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沢山
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たくさん
ふりがな文庫
“
沢山
(
たくさん
)” の例文
旧字:
澤山
勿論学んで
悉
(
つく
)
したりとは言はず。
且
(
かつ
)
又先生に学ぶ所はまだ
沢山
(
たくさん
)
あるやうなれば、何ごとも僕に
盗
(
ぬす
)
めるだけは盗み置かん心がまへなり。
田端人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
併
(
しか
)
しこれは直接音楽と関係のある筋ではなく、その位の事なら、まだ他にも
沢山
(
たくさん
)
あるだろうと思う、例えばヴァイオリンの胴の中に
探偵小説と音楽
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ほとりの樹木など
沢山
(
たくさん
)
に
枯死
(
こし
)
しているのはその
熱泥
(
ねつでい
)
を吹き上げた
処
(
ところ
)
である。赤い泥の
沸々
(
ふつふつ
)
と煮え立っている光景は相変らず物すごい。
別府温泉
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
ネネムのすぐ前に三本の
竿
(
さお
)
が立ってその上に細長い
紐
(
ひも
)
のようなぼろ切れが
沢山
(
たくさん
)
結び付けられ、風にパタパタパタパタ鳴っていました。
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
纔
(
わづか
)
に六畳と二畳とに過ぎない部屋は三面の鏡、二脚の椅子、芝居の衣裳、
鬘
(
かつら
)
、小道具、
其
(
それ
)
から青
枯
(
が
)
れた
沢山
(
たくさん
)
の
花環
(
はなわ
)
とで
埋
(
うづ
)
まつて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
それについては私ども
沢山
(
たくさん
)
実験がある。その実験の一つを諸君に御話しすることが必要である。多分知っている御方もあるだろう。
明治文明史上に於ける福沢翁
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
「でも大江山さん、
沢山
(
たくさん
)
の貴方の部下が警戒していなさるのですものネ。私が申したんじゃお気に
障
(
さわ
)
ることは分っていますからネ」
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
沢山
(
たくさん
)
生
(
は
)
える、
何処
(
どこ
)
にもあるからということが価値の標準となるとすれば、
飽
(
あ
)
きっぽくて
浅
(
あさ
)
はかなのは人間それ自身なのではあるまいか。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そして、頭はどこの敷石の下に
埋
(
うず
)
め、胴はどこの水門に捨て、足はどこの溝に放り込んだという様な犯罪の実例が、
沢山
(
たくさん
)
並べてあった。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もしこの春木座というものがなかったら、小遣い銭の十分でないわたしが、とてもこんなに
沢山
(
たくさん
)
の狂言を見覚えられるはずはなかった。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私
(
わたくし
)
の
頭髪
(
かみ
)
は
大
(
たい
)
へんに
沢山
(
たくさん
)
で、
日頃
(
ひごろ
)
母
(
はは
)
の
自慢
(
じまん
)
の
種
(
たね
)
でございましたが、その
頃
(
ころ
)
はモー
床
(
とこ
)
に
就
(
つ
)
き
切
(
き
)
りなので、
見
(
み
)
る
影
(
かげ
)
もなくもつれて
居
(
い
)
ました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「まあ」——と山吹は感嘆の声を思わず口から洩らしたが、「そういう江戸には美しいお方が
沢山
(
たくさん
)
おいででございましょうねえ」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
若
(
も
)
し以後、庭のなかへ這入るやうな事があつたならば、遠慮はして居られないから打ちのめす、うちには外にも
沢山
(
たくさん
)
の鶏があるのだから。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
もう
是処
(
こゝ
)
で
沢山
(
たくさん
)
だ——わざ/\是処
迄
(
まで
)
来て呉れたんだから、それでもう僕には沢山だ。
何卒
(
どうか
)
、君、生徒を
是処
(
こゝ
)
で返して呉れ給へ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それで誰でも、年の若い学生時代から何でも
彼
(
か
)
でも
沢山
(
たくさん
)
に遠慮なく
惜気
(
おしげ
)
なく「問題の仕入れ」をしておく方がよくはないかという気がする。
科学に志す人へ
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
予科では中学へ毛の生えた様なことをするので、数学なども随分
沢山
(
たくさん
)
あり、生理学だの動物植物鉱物など皆な英語の本でやったものである。
落第
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
夫
(
それ
)
は
大変
(
たいへん
)
だ、
併
(
しか
)
し
君
(
きみ
)
はまだ一
命
(
めい
)
があるのが
幸福
(
しあはせ
)
だ、
大原伊丹君抔
(
おほはらいたみくんなど
)
は
可愛想
(
かあいそう
)
にモルヒネを
沢山
(
たくさん
)
飲
(
の
)
ませられたもんぢやから、
到頭
(
たうとう
)
死んで
了
(
しま
)
つた。
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼の過去にある
沢山
(
たくさん
)
の経験を思い出しながら、一ツの労働組合の経営が一ツの争議が、どんな風に行われるかを女房に語った。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
新渡戸博士が自分の
近眼
(
ちかめ
)
と性慾の自己満足を結びつけて、深く後悔して
居
(
ゐ
)
るのは
善
(
よ
)
い事だが、世の中には
近眼者
(
ちかめ
)
といつても
沢山
(
たくさん
)
居
(
ゐ
)
る事だし
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
すると
天
(
そら
)
の
穹窿
(
きゅうりゅう
)
のようなものが出来あがる。一つの大きな月と、それを取り巻いている
沢山
(
たくさん
)
の小さな星たちと。ところがこの月は成功しない。
チェーホフの短篇に就いて
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
多分、倒れた家から出て来る時に受けたのであろう。膝頭を
擦
(
す
)
りむいている
外
(
ほか
)
に、
沢山
(
たくさん
)
の擦過傷が、血のあとを残していた。
九月一日
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
して梅五郎の
許
(
もと
)
へは
沢山
(
たくさん
)
尋ねて来る人が有たのか女「はい有ッても
極極
(
ごく/\
)
僅
(
わず
)
かです其うちで
屡々
(
しば/\
)
来るのが甥の藻西太郎さんで、 ...
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
巣箱を始めて見たのは、大正六年に、
青島
(
チンタオ
)
へ遊びに行った時であった。あそこの公園は東海に面して、鳥の
沢山
(
たくさん
)
来そうな静かな小山であった。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
良寛さんのやうな、名もない
一僧侶
(
いちそうりよ
)
に、大きい家を建てて、
沢山
(
たくさん
)
の病人をあつめて、施療を行ふといふ大きな仕事を、幕府が許すであらうか。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
しかし、みなさん、僕は今迄にあんまり
沢山
(
たくさん
)
君達にお伽話をして上げたので、少なくとも二度以上しない話なんて一つもないんじゃないかしら。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
「なぜもう一つ歌うんだい? 一つで
沢山
(
たくさん
)
だよ。歌いたい時に、歌わなくちゃならない時に、歌うものなんだ。
面白半分
(
おもしろはんぶん
)
に歌っちゃいけない。」
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「もう
沢山
(
たくさん
)
だ。殺人鬼などに怖れていて永生きが出来るか、儂なんぞはいま
此処
(
ここ
)
へやって来たってびくともしやせんぞ」
天狗岩の殺人魔
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
私を神様か何ぞのように大切にかけて、生卵や果物なぞを特別に
沢山
(
たくさん
)
下すって御機嫌を取りながら、否応なしに競技に引っぱり出されるのでした。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
麻苧
(
あさお
)
の糸を娘が
績
(
う
)
んでいるのに
対
(
むか
)
って男がいいかける趣の歌で、「ら」は添えたものである。「ふすさに」は
沢山
(
たくさん
)
の意。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「どうも……好い住職がないもんですから……それに、もとの住職が寺の借金を
沢山
(
たくさん
)
残して行つたもんですから……」
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
お前の母ばかりでなしに、
沢山
(
たくさん
)
の母たちが毎日のように警察に出掛けて行ったが、母はそこでよく子供を
負
(
お
)
んぶした労働者風のおかみさんと会った。
母たち
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
江州——
琵琶湖東
(
びわことう
)
の地、山美しく水清く、松茸が
沢山
(
たくさん
)
に出て、京奈良に近い——大に心動いて、早速郷里に
照会
(
しょうかい
)
してもらったが、一向に返事が来ぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
お
客様
(
きやくさま
)
が
被在
(
ゐらつ
)
しやるではないかね、
人
(
ひと
)
の
足
(
あし
)
になんか
搦
(
から
)
まつて
贅沢
(
ぜいたく
)
ぢやあないか、お
前達
(
まへだち
)
は
虫
(
むし
)
を
吸
(
す
)
つて
居
(
ゐ
)
れば
沢山
(
たくさん
)
だよ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
併
(
しか
)
し此の居候のお蔭で将門は段〻罪を大きくした。興世王の言を聞くと、もとより
焔硝
(
えんせう
)
は
沢山
(
たくさん
)
に
籠
(
こも
)
つて居た
大筒
(
おほづゝ
)
だから、口火がついては
容赦
(
ようしや
)
は無い。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「お前が来ると知つて居りや、湯も
沢山
(
たくさん
)
、
沸
(
わ
)
かして置いたのに」と伯母が炉上の
茶釜
(
ちやがま
)
をせゝるを、「なに、伯母さん、雪路だから、足も
奇麗
(
きれい
)
ですよ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
それは、米国のユニヴァサルのフィルムで、非常に肥満した女優を、
主人公
(
ヒロイン
)
とした、追掛け
沢山
(
たくさん
)
の、喜劇であった。
死者を嗤う
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
彼女は熱い鉄板の上に転がった
蝋燭
(
ろうそく
)
のように
瘠
(
や
)
せていた。未だ年にすれば
沢山
(
たくさん
)
ある
筈
(
はず
)
の黒髪は汚物や血で固められて、捨てられた
棕櫚箒
(
しゅろぼうき
)
のようだった。
淫売婦
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
第一考えてもわかる。上着は一といろで
沢山
(
たくさん
)
な筈だのに、夏服に、冬服に、間服なんて馬鹿なものまで必要な国が、気候のいい訳がありよう筈がない。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
少しお頼み申したい事があるからと言って、それからその坊さんに乾桃を多分に
遣
(
や
)
りました。実は自分でも重くって
堪
(
たま
)
らんですから
沢山
(
たくさん
)
遣ったんです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
栗園先生は頼んでも私を害する人ではないが、血気の
門弟子
(
もんていし
)
が
沢山
(
たくさん
)
居るから、立寄れば
迚
(
とて
)
も助からぬと
思
(
おもっ
)
て、不本意ながらその門前を素通りしました。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
千八百四十四年、パリの
商家
(
しょうか
)
に生まれ、少年の頃から
書物
(
しょもつ
)
の中で育ったといわれるくらい
沢山
(
たくさん
)
の本を読みました。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
彼は立寄つたついでに、もつと
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
たいところが、まだ
沢山
(
たくさん
)
あつた。食べに行きたいところも
多
(
おほ
)
かつた。しかし今度の旅は遊びが目的ではなかつた。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
イイエこれで
沢山
(
たくさん
)
です。
貴君
(
あなた
)
のお志を戴くのですから半襟はこれで結構です。私がかけませんでも外に
用
(
もちい
)
る処が沢山あります。折角のお
思召
(
ぼしめし
)
ですからこれを
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
だぼはぜ嬢は、
相不変
(
あいかわらず
)
の心臓もので、ぼく達よりも一船前にホノルルを去った野球部のDさんやHさんに、生のパインアップルをやけに
沢山
(
たくさん
)
託
(
こと
)
づけました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
サイゴンの街を出外れると、道は自然にキャデインの町へ
這入
(
はい
)
つてゆく。こゝには日本の兵隊が
沢山
(
たくさん
)
ゐた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
氷山の上で
悲
(
かなし
)
みながら
吼
(
ほ
)
えているのを月がながめた時、この世の中の、
沢山
(
たくさん
)
な
悲
(
かな
)
しみに慣れてしまって、さまで感じなかった月も、心からかわいそうだと思いました。
月と海豹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「もういいですよ、もう
沢山
(
たくさん
)
」と、身近にずり寄って両手に接吻しながら、ヴォローヂャが言った
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
複雑な形の容器で、導線がそれから
沢山
(
たくさん
)
外へ引き出されている場合なので、空気の漏洩によほど注意をしないと、とても10
-6
ミリなどという真空にはならなかった。
実験室の記憶
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
遠慮なく
沢山
(
たくさん
)
飲んで行きな。(他の者に)今の草双紙の読み続きを聞こうぜ。八、読んでくんな。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
もうこんなにこの村には
沢山
(
たくさん
)
の外国人がはいり込んでいるのかなあと思いながら、私はすこし
呆気
(
あっけ
)
にとられたように、いましがた私の背後を通り過ぎて行ったばかりの
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
沢
常用漢字
中学
部首:⽔
7画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
“沢山”で始まる語句
沢山咸
沢山有之