“沢山”のいろいろな読み方と例文
旧字:澤山
読み方(ふりがな)割合
たくさん68.1%
たんと20.8%
どつさり1.7%
うんと1.0%
ぎょうさん1.0%
だくさん1.0%
どっさり1.0%
うん0.7%
たっぷり0.7%
いくら0.3%
(他:11)3.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“沢山”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸58.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語5.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)4.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
現在の鶴見地獄は沢山たくさんの熱湯を噴出している形だが、これも熱い熱汽の中に人工的に水を加えているのだとのことである。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
さてこんな工合で、あまがえるはお代りお代りで、沢山たくさんお酒を呑みましたが、呑めば呑むほどもっと呑みたくなります。
カイロ団長 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
沢山たんと、待たせてさ。」と馴々なれなれしく云うのが、遅くなった意味には取れず、さかさまうらんで聞える。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そうさね、煮え切ってぴんぴんしているものは沢山たんとないようだ。御互も、こうやって三十年近くも、しくしくして……」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
光村利藻氏がまだ全盛を極めてゐた頃、その須磨の別荘には、色々な骨董物が沢山どつさり置かれてあつた。
殿様がこの場合鳴門の瀬戸を思ひ出したのは賢い方法で、人間ひとの力で自由にならないものは沢山どつさりあるのだから、その中からどんな物を引合ひに出さうと自分の勝手である。
硯と殿様 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
(木ペンかばの木に沢山うんとあるじゃ)キッコはふっとこう思いました。
みじかい木ぺん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
叔父は上框あがりがまちに突立つて、『悪いなら悪いと云へ。沢山うんと怒れ。うなの小言など屁でもねえ!』と言つて、『馬鹿野郎。』とか、『この源作さんに口一つ利いて見ろ。』とか、一人で怒鳴りながら出て行く。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
毎日それが続いて、たとえばおからの煮ものを持って行くにしても、それには沢山ぎょうさん海老がはいっていると、近所のひとびとは喧しく取沙汰した。
婚期はずれ (新字新仮名) / 織田作之助(著)
こら昔何とか大夫だゆうちう浄瑠璃のお師匠はんがひらいた店でな、一杯山盛やまもりにするより、ちょっとずつ二杯にする方が沢山ぎょうさんはいってるように見えるやろ
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
少しばかり散財ざんざいを仕ようと、味噌吸物みそずいものに菜のひたし物香物こう/\沢山だくさんという酷いあつらえもので
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もちろん古くからある言葉ほど、変化の機会は多かったわけだが、事によるとその変遷へんせんは後々のものでなく、最初から名前沢山だくさんに生れ付いていたのかも知れない。
あの茂太郎がそう言いました、大暴風雨のある前には、蛇が沢山どっさり樹の上へのぼるんだそうですがね、本当でしょうか知ら、まあ
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
 きっとお土産を沢山どっさり抱えて来るに違いないわ。
旅人 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「他殺か何かなら、それ位のことをやって見る張り合いがあるけども、自殺じゃ詰らんからネエ……まだ他に事件が沢山うんとあるもんだからトテも忙がしくて……」
空を飛ぶパラソル (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ツからきつねでなければさうにもないやつぢやが、其処そこはおらがくちぢや、うまく仲人なかうどして、二つきや三つきはお嬢様ぢやうさま御不自由ごふんじよのねえやうに、翌日あすはものにして沢山うん此処こゝかつんます。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
色気沢山たっぷりでございます。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
事務に懸けては頗る活溌かっぱつで、他人の一日分沢山たっぷりの事を半日で済ましても平気孫左衛門、難渋そうな顔色かおつきもせぬが、大方は見せかけの勉強ぶり、小使給事などを叱散しかりちらして済まして置く。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
世の中には軽蔑しながらもこわいものが沢山いくらもある。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「せっかく、雨の中を沢山えっと歩きまわったにのう」彼は合羽かっぱをゆすりあげていった。
演技の果て (新字新仮名) / 山川方夫(著)
婆「有難う…おや/\まアれだけおくんなさいますか、まア此様こんな沢山えら結構なお菓子を」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
多「へい、わし十年の間粉炭こなずみを拾い集め、明き俵へむやみに詰め込んで、拝借致しやしたおおきい明き納屋へ沢山えらく打積ぶッつんで有りやすから、あれで大概たいげえ宜かんべいと思って居りやす」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「儲けろ 沢山たんとな 立派人いいひとになってれ」
飢えたる百姓達 (新字新仮名) / 今野大力(著)
あれは娘分なんでげすが、彼処あすこばゝあほど運のい奴はありません、無闇に金ばかり溜めて高利を取って貸すんでげすが、二つき縛りで一割の礼金で貸しやアがって、の位の者は沢山たんたア有りませんね
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お梅の実の親のおかめが泊って居るのさ、沢山どっしり金を持ってる様子だが、丹治が己を切ってしまいそうな権幕だったから、改心して尼に成ったと云い、兄いはお縄を受けて牢死したと云って置いたのに、兄いの事を云っちゃアばけの皮が現われるじゃアねえか
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
『さあ、沢山どつしり入れろ——一わたりよ、二わたりよ。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「でもね、娑婆気しゃばっけだの、洒落しゃれだの、見得だの、なんにもそんなわざとでなしに、しようと思って、直ぐあの中へ、頭からお宝を撒ける人は、まあ、沢山なんとほかには無い。——おこうさんばかりなんだよ。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何に田舎いなかでこそお梅さんは美人じゃが東京に行けばあの位の女は沢山やれにありますから後の二人だってお梅さんばかりねらうてもおらんよ
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
仮令よしや時計を見たって三十分も四十分も違ってるのが沢山ザラだから駄目ですヨ
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
さう言ふことが、この人の見た日本の過去の文学の上にもあつて、「堀君」「堀君」と沢山タクサンさうに、友だち扱ひにしてゐるのが、すまない気持ちになることが、始終ある。
『かげろふの日記』解説 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)