“盗”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
53.0%
ぬす32.4%
3.7%
とう3.7%
ぬすみ3.2%
ヌス0.9%
くす0.5%
どろぼう0.5%
0.5%
ぬすと0.5%
ぬすまれ0.5%
ぬすん0.5%
トウ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お勢さん、あきらめなすったら? そんなものをったって何にもならないし、手に戻ったところで仕様がないじゃありませんか」
勿論学んでつくしたりとは言はず。かつ又先生に学ぶ所はまだ沢山たくさんあるやうなれば、何ごとも僕にぬすめるだけは盗み置かん心がまへなり。
田端人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
井戸辺いどばたに出ていたのを、女中が屋後うらに干物にったぽっちりのられたのだとサ。矢張やっぱり木戸が少しばかしいていたのだとサ」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
とうしょうさいというて、盗み食いする味は、また別じゃというほどに、人の女房とても捨てたものではない。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
しかし貧乏人に人間の義務といふものを教へてつたり暮しの立つ様に家業を見つけてやつたりして、貧に迫られて、ぬすみをしない様に世話をしてやれば
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
女房ニョウボウノヘソクリヌスンデ短銃タンジュウウガゴトキトキメキ、一読イチドク、ムセビイテ、三嘆サンタン、ワガクダラナクキタナカベアタマチツケタキオモイ、アア、キミ姿スガタノミ燦然サンゼンマワリノハナ石坂君イシザカクン
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
右の手で金を出すてえと、屹度左の手は物をくすねて居やあがる。両手で金を出すてえ奴は居無え、両手で物を盗ねる奴も居無えや。余っ程こんがらかって出来て居やあがる。
かんかん虫 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
丸で粉なやのどろぼうのやうですよ、オホ……オヤこのこは泣くよ、何が悲しいんだへ、……しかし思へば尤だよ、こんな働のないものを亭主に持て、ろくに物見遊山もできず、おまけに私のやうな
五大堂 (新字旧仮名) / 田沢稲舟(著)
「何か人の物をすんだことがあったろうか?」
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もし小僧が吩付いいつけられた時分にいやがってやらないと、何かにかこつけて太い棒でぶんぐられる。小僧は擲ぐられるよりぬすとをする方が楽ですからその命に従って盗をやる。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
人これを知るゆゑ、かれにぬすまれじとて人智を以てかまへおけども、すこしのうばひ喰ふ、其妖術そのえうじゆつ奇々怪々き/\くわい/\いふべからず、時としてかれがくるとこざるはねずみのごとし。
れは船の中で役に立ちそうな物だとおもって、一寸ちょいと私がそれぬすんで来た。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
唐ノ頃、トウアリ、先主ノツカアバク。トウ数名。ヒトシク入リシニ、人アリ、燈下ニ対シテヲ囲ムモノ両人、側ニ侍衛ジエイスルモノ十数名ヲ見ル。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)