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妻
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さい
ふりがな文庫
“
妻
(
さい
)” の例文
「昔いた女中頭の清というのが又来て総取締りをやっています。社長の気に入りですから、都合が好いです。
妻
(
さい
)
も時々見に行きます」
人生正会員
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
妻
(
さい
)
の出た跡で、更に酒を呼んだ宗右衛門は、気味の悪い
笑顔
(
えがお
)
をして五百を迎える。五百は
徐
(
しずか
)
に
詫言
(
わびごと
)
を言う。主人はなかなか
聴
(
き
)
かない。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
見られ下谷山崎町家持五兵衞
悴
(
せがれ
)
五郎藏其方
年
(
とし
)
は
何歳
(
なんさい
)
になるや
又
(
また
)
妻
(
さい
)
はあるかと尋ねらるゝに五郎藏はひよくりと
天窓
(
あたま
)
を
上
(
あげ
)
じろ/\
四邊
(
あたり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
婦人は鼻をつまらせつつしみじみ話す。自分は
床柱
(
とこばしら
)
にもたれてぼんやりきいている。
妻
(
さい
)
は
頭
(
かしら
)
をたれている。日はいつか暮れてしもうた。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
元来自分と
妻
(
さい
)
と重吉の間にただ「あのこと」として一種の
符牒
(
ふちょう
)
のように通用しているのは、実をいうと、彼の縁談に関する件であった。
手紙
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
『
留守中
(
るゐちう
)
これは
失禮
(
しつれい
)
でした。
妻
(
さい
)
が
居
(
ゐ
)
ませんので、
女中
(
ぢよちう
)
ばかり‥‥や、つまらん
物
(
もの
)
を
差上
(
さしあ
)
げて
恐縮
(
きようしゆく
)
しました』と
花竦薑
(
はならつきやう
)
を
下目
(
しため
)
で
見
(
み
)
る。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
そんな者と話の合いようが無かろうじゃないか。
噫
(
ああ
)
、年
甲斐
(
がい
)
もない、
妻
(
さい
)
というものは
幾人
(
いくたり
)
でも取替えられる位の了見でいたのが大間違。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「およそ
人心
(
じんしん
)
の
裏
(
うち
)
絶
(
た
)
えて
無
(
な
)
きのこと、
夢寐
(
むび
)
に
形
(
あらわ
)
れず、
昔人
(
せきじん
)
謂
(
い
)
う、
男
(
おとこ
)
、
子
(
こ
)
を
生
(
う
)
むを
夢
(
ゆめ
)
みず、
女
(
おんな
)
、
妻
(
さい
)
を
娶
(
めと
)
るを
夢
(
ゆめ
)
みず、この
言
(
げん
)
良
(
まこと
)
に
然
(
しか
)
り」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
と、
随喜渇仰
(
ずいきかつごう
)
の有様なのだ。そこでその
妻
(
さい
)
のろ振りがまた、さあ町じゅうのいい笑い草となった。いや岡焼きも手つだっていよう。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天保
(
てんぽう
)
十四年生まれの母上の方が明治十二年生まれの
妻
(
さい
)
よりも育児の上においてむしろ開化主義たり急進党なることこそその原因に候なれ
初孫
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
またその時予が
妻
(
さい
)
に
向
(
むかっ
)
て、今日福沢諭吉は
大丸
(
だいまる
)
ほどの
身代
(
しんだい
)
に成りたれば、いつにても予が宅に来て数日
逗留
(
とうりゅう
)
し、意を
慰
(
なぐさ
)
め給うべしとなり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
「大きに
御尤
(
ごもつとも
)
だ。だが
下婢
(
げぢよ
)
は
下婢
(
げぢよ
)
、
妻
(
さい
)
は
妻
(
さい
)
さ。
下婢
(
げぢよ
)
で用が足りる位なら、世間の男は誰だツてうるさい
妻
(
さい
)
なんか持ちはしない。」
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
もし
妻
(
さい
)
がいつまでも色男をこしらえなかったら、わたしはおそらく自分から、色男を引っ張って来てやるだろうと思いますよ。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
つまり、余り突然だと云うのだね、
妻
(
さい
)
の心持で云えば、斯う云うことを云う前に、何とか、前からのことの定りがつくべきであると云うのだ。
二つの家を繋ぐ回想
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
早い話が、わざわざおいでなすったんで、茶でも進ぜたい、進ぜたい、が、早い話が、家内に取込みがある、
妻
(
さい
)
が煩うとる。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
夕
(
ゆうべ
)
妾は
遂
(
つい
)
に藤井夫婦に打ち明けて東上の理由を語りぬ。
妻
(
さい
)
は深く同情を寄せくれたり、藤井も共に
尽力
(
じんりょく
)
せんと誓いぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
到底
(
どうせ
)
貰
(
もら
)
う事なら親類
某
(
なにがし
)
の次女お
何
(
なに
)
どのは
内端
(
うちば
)
で
温順
(
おとなし
)
く器量も十人
并
(
なみ
)
で私には至極
機
(
き
)
に入ッたが、この
娘
(
こ
)
を迎えて
妻
(
さい
)
としては
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
貫く
根元
(
ねもと
)
から。それから、行つて見たかや
田沢
(
たざは
)
の
湖
(
うみ
)
へ、そこの
浮木
(
うきぎ
)
の下のみづ。かういふのは幾らでも出ます。校歌の方は一遍
妻
(
さい
)
に書かせてみます
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
移住後は滋養の為めとて在東京周助
妻
(
さい
)
より蒲焼及び鯛サワラ等の味噌漬其他舶来品の滋養物を絶えず送られて好みつつ喰するも、次第に衰弱せり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
主人の
妻
(
さい
)
は長二郎に女房の世話を致したいと申して居りましたから、
私
(
わたくし
)
の考えますには、其の事を長二郎に話しましたのを長二郎が
訝
(
おか
)
しく
暁
(
さと
)
って
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
常に山頂の風力の強暴なるに似ず、日光の
朗
(
ほが
)
らかなるを見て、時として
妻
(
さい
)
などはもし空気が目に見ゆるものならば、この
烈
(
はげ
)
しき風を
世人
(
せじん
)
に見せたし
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
「千枝子さんは旦那様思いだから、自然とそんな事がわかったのでしょう。」——僕の
妻
(
さい
)
なぞはその当座、こう云ってはあいつをひやかしたものだ。
妙な話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
妻
(
さい
)
にして呉れ、妻にして呉れ」と、いつに無くこは張つたからだを、幾度も、かの女は義雄に投げつけた。「して呉れんと、殺すぞ」とも
威
(
おど
)
かした。
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
一
盗
(
とう
)
二
妾
(
しょう
)
三
婢
(
ひ
)
四
妻
(
さい
)
というて、盗み食いする味は、また別じゃというほどに、人の女房とても捨てたものではない。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
第一、私は一生
妻
(
さい
)
といふ者は
決
(
け
)
して持たん覚悟なので。御承知か知りませんが、元、私は書生でありました。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
彦右ヱ門并に馬一疋
即死
(
そくし
)
、
妻
(
さい
)
と
嗣息
(
せがれ
)
は半死半生、浅右ヱ門は父子即死、
妻
(
さい
)
は
梁
(
うつばり
)
の下に
圧
(
おさ
)
れて死にいたらず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
だッて牢屋には
肝腎
(
かんじん
)
の藻西太郎が居るだろうじゃ無いか細「でも貴方、藻西に逢た所で別に利益は
無
(
なか
)
ッたでしょう、
夫
(
それ
)
よりは何故直に藻西太郎の宅へ行き
其
(
その
)
妻
(
さい
)
を ...
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
その宿直室には、校長の安藤が家族——
妻
(
さい
)
と二人の小供——と共に住んでゐる。
朝飯
(
あさめし
)
の
準備
(
したく
)
が今
漸々
(
やうやう
)
出来たところと見えて、茶碗や皿を
食卓
(
ちやぶだい
)
に並べる音が聞える。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
是等を見る時は、小生の
妻
(
さい
)
が貞操を守りし者なること十分に証明せらるるものと存ぜられ候。嗚呼我が愛する妻よ、御身は小生が先立ちて死することを許さる可く候。
アンドレアス・タアマイエルが遺書
(新字旧仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
「……で甚だ恐縮な訳ですが、
妻
(
さい
)
も留守のことで、それも三四日中には屹度帰ることになって居るのですから、どうかこの十五日まで御猶予願いたいものですが、……」
子をつれて
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
とても帰られなくなりて今欧洲の
大都
(
たいと
)
に遊ぶ人の心の如くに日本を
呪詛
(
じゅそ
)
せしものと存候このつぎ御来遊のせつは御一所に奈良へ出かけたきものに候
妻
(
さい
)
よりよろしく 匆々
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
それだからヂックを勤めたカアソンという役者が、批評家に
智恵
(
ちえ
)
を附けられて、ジックは牧師の
妻
(
さい
)
を愛しているので、それで牧師の身がわりに立ったということにした。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
夫人の一人は士官の
妻
(
さい
)
で、今一人は地主の妻である。三人目の女は地主の
同胞
(
どうはう
)
で未婚の娘である。さて四人目の女が一度離婚したことのある人で、器量が好くて財産がある。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
どうぞわたくしにもお
免
(
ゆるし
)
下さい。わたくしはあの男を水の中から救ひ出しながら、
妻
(
さい
)
リイケを辱めた奴だと気が附くや否や、それが厭になつて、復讐をしようと思ひました。
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
「
妻
(
さい
)
を
死
(
し
)
なせるくらいなら、まア、どうなってもいいや、その
菜
(
な
)
を
取
(
と
)
って
来
(
き
)
てやろうよ。」
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
倘
(
も
)
し
強
(
し
)
ひてシバルリイを我が平民界の理想に応用せんとせば、侠と粋(侠客の恋愛に限りて)とを合せ含ましめざる可からず、侠客の
妻
(
さい
)
を取りて研究せば、得るところあらむ。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
それから見るとおとよさんなんかは、こうと思い定めた人のために、どこまでも情を立てて、親に
棄
(
す
)
てられてもとまで覚悟してるんだから、実際
妻
(
さい
)
にも話して感心していますよ
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
あの服部の浪子を
妻
(
さい
)
にしてから。うちへかえってもかんがえるようなことはないのさ。何か読書でもしていて気の尽きる時には。琴を
弾
(
ひ
)
かせたり茶を入れさせたり。少しは文学の相談もしたり。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
隣室で小供といっしょに寝ていた
妻
(
さい
)
が、
昨夜
(
ゆうべ
)
遅くお客さんがありましたね、長いこと何か話してましたね、それからお客さんのかえりに、
貴方
(
あなた
)
がお客さんに
挨拶
(
あいさつ
)
をして、玄関の戸を締めたことを
雨夜草紙
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
かれは、そつとわたしに耳打ちして、
妻
(
さい
)
が鳥を食ふのが殆ど病気であること、先日はニイスあたりの白魚といふ
渉水禽
(
みづどり
)
をとりよせたことなど、自慢らしく言つてかへつていつた。するとなぜだらう。
希臘十字
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
僕が
先
(
さ
)
つき心を怡ましむるに足る情人と云つたのは此女だ。名はジユリエツトと云つて、フランス産である。同胞の女がアメリカ人の
妻
(
さい
)
になつてゐる。僕は去年ボスポルスに旅行した時出逢つたのだ。
不可説
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
「だって、お前が優しい
妻
(
さい
)
だと云うことをさ」と、ボブは答えた。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
出てから、しばらくはあの娘の生れたことも知らなかったくらいで、私なぞもごく幼さい時から別れていましたんで、
妻
(
さい
)
なぞは、あの娘が母と一緒に上京してきた時になって、はじめてこんな妹があったのかと、驚いたくらいでしてね……
草藪
(新字新仮名)
/
鷹野つぎ
(著)
幸に妙了の
女姪
(
めい
)
が一人
富田十兵衛
(
とみたじゅうべえ
)
というものの
妻
(
さい
)
になっていて、夫に
小母
(
おば
)
の事を話すと、十兵衛は快く妙了を引き取ることを諾した。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
着
(
つけ
)
られしかば斯の如く
後
(
あと
)
へ廻されしなり
然
(
さ
)
れば
先
(
まづ
)
再び
馬鹿子息
(
ばかむすこ
)
五郎藏を
糺
(
たゞ
)
さんと思はれ越前守殿コリヤ五郎藏其方の
妻
(
さい
)
は何故
汝
(
なんぢ
)
が
家
(
いへ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
第一かけた当人がわが
妻
(
さい
)
であるという事さえ
覚
(
さと
)
らずにこちらからあなたという敬語を何遍か繰返したくらい
漠然
(
ぼんやり
)
した電話であった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
母
(
おっか
)
さまは、千々岩はあの山木と親しくするから、お豊を
妻
(
さい
)
にもらったらよかろうッて、そうおっしゃっておいでなさいましたよ」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「会社のものばかりなら何うでも構いませんが、
他
(
わき
)
からも大勢見えるのです。しかし
妻
(
さい
)
が
御幣
(
ごへい
)
を担ぎますから、仰せに従いましょうかな」
女婿
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
まして
品行
(
みもち
)
の噂でも為て、忠告がましいことでも言おうものなら、母は何と言って怒鳴るかも知れない。
妻
(
さい
)
が自分を止めたも無理でない。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
何故
(
なぜ
)
?………
俺
(
おれ
)
だツて
其樣
(
そん
)
なに
非人情
(
ひにんじやう
)
に出來てゐる人間ぢやないぞ。
偶時
(
たま
)
には
妻
(
さい
)
の機嫌を取ツて置く必要もある位のことは知ツてゐる。」
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
“妻”の解説
妻(つま)は、女性の配偶者を示す言葉である。
(出典:Wikipedia)
妻
常用漢字
小5
部首:⼥
8画
“妻”を含む語句
後妻
老妻
吾妻
妻覓
亡妻
妻子
妻君
梵妻
新妻
妻妾
妻籠
吾妻鏡
妻女
妻恋
吾妻山
下妻
夫妻
愛妻
吾妻川
嫡妻
...