかないに云いながら夜具をかぶって慄えておりました。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
打ち打擲ちょうちゃくはまだしもの事、ある時などは、白魚しらおの様な細指を引きさいて、赤い血が流れて痛いのでかないが泣くのを見て
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
「大丈夫と思います。今夜、ここへ伺った事は誰も知りませんし……それにかないがズット前、姫草に指環を一つ買って遣るって言った事があるそうですから……」
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「ほんとうにねえ」と、文字春も溜息をついた。「いっそ貰い子が男だと、めあわせるということも出来るんだけれど、みんな女じゃどうにもなりませんわね」
半七捕物帳:16 津の国屋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
また西アフリカのホイダー市には、近世まで大蛇をまつり年々クラブを持てる女巫みこ隊出て美女を捕え神にめあわす。
橋本の嗣子あととりが亡くなったので、実弟の谷さんを順養子じゅんようしにして、いさちゃんをめあわしたのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
次手ついでに云うと、この歌の一つ前に、「あしひきの山椿やまつばき咲く八峰やつを越え鹿しし待つ君がいはづまかも」(巻七・一二六二)というのがある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
いまはゝ父親てゝおや上役うわやくなりしひとかくづまとやらおめかけとやら、種々さま/″\いはくのつきし難物なんぶつのよしなれども
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さむき日をひねもすくりやにおりたちてわれにいひはますわれのづま十一月十八日
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
オヤ(母)神に対して、乳母神オモカミをば(小母)と言ったところから、母方の叔母すなわち、父から見たという語ができた。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ひるめと言ふのは、日の即、日の神の・后と言ふことである。ひるめのるは、のである。水の神の后を、みぬめ又は、みるめと言ふのと同じである。
古代人の思考の基礎 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
同時に、斎女王を持つ東海の大国にあつた、神と神のなる巫女と、其子なる人間との物語は、琉球の説話にも見る事が出来るのである。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
これは光広卿が幽斎公和歌の御弟子にて、嫡子ちゃくし光賢みつかた卿に松向寺殿の御息女万姫君まんひめぎみめあわせ居られそろゆえに候。
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
奥方は小笠原おがさわら兵部大輔ひょうぶたゆう秀政ひでまさの娘を将軍が養女にしてめあわせた人で、今年四十五歳になっている。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
この養子つばきはくごとに金を吐く、老人その金を国王に呈し、王女を養子にめあわさんと願う。
アリヤヌスの『印度記インジカ』に、ヘラクレス老いて一女あったが相当な婿なし、王統の絶ゆるをおそれ自らその娘をめとったとある。
さてその紳士その美人を娶れば娶り得るはずだったが、利に走る世の習い、その美人よりも富んでさほどの標緻きりょうを持たぬ女をめとったとは、歎息のほかなし。
昔インドの王子、朝夕ごとにわれに打たるる女をめとらんというに応ずる者なし。
僕は妻に幾度も過去をすっかりうち明けてくれと頼んだのです。実際僕はあれの過去をすっかり知りたかった、ほんとうに愛したいためにです。然し妻はいつも、もう忘れてしまった過去のことを今新らしく思い出さして下さるなと答えるきりです。それが僕を益々苛ら苛らさしたのです。
囚われ (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「いや全くの孤独というものを僕は信じません。実際僕は自分を見る時、自分のうちに妻の……そうですね、匂い、息、いや兎に角何かを見出すんです。僕のうちにはあれの肉体が深く喰い込んでいます。それにどうでしょう、僕の心とあれの心とは全く背中合せに反対の方を向いているんですからね。」
囚われ (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
——この脅迫状のことを、私の妻が突然話題にしたのです。江戸川さんの小説では、この気味の悪い手紙の主は、実は平田とかいう男ではなくて、小山田夫人静子その人だった。夫人の変態性へんたいせいがこの手紙を書かせ、夫との夜の秘事に異常な刺戟しげきを与えたというのでした。——私のあれは、最後にこんなことをいたことを覚えています。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
お露をかかに持って島の者にならっせ、お前さん一人、遊んでいても島の者が一生養なって上げまさ、と六兵衛が言ってくれた時、うれしいやら情けないやらで泣きたかった。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「実はその、何です。この一月ばかり病気をやってな、それで家内が連れて此家ここへ来ているですて。いや千々岩さん、かかだの子だの滅多に持つもんじゃないね。金もうけは独身に限るよ。はッははは」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「先生は一度かかを持たことが有るに違いなかろう」
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
五十の時、かみさんに死なれたので、たつた一人子の京内きやうないれて、山の奥の奥に行つて、毎日々々木をつて、それを炭に焼いてゐました。
熊と猪 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
戻って柳橋の袂を往復ゆきかえりして、淡紅色ももいろ洋脂ぺんきが錆にはげた鉄欄の間から、今宵は神田川へ繋り船のかみさんが、桶をふなばたへ載せて米を磨いで居る背中に
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
事情ありて十年来鴫沢に寄寓きぐうせるこの間貫一はざまかんいちは、此年ことしの夏大学にるを待ちて、宮がめあはせらるべき人なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
茶山は女姪ぢよてつ井上氏を以て霞亭にめあはせ、しづか菅三万年くわんさんまんねんの長ずるを待たうとした。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
茶山の蘭軒に与へた書には、茶山がまさ妹女まいぢよ井上氏を以て霞亭にめあはせむとしてゐることが見えてゐた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
このあたりにも、当然、噂は来ている筈だ。思うに、近親の者たちが、連れあいを失ったこの老父に、更に息子の仕えている藩の大変を知らせては、余りにも傷ましいと考えて、秘していたのかもわからない。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旅のおかたと唄はれて
別後 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
遺産は全部おばの所有となり、妻はあと片附けをすっかりすませると、故郷くにのイタリーへ帰って往ってしまいました。
鉄の処女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
幸「今日は其の催促じゃアないよ、の時ぎりでお目にかゝらないから、これが心配して」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
幸「今日はお開帳へまいって、人込で逆上のぼせたから平清ひらせいで支度をして、帰りがけだが、今夜は柳島へ泊るつもりで、近所を通るついでに、これが親方に近付になりたいと云うから、お邪魔に寄ったのだ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そのみめ須世理毘賣を負ひて、すなはちその大神の生大刀いくたち生弓矢いくゆみや一三またその天の沼琴ぬごと一四を取り持ちて
ここにそのみめ須世理毘賣すせりびめは、はふりもの一〇を持ちて哭きつつ來まし、その父の大神は、すでにせぬと思ほして、その野に出でたたしき。
かりそめにもぬしある人のものから艶書を持って来て返事をやるような文治と心得てるか、なんの為に文治の所へ来て居る、わりゃア畳の上じゃアしねねえから、これから真人間になって曲った心を直すからと云うので
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
家郷追放カキョウツイホウ吹雪フブキナカツマトワレ、三人サンニンヒシト
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「じつは絲満をやったのは僕のフラウなんだ」
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
是に其ミメ須勢理毘売命、蛇の比礼ヒレを其夫に授けて、申し給わく、其蛇わんとせば、此比礼を三度振りて、打ハラい給えと詔給う。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)